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初心者とプロの差はどこにある? 優秀なファシリテーターの場こそ、たくさんの「意図」が込められている

今回もファシリテーター向けの記事です。自分でイベント・ワークショップ・セミナーなど場づくりをしたい方向け。


ワークショップなどを主催する経験が浅い段階で、一番やりがちなことって何でしょうか?

それは「学んだ手法をそのまま、とりあえずやってしまう」です。人って学んだことは、どこかで試したくなってしまいますよね? なので、自分が参加者として参加した場で行われていた「面白そうな手法」があると、そのまま試してしまったり。


もちろん、アレコレ考えて何もできないよりは、「えいっ!」とやってみた方がずっと良い。私もこの記事書いてはいますけど、何でこの記事書けるかと言えば、そりゃ、あれです。自分も「とりあえずやってしまった」経験が多いからです・・・。


ファシリテーターとして初心者と経験者(またはプロ)の違いって何でしょうか。それは、自分が主催する場、行うプログラム(手法を含む)に意図を込められるかどうか、だと考えています。


つまり、経験者は細かくデザインできる力、つまり、細部に意図を込められる力がついている人のこと。 何か新しい手法を体験したら「そもそもこの手法の狙いは何か」「これを行うことで何が起きる(どんな状態になる)ことを意図するか」を考えて、それを踏まえた上で実施することができる人のことです。


手法と意図はどちらが優先?

例えば、ワークショップの最初に行う「チェックイン」という手法があります。「今日の参加理由は?」とか「今、自分自身はどんな状態、気持ちですか?」という、簡単な問いかけをして全員が一言ずつ話をすること、ですね。


これは、全員が一言話をすることで、

・安心感、信頼感を高める
・今、この場所にいる人の状態を知る
・発言のしやすさ、土壌を作る
・ファシリテーターが、それぞれの人にどんな風に関わるかの材料を集める

などの意図が込められています。


なので「他の場でチェックインというものをやってみて何となく良かったから、自分が開く場でもやってみよう」だけだと、例えば参加者が「これって何ですか?」「何でやるんですか?」とか「いや、ちょっと私は・・・」と言われたりした時にうろたえてしまいます。 


そもそも狙いの一つが、安心感を高める、だと自覚できていれば参加者の中で話しづらそう、緊張していて今は話したくなさそうな人がいたら、無理に話をさせるとその人の安心感が損なわれるということは分かりますよね。


また、狙いや意図がしっかり分かっていれば、何も「チェックインをやります」と言わなくたっていい。私も自分が開く場では必ずチェックインを行なっていますが、「チェックイン」という言葉自体を使うかどうかは、その場によって決めています。 (言葉を選ぶのも、大切な場の設計の1つ、ですね)


「チェックインをやってみましょう」と告げる方が、参加者にとってトライしやすい場だったら、そうしますし、あまり対話の場に慣れていない人ばかりの場だった場合は「始めに、今日どんな方がいらっしゃるかを少し聴きあってから始めたいので、今日の参加理由や、今、ご自身がどんな状態か、、、緊張しているとか、楽しみ、とか、お一人ずつ短く聞かせていただいても良いですか」というように「チェックイン」という言葉を使わずに実施しています。


つまり、そもそものチェックインの狙いである意図が叶えられるなら、わざわざチェックインという言葉を使わなくて良い、ということです。


初心者から一歩、抜きん出るには?

まだイベントなどの主催経験が浅い人が、経験を重ねて上級者を目指したいなら一歩一歩、「これをやることの狙いは?意図は?」と問いかけて設計する癖をつけること。 逆に、これをやっていなければ何度イベントを主催しても初心者のままです。 ( 主催経験が多い=上級者  ではないですよ。)

 

意図や狙い、もう少し大きくいうとその場に願いがある場の方が圧倒的に厚みがある。参加していても細かくデザインされた場の方が「大切にされている」感があり、参加者としての安心感が高まるのではないでしょうか。


繰り返しになりますが、私も「とりあえずやってみた」場はたくさんやりましたし、今でも「あ!ここ、気を配れてなかった…!!」と開催した後に気づくことだってあります。


それでも「意図を持ってデザインする」経験を重ねれば重ねるほど、あなたらしさが溢れる場になるはず。 その人ならではの場を開く人が増えたら、私はとっても嬉しいです!

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