「一般女性」になりたい

近いはずなのに、すごく遠い。私は「一般女性」と呼ばれる女性に憧れている。

もちろん私は有名ではないので、一般女性であるのにかわりはない。でもちがう。今日も嵐の二宮君の結婚で「一般女性」が取り上げられたし、芸能人のニュースには2回に1回くらい「一般女性」が登場する。決して顔の見えない「一般女性」はわたしの中で美女の姿となっていく。

スタイルがよく、足が細くて、茶髪のロングヘア、ゆるく巻いた髪の毛がかわいらしく、口に手を当ててクシャっと笑う。平日も土日もオシャレを欠かさず、家に帰ったらちゃんと自炊する。そんな女性が「一般女性」だ。

もはや「一般女性」は、普通の人生を歩んでなれるものではなくなった。幼稚園の友達まで洗いざらいにして、芸能人とのツテを探り、そこから女性として気に入ってもらうしかない。人に話しかけるのが苦手なわたしは、第1歩目からつまづいている。

もしくは「芸能人を助けた一般女性」とか「一般女性を救った芸能人の神対応」みたいのに偶然立ち会う方法がある。これなら心のハードルは低いけど、確率があまりにも低すぎる。とりあえず、定期的に体調不良になるところから始めるしかない。。。

結局、今日も「一般女性」に慣れずに1日が終わった。でも明日は有給を取得して、結婚式のアイテムフェアに一人で行く。どこにチャンスがあるか分からない。

ひょっとしたらひょっとして、「アイテムフェアに1人で参加!?1人を楽しむ一般女子特集」なんてテレビ番組の取材が来るかもしれない。もし急に「一般女性」になってもいいように、今日はゆっくり寝たいと思う。

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