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【詩】 余白

初めの第一歩はいつも君のほうが早くて
斜め45度辺りに流れ行く雲を
ぼんやり見ていた私は
ある日突然のノックの音に
ちょっぴりひやっとした

扉を開け
名前を呼んで
君を探して
黒いチューリップを摘み取った

迷い込んだ森の奥深く
眠りに堕ちゆく瞬間にはいつも
本当のところを知ることができるらしい
透明な言葉の使い方や
いつしか道に迷っては忘却していたこと
思わず見つめてしまう白蛇の瞳孔に
赤裸々に明かりが灯される

なかなか明けない夜に
涙が出る由縁を考えてみた
カーテンを勢いよくあけて
全てが当たり前って思わなくって
ありがとうって思っていたら
きっと何もかもが優しい

窓際の引き出しを開けて
空色の手帳を取り出し
生成色の頁を捲って
林檎の白を押し花にする
お話の締めくくりは自由であっても
一日の最後の言葉は大抵は君
だからくるっと回って
あとはもうくすっと笑って
明日の頁を私にください

#ハマった沼を語らせて

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