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動画撮ろうと思ったけど、陳腐になりそうだからやめた

このお話は、動画が全てだと思い込んでいた女性が、#noteもくもく会 への参加を通じて、動画だけが全てではないと思えた、そんなお話です。

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冬晴れが気持ちの良い日曜日のあさ。

彼女は 「noteもくもく会」 に参加するため、茅場町へ向かった。雰囲気の良いカフェが入居しているビル3階が、今日の会場だ。

エレベーターをおり、左に身体を向けると、すでに何人かが、もくもくしていた。

おはようございます〜、今日note書くテーマ決まってますか?

noteもくもく会を企画している、黄色いアイコンの彼が話しかけてくれた。

まっすぐ進むと、ホワイトボードには既にもくもくしている人のテーマが書かれている。


あぁ、なるほど、こういうシステムね


詳しい自己紹介は求められず、「名前」と「これから書くnoteのテーマ」をホワイトボードにかき、席につくスタイル。

そしてnoteをもくもく書く。

そのスタイルに若干の戸惑いを感じながらも、彼女は言った。


"退会はネガティブではない"ことについて書こうと思います〜。ちょうどオンラインサロンを退会しました〜と呟いたら、ちょっと誤解されそうだなぁーと思ったので。


「面白そう〜」「確かに、退会って言葉はネガティブに捉えられちゃいますよね」「距離を置きますだと、恋人みたいだし」そんな会話が生まれて、心地よかった。


そして、彼女は、空間を見渡した。


陽の光にあたれる窓際で、かーこおっ



抑うつ状態・適応障害と診断された彼女は、太陽に飢えていた。精神科医に、太陽にはなるべくあたった方が良いですよ、と言われてから、陽の光を探すようになったのだ。


パソコンでnoteを書いている人
スマートフォンで書いている人
noteを書く時に使うデバイスって
人それぞれなんだなぁー


そんなことを想いながら、彼女もnoteを綴り始めた。


コーヒーの香りと、大橋トリオの音楽が流れている。



あれ、note止まってます?


居心地の良い空間に、「小休憩が必要だよ」とnoteが合図を送ってくれたかのように、noteに障害が起きた。


ちょうど彼女にも、居心地の良い脳からの疲れのサインを受け取っていた。


「外の空気を吸って、歩くことで、モノを見る視点の距離が変わるのでリフレッシュできる。ちゃんとお昼休憩は外に行ってとった方がよいですよ」と、産業医の大室正志先生がネット番組で言っていたのを思い出した。


彼女は今、心と身体の健康に夢中だ。



お昼休憩の時間も惜しくて、パソコンに向かいながらコンビニのご飯を食べて仕事をしていた昔の彼女。そんな昔の彼女から、少しずつ変わろうとしている。


誰か、コンビニに一緒に行きませんかー?


声をかけたら、茶色いアイコンの男性も一緒に行くことになった。話を聞くと、彼は大学生。休学中とのこと。休職している彼女は、休学という言葉に、少し安心した。


休職するってわかった瞬間、「逃げだ」「甘えだ」「弱い」「キャリアの終わりだ」「諦めだ」っていろんな想いに押し潰れそうになったんですよね。ほんと辛かった。だけど、今は少し前を向けるようになっていて、休めて、人間取り戻せてよかったなぁーって思えるようになりました。


そんなことを自然に大学生に話してた。大学生の彼は優しく受け止めてくれた。それがなんだか、彼女は嬉しかった。



最初に行ったコンビニは、ビジネス街にあるからか、閉まっていた。それはもっと、大学生と話して良いんだよという、コンビニなりの意思表示だったのかもしれない。


開いてなかったですね、すみません


大学生の彼は、謝っていた。謝る必要なんてないのに。


最近、調べることをやめたんですよね。
コンビニも、Googleマップで調べれば最短距離がわかるけど、せっかく人がいるなら、人に聞くことも良いことなのかなって思えてきて。あいてなかったから、こうやって散歩できる距離が伸びたし。この間、地図も見ずに赴くまま歩いていたら、楽しかったんですよね。


彼女は楽しそうに話していた。


心の中で、昔の彼女だったら、コンビニが閉まっていたらイライラしていたかもしれないってことを感じていた。


最短距離、成果、効率、生産性


そんな言葉が好きだった彼女が、そんな言葉から距離を置くようになっていた。

些細なことでイライラしなくなっている自分と出会えて、ちょこっと嬉しかったのかもしれない。


オフィスに戻っても、noteは復活していなかった


おしゃべりが好きな彼女は、noteが障害中でも、もくもくと書き続ける参加者の集中力に、驚愕していた。

おしゃべりができないぶん、彼女なりになぜこの空間が心地良いのか、スマホ片手に呟いていた。


誰も、私の呟きも見ていない


そんな少しの寂しさも、もくもくとnoteを書いている人たちに囲まれた空間では、ちっぽけに感じたのだろう。


彼女は、空気感を伝えたいと思い、スマホを顔の近くに持ってきた。

カメラ

ビデオ

赤い録音ボタン

ピコンという音とともに、少しの違和感を覚えながら。



なんか、違う。


ピコン


撮るのをやめた。一瞬見返した。


動画を消した


呟いた


動画撮ろうと思ったけど
陳腐になりそうだからやめた



あんなに動画が全てだと思っていた彼女は、動画を撮れば全てが伝わるって思い込んでいた。




はい、そろそろ終わりの時間なので写真撮ります〜


企画者の黄色いアイコンの彼が、みんなを集めた。


はい、では帰りましょう〜


彼女はエレベーターに乗った。

「この後どこかいきますかー?」みたいな、本心なのか気を遣って言っているのかわからない、ふわふわな会話は一切流れず。


もくもくとnoteを書いた人たちは、もくもくとそれぞれの帰路へと向かった。



居心地の良い、なんだか不思議な空間だなぁ



そんなことを思いながら、彼女は書き終わらなかったnoteを、下のカフェで書き綴けた。


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Special thanks!!

黄色いアイコンの企画者

一緒にコンビニに行った大学生

2019年12月8日に一緒にもくもくして、素敵な空間を彩ってくださった方々

彼女が書いたnote


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編集後記風のnoteも書いてみた


紹介してくださったTweetも挿入



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