みちのく いとしい仏たち〜東京ステーションギャラリーにて〜
東京ステーションギャラリー
みちのくの いとしい 仏たち展
みちのくのやさしいお顔の仏さまたちに会いに、東京ステーションギャラリーに行ってきました。
このギャラリーは初めて訪ねる場所でした。
「東京ステーションギャラリー」と、いうから東京駅、丸の内北口まではわかったけど、ちょっとウロウロ。
で、ドーム型のエントランスにもう一度戻って、
ありました。
チケットを買い、エレベーターで3階に上がり照明を落とした展示会場に一歩入ると、そこは静かにほとけさまに守られているような空間でした。
今回の展覧会、江戸時代ごろに東北地方で大工さんなどに作られた民間のほとけさまを展示したものでした。
飢饉や疫病で凶作の中、何とか暮らしていけるように、
海の漁師さん達が、荒波を乗り越えて漁を終え無事帰港できるように、
などと人々は折に触れ、手を合わせて祈ったことでしょうか。
また、夫婦間、嫁姑間の人に言うに言えない辛さを手を合わせて心の中で仏様にこぼした人も数知れないかも知れません。
そんな日常の苦しみや悲しみ、切なさをみんなみんな抱きしめてくれるような、やさしい微笑の仏様たち。
中には、野良着を着ていたり、
粗末な身なりの仏様もありました。
鎌倉や京都の有名な仏師達に創作された精巧で技巧を凝らした仏様は確かに美しいのですが、今回のほとけさま、こんな顔した人、どこかにいるかもなあ、誰かに似てるなぁと、思いながらみていました。
数年前、全国を旅しながら数千もの仏像を作ったといわれた円空展でみた仏様たちに似ている、素朴で可愛らしく、親しみのある仏様たちでした。
私が気になったのは、女神像。
やや前屈みで、長い髪を真ん中でわけ、ふくよかなお顔に目尻の下がったやさしい眼差し。
小さな子どもを抱いた観音様もいました。
このほとけさまに、生まれたくても生を全うできなかったり、幼くして灯火が消えてしまった命のために、手を合わせた人々もたくさんいたのでしょうか。
そんなことを考えながら、ほとけさまを一体ずつ鑑賞する時間をもてました。
生きていると色々なことがあります。
自分の思いが叶わないこともたくさんあります。
だから、祈るのかもしれませんね。
我が家もやさしい円空さんの仏様に見守っていただけるよう、これからも手を合わせていきたいと思います。
◎最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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