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「お笑い第7世代」ときいても視聴者は分からないのに、なぜ使われる?

「お笑い第7世代」に違和感

最近TVでよく聞く「お笑い第7世代」という言葉に、すごく違和感がある。お笑い第7世代は、視聴者への伝わりやすさを考慮していない「テレビ的」な業界用語だと感じるからだ。

そもそもお笑い第7世代とは?

「お笑い第7世代」とは、霜降り明星やEXIT、ハナコ、ミキ、四千頭身などの若手芸人を指す言葉として使われている。

霜降り明星のせいやが、20代の勢いのある芸人をくくるときに「第7世代」とラジオで発言したのがキッカケといわれている。「第7世代」は明確に初代から数えたのではなく、何となくインパクトのある”7”をつけてみただけらしい。

テレビで急に使われだした「お笑い第○世代」

「第7世代」がテレビ業界的にはしっくりきたのか、最近TVで頻繁に使用されている。若手芸人が登場する番組には必ずと言っていいほど「第○世代」といった区分が使われているんじゃないだろうか?

一応調べてみると、第4世代はナイティナイン、第5世代はエンタ芸人、第6芸人はひな壇芸人、と分かれるらしい。第6世代と第7世代の間は「第6.5世代」なんていわれたりもしている。ただ基準はすごく曖昧で、ある番組で第6世代と紹介されていた芸人が、違う番組では第7世代になっていることも。

「お笑い第7世代」は視聴者ファーストじゃない。TV業界の驕り?

どの世代にしろ、「お笑い第7世代」は業界内の呼び名を無理やりTVで使っている感が半端ない。わたしはそこそこお笑いが好きなので、第3世代から第7世代まで聞けば「あ~」と納得できた。それでも誰が第●世代かなんて覚えられないので、「いま注目のお笑い第7世代!!!」といわれてもピンとこない。いやいや、第7世代って誰だよって思う。

お笑いに特別興味がない人からすると、「第○世代」というカテゴライズは意味不明だろう。まして「第6世代」「第6.5世代」なんて区分は知名度は限りなく低く、このくくり方をされる芸人さんがかわいそうと感じてしまう。

TV業界がみんなの憧れなら、喜んで「第7世代がさ~」と使ったかもしれない。でも昔ほど、TV業界に憧れる人が少ない中、こんな業界用語がはやるんだろうか。第7世代でくくられるEXITなどが売れっ子になっていても、周囲で「第7世代」と言っている人がいないのをみれば明らかだ。

「『第7世代』といっとけば分かるだろう」というテレビ側の思いが透けて見えて、この言葉を聞くたびに視聴者とTVの距離を感じてしまう。

自分の常識が世間の常識とは限らない。「お笑い第7世代」という言葉から、そんな教訓を学べた。

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