機は熟した。ランドセルを買うぞ。
「いちねんせいになる」
ニコニコ顔で彼が言うその9文字が、泣きそうなほど嬉しかった。
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来年度入学の息子のランドセルをついに買いました。
ラン活戦線にすっかり出遅れた夏休み前、一度重い腰を上げて買おうとしたことがあったのですが、考えが変わって買うのを保留にしていました。
そのときの記事。
ランドセルの意味や小学生になるということを、発達の遅い彼が理解できるようになってから一緒に選びたい、という思いから、もう少し待つという選択をしました。
その後夏休みが明けて。幼稚園や療育先で何か影響を受けたのでしょうか、彼の口から「ランドセル」という言葉をときどき聞くようになりました。自分が背負っているリュックを指して、ニヤニヤしながら「これ、ランドセル」と言ってみたり。
いい傾向だ、そろそろランドセルを選びに行こうかな、と思っていた頃、決め手となる小さな出来事がありました。
「はるちゃんもうすぐいちねんせい」という絵本を幼稚園で借りてきたのです。
小学校入学を控えた「はるちゃん」が、ランドセルを買いに家族とデパートに行くお話です。
この絵本がすごく気に入ったようで、ニコニコしながら何度も読む息子。タイトルの「はるちゃんもうすぐいちねんせい」の「はるちゃん」のところに自分の名前を当てはめてみたり。
今のタイミングでランドセルを買いに行ったら、絵本の内容とリンクして楽しい経験になるのでは。というか買いに行くなら今でしょう!
ということでショールームに出かけ、無事にランドセルを選んできました。
帰りには、デパートのカフェに寄ったはるちゃんたちのように、ファミレスでスイーツを食べました。
本人も楽しんでいたようだったし、私にとっても大事な思い出になりました。
あのときさっさと決めてしまわなくてよかった。面倒なタスクのひとつとして片づけてしまわなくて本当によかった。
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買いに行くと決めたとき、「きみのランドセルを買いに行くよ」と息子に声をかけたところ、「はい」と返事が返ってきました。
そしてさらに「いちねんせいになる」と。
「いちねんせい」という言葉が彼の口から自発的に出たことに、ホロリときました。ほんの数か月前まではきっと何もわかっていなかったのに。
いや、今もたいしてわかっていないのかもしれません。それでも、「ランドセル」「いちねんせい」という言葉に前向きなイメージを持ってくれていることは間違いないと思うので、それだけでも嬉しい。
ショールームで自分で選んだランドセルを背負ってみた姿が、思っていた以上にちゃんと似合っていて。それでまたホロリときました。
いちねんせいまで、あと半年だ。
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