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「編集力」で事業貢献する。SmartHRコンテンツマーケティング部の施策とこれから

こんにちは、SmartHRでコンテンツマーケティング部に所属しておりますyukisanです。チームとしてどんなことをやっているか、以前書いたのは2021年でした。
それから、オウンドメディアのSmartHR Mag.をリニューアルなどしている間に2年経過しておりました。

組織も大きく変化し、現在はブランディング統括本部、サービスクリエイティブマネジメント本部のコンテンツマーケティング部という組織になっています。(長い)
組織のあれこれはすでに別のnoteで触れられていますので、ご興味がありましたらそちらをご覧ください!

改めて、コンテンツマーケティング部として今どんなことをしているのか、どんなチームなのかをご紹介したいなと思います。
※新たに求人もオープンしていますので、ご興味ありましたら最下部をご覧ください!


手段ではなく「課題」からコンテンツを企画できるチームへ

3〜4名の少人数チームのときは、それぞれの強みを活かして「オウンドメディアであるSmartHR Mag.」、顧客の声を記事にする「導入事例」、リード獲得や商談化につなげる「ホワイトペーパー」など、それぞれの手段に合わせて役割分担していました。
しかし、マルチプロダクト戦略が進み、組織も拡大、顧客となる企業規模も幅広くなることから、「手段」をベースに考えるのではなく、「解決したい課題」から適切なコンテンツの手段を考えるように変化しています。
マルチプロダクト戦略におけるコンテンツの考え方は同じチームの@garkoさんが書いたnoteが参考になります!

解決したい課題から適切なコンテンツを手段を考える、とは、例えば以下のようなことです。

  • ウェブ上で見れる記事ではなく、動画が適している

  • 1件ずつ取材するのではなく、既存顧客からアンケートで声を集めて記事化するのがよい

このように、課題の大きさ、リソースに合わせてあるべきコンテンツの型のバリエーションをとれるようにチャレンジしています。(ここはもっと色々なことができると思っています。)

やりたいことに対してある意味「どんなコンテンツを作ってもいい」状態になったともいえるので、フリースタイルなところはあります。難易度も高いです。
ただ、「導入事例作って!」の依頼に対して、「導入事例取材をして記事にする」がベストプラクティスとは限りません。リソースに限りがあるなかで、こちらが「こんなのも作れますよ」と引き出しをもつことが重要です。

そんな部の変化があるなかで、「編集力」で事業貢献するためにチャレンジしていることを、大きく3つの軸でご紹介します。私が代表して紹介しますが、どれもすべて、チームの皆さんのおかげです。いつもありがとうございます!

1.オウンドメディアの価値を高める新たなチャレンジ

SmartHR Mag.は昨年2023年3月にリニューアルし、そこから取材記事、SmartHRのプロダクト解説の記事など、更新頻度を上げて運営しています。ありがたいことに、昨年はコンテンツマーケティンググランプリにてオーディエンスビルディング部門を受賞第11回Webグランプリ「アクセシビリティ賞」を受賞するなど、さまざまな場面で評価いただきました。

■メディアのグロースとリード獲得への貢献

読者の方に「もっと読みたい」と思ってもらうための工夫をし、注力カテゴリにおいては1人あたりのページ閲覧数はリニューアル前の約2倍に。徹底したCTAポイントの改善でCTRも大きく向上しました。Mag.のコンテンツをベースにしたホワイトペーパーは、DL数だけでいうと約半年で2,500件を超えています。
SmartHR Mag.を見ている人と見ていない人では、見ている人の方がよりMQL化に貢献しているとのデータもあるため、有益なコンテンツを制作できている実感があります。

さらに、BtoBのオウンドメディアといえばSEOコンテンツによる集客がよくとられる手法の1つですが、Mag.では流入の土台をしっかり作りながら、図解、アイキャッチなどのこだわりでMag.らしさも大事にしています。

SmartHR Mag.の新着記事一覧

Mag.のタグラインは「働く明日が、もっとよくなる」です。読者の方が知りたいこと、知ってもらいたいこと、メディアのテーマに沿ったコンテンツづくりにこだわり、改善を続けています。
このあたりの改善によるグロースは、チームの@gucciさんがリードしてくださいました。流入強化についてはチームの@gotonyanさん、@mukaharuさんが引っ張ってくれています。

■Mag.読者との関係強化

また、SmartHR Mag.ではメールマガジン読者へのコミュニケーションも強化しています。スタートしてもうすぐ1年ですが、開封率も結構高く(現在約30〜40%以上)、興味関心の高さが伺えます。
メールマガジンのテンプレート(装飾)もこだわりをもってデザインチームと改善いただけました。とても素敵なメールマガジンになったので、ぜひ登録してみてくださいね。ここはチームの@okaasanがぐいぐい引っ張ってくれています。

SmartHR Mag.から発信しているメールマガジン

SmartHR Mag.のメルマガ登録はこちらからできます

今後はメールマガジンだけでなく、さまざまな方法でMag.の読者の方との関係づくりをしたいと思っています。

2.コンテンツで「商談」に進めるためのチャレンジ

■顧客の意思決定を促す、一歩前に進めるための施策

目の前の集客やリード獲得だけではなく、商談化、商談を前に進めるためのコンテンツも制作しています。インサイドセールスの課題をヒアリング、または商談履歴の情報から必要となるコンテンツを企画し、制作しています。
業界の課題に合わせた切り口であらたなホワイトペーパーの制作や、SmartHRの強みを知ってもらうための資料を制作。
大型カンファレンス開催時には、速報レポート記事を制作し、インサイドセールスの架電に役立ててもらうような試みも実施しました。顧客・有識者登壇セミナーは、その場だけにせずコンテンツ化して資産化することで、さらなる活用が見込めます。
これらは入社・異動後まだ時間が経っていないメンバー、@gotonyanさん、@kenkenさん、@mukaharuさんがゴリゴリ進めてくださっています!

制作したホワイトペーパーの一部

顧客とのコミュニケーションのために役立てるために、人的資本開示などの人事トレンドに沿ったホワイトペーパーも制作しています。これらは商談化だけでなく、継続的なコミュニケーションのきっかけとして活用いただくこともあり、「SmartHRはいい情報を提供してくれるね」と思ってもらえるような関係づくりに貢献しています。

■顧客の声を活用してもらうための施策

視覚的に見せた方が価値が伝わるもの、説得力が増すもの、ぱっと伝わるものは動画として制作しています。商談前にzoomの待ち時間で顧客の事例動画を見せている、みたいな話も聞きました。

また、導入事例としてはまだ取材を受けられないけど、違うテーマなら取材可能なこともあります。顧客にとっても「採用時に応募者に見せられる!」など、ブランディングとしていいコンテンツになるよう意識しています。(結果的に、SmartHRのことをポジティブに語ってくださる方もおり、大変ありがたいです。)

顧客の声は貴重ですので、いただいた声はほかのホワイトペーパーなどにも引用、ご紹介し、SmartHRの信頼感・納得感が高まるようなコンテンツ制作にもつながっています。主に、@takumiさん、@taketoyoさん、@okaasanがグイグイ進めてくださっています。

3.「編集力」で事業貢献するチームを目指した体制づくり

■コンテンツの引き出しをたくさんもてるように「スキル目標」を設定

冒頭に書いたとおり、これまでは個人の強みに合わせて「メディア」など手段からコンテンツを企画する体制でした。現在は事業の拡大、組織の変更に伴い、コンテンツ制作ニーズが複雑化・難度化しています。
コンテンツを届けたい人に対して、適切なチャネル、適切な形は何か、そこから逆算して企画できる力を高めたいと思っています。また、「本当にその訴求でいいのか」なども含めて提案できる立場でもありたいです。(私も含めて)

現在Mgr、チーフ、メンバー合わせると9名いますが、「取材記事は作れる人2名しかいないので、リソース足りなくて無理です」みたいなことが起こらないよう、全員の「できること」の水準を上げ、チーム力を高めたいと思っています。
まず経験をつむため、現在は社内からのコンテンツ制作依頼案件をローテーションしています。いつ誰にどんな制作のご相談がくるかはわかりません。
一人ひとり、「有識者への取材ができるようになる」「ホワイトペーパーの台割、ラフ案が考えられるようになる」など具体的なスキル目標を設定し、今までやったことないことにチャレンジしていきます。

昔からやっていることとしては、記事のタイトルを考える「タイトル修行」や、文章の校正、提案をする「編集修行」なども継続し、基礎的な編集力向上に努めています。

超絶ざっくりですが、コンテンツマーケティング部の現在の業務をスキルとして棚卸しし、高めていくためのシートです。スキルレベルは「お好み焼き理論」を説明していますが、もし興味があれば聞いてください。

■コンテンツの貢献度を追求し、「編集力」の価値を高める

これは永遠のテーマですが、私たちのチームは「コンテンツ制作」がメインで、届ける機能をもっていません。唯一チーム内でPDCAをまわせるのがオウンドメディアのSmartHR Mag.です。
作ったホワイトペーパーがMQL化に貢献したか、商談時に活用いただけているか、これらはダッシュボードから確認したり、ナーチャリングなどの各関係部署の動きをウォッチしたりして地道に追っています。(ここももっと改善していく予定です!)

さらに、定性的な「活用したよ」「役に立ったよ」の声は追いながらも、以下のような動きを始めています。

  • Salseforceのメール送信履歴から、導入事例などのコンテンツがいかに送付されているかをウォッチし、改善のヒントにする

  • SlackのやりとりでMag.やホワイトペーパーなどが活用されているか検索して把握、その傾向をつかんで「ほしいもの」の精度を上げる

  • SmartHR Mag.は記事ごとにおおまかな目的を設定し、記事カテゴリごとにオーディエンスがどのような動きをしたか測定し、Mag.の貢献度、価値を高める施策を実行する

  • ナーチャリング、セールスなど関係部署と連携し、「ほしいもの」をつくれるよう深く踏み込んでいく

上記のような体制強化、チーム力向上は、@garkoさん、@gucciさんがチーフとして実践してくださっています。お二人のおかげで私はどれだけ助けられているか…。

コンテンツに触れた人に「どうなってもらいたいか」「どう感じてもらいたか」を想像する

コンテンツを制作する以上、それに触れた人に何らかの変化が生まれないといけません。何も変化がなかった=コンテンツとして役割を果たせなかった。ということです。

話は変わるんですが、子供の塾を検討するとき、意思決定に影響したコンテンツが多々ありました。「合格体験記」として頑張って合格した子供のページでは「ここの塾でちゃんと合格できたんだな」と思いますし、「塾講師プロフィール」があれば「信頼できそうな先生がいるな」と想像できます。

塾って高いじゃないですか。しかも、実際に合格するかはわからないですし、そこに責任をもってもらうわけではない。(不合格なら返金、とはいかない)どんな授業をどんな先生から受けるかは親にはわからない。形のないサービスに対して、年間で結構なお値段を払う決断をするには、相当不安があります。

「この塾にしよう」と決定するまで、複数の塾を比較し検討するなかで、いろいろなコンテンツに触れました。WEBサイトだけでなく、紙で渡された説明会の資料、塾に置いてあるパンフレット、壁の掲示物、ビルの看板、口コミ。それ以外に、通っている子供の姿、先生の熱意。それら複数のコンテンツ、タッチポイントで少しずつ心が動かされた結果、塾を決定します。

私たちコンテンツマーケティング部の役割は、コンテンツの力で顧客の心になんらかの変化をもたらし、SmartHRの検討を前に進め、事業に貢献することです。
そのためには、SmartHRが検討の土台に上がる前にほかとの「違い」をつくる、顧客にとって魅力的で目指したくなる世界を強く伝える、SmartHRの価値を適切に伝える、など、さまざまな手段があります。
編集の力をここから活かせるのって、めちゃくちゃやりがいありませんか?

コンテンツに触れた人にどんな気持ちになってほしいか、SmartHRを活用する顧客には将来どうなってほしいか、それらを想像しながら、コンテンツを企画し、貢献できるよう、これからもチャレンジしてきたいと思います。

作ること自体はゴールではなくただのアウトプット。その結果どうなった?もっとよくするには?誰を巻き込めばいい?など、作った後のことに興味がもてないと、この仕事の本当のやりがいは感じられないし、成長もできません。
まだまだ、BtoBのコンテンツマーケティングとしてできることはたくさんあると思うので、みんなでやっていきたいなと思っています。

そんなコンテンツマーケティング部、採用しております!一緒に答えのないことに向かってチャレンジしませんか?(カジュアル面談などもぜひどうぞ)