ジャンクフードの扱いに迷っているお母さんに伝えたいこと
先日、子どもが映画見ながらポテチ食べたい、と言ってきたんです。その時湧き上がった自分の気持ちが、数年前のものとまったく違ったものだったことに気がつきました。
数年前「ええええポテチー。たべてほしくないなあ。」など言いながら言葉を濁らせ、買わない。
今「オッケー、映画とポテチ、最高やんね!」
同じ人間とは思えない、この言葉の違い。
どちらの方がハッピーかと言ったら、もちろん今です。子供にとっても、私にとってもハッピーです。
こう思えるようになったのは、香港人の生活からある一つのことに気がついたからでした。
海外に住んでいると、子どもが誕生日パーティに呼ばれると、ほぼ100%のパーティで、ピザにお菓子にジュースなど子供たちがきゃほーっとなる食べものが机の上にだだーっと並びます。
今ではすっかり当たり前のこととして受け入れていますが、まだお母さん初心者だった頃は、これに抵抗があり、パーティに呼ばれるのが苦痛になってしまったこともありました。
私のように、ジャンクフードのように、世間一般的に食べない方がいいと言われているものを食べさせたくなくて、でも避けることできなくて困っているお母さんが、世にはたくさんいるんではないかと思います。
時を経て、私はこのお母さんたちの気持ちを解決してくれる、一つの答えを見出しました。
結論から先に言いますと、それは
「ジャンクも楽しく食べたらいい。それを帳消しにしてくれるものを後で食べようね」
です。
長年香港に住み、エネルギッシュで健康年齢が世界一長く、何歳になってもお肌がツルツル艶々な香港の人たちの食生活を見てきて、彼らの根底に流れる食の概念は、日本人の我々の生活にもぜひ取り入れるとよいと思うことがたくさんあります。
今回の答えも、香港人の食生活から見出したものです。
この国の毎日の食卓に欠かせないものがあります。
それは、老火湯と呼ばれるスープ。日本人的に言うと、薬膳スープと呼ばれるもので、野菜と肉と漢方食材を少し、2時間ほどかけて煮込み続けます。
味付けは、何もしないか、ほんの少しの塩だけ。
まずくありません。美味しいです。体に染みる優しい美味しさです。
私は、香港でこのスープに出会って、細々と飲み続けてきたのですが、どんどん体調がよくなりました。
この神のようなスープの良さを日本の方にも伝えようと、体に良い、健康的、癒し、という表現では何か足りないと思っていたのですが、ようやくしっくりくる表現が見つかりました。
リセットです。
できる限りニュートラル(中庸)に戻すという意味です。
香港の人は皆、このスープの本当の意味、体をリセットすることの大切さをよく知っています。
外食もしょっちゅうするし、お肌艶々セレブたちはみんなで集まったらコーラもファンタも飲みます。でも、帰ったあと、一杯のスープを飲んでから寝るんだそうです。
私は、このリセットという考えに出会って、ジャンクフードが恐くなくなりました。
とは言え子どもたちはスープを嫌がることもあります。そこで代わりになるのがフルーツ。
香港人のフルーツ消費量は、日本人と比べて桁違いです。数字で調べたことはないのですが、みんながスーパーのカゴに入れている量を見れば一目瞭然。
この「フルーツたっぷり作戦」も、体をリセットする一つの方法。
つまり、香港のスープにしろフルーツにしろ、調味料を使わない、自然のままのものを口にする、ということが、体を素早くリセットする方法なのだと思います。
日本なら、野菜を煮込んだだけのスープでもいい。できるだけ調味せず、自然のままの味を。
パンデミックで、これまでの価値観や、働き方、生活のあり方が否応なしにリセットされた今、きっと食においても、「食で体をリセットする」価値観が、今後、世界中で浸透していく予感がなんとなくしています。
そうなれば、ジャンクフードに困っているお母さんの不安を和らげる料理もきっとどんどん紹介され始めるかもしれません。きっと自然の味にお子さんが慣れてきたら、いつのまにかジャンクフードを食べたいって言わなくなりますよ。
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