スポーツと性

未治療のFTM大学生。
今日は部活について書きます。

自分は男子だらけで一人「女子選手」として練習している。まあ未治療だし、治療したらドーピングになるし、そこは仕方ないと割り切る。

最初は「男子と同じ練習すれば、男子の友達できるし、なんなら男子と対等に生きてける」っていう気持ち。部活は格闘技をしていて、練習は男子と1対1。

でも、長く続けてくると、男子にはなれないことと自分は紛れもなく女子だということを突きつけられる。監督やコーチは「女子やのによくやってる」みたいなスタンス。
まあ確かに、「女子選手」ならかっこいいこと。
でも自分的にはすごく残酷な言葉。

こう思ってくると、練習がどんどん辛くなってきた。
男子と1対1で試合すると、負ける。そりゃそう。力ではかなわないし、相手も女子に負けたくない気持ちあるだろうし、なんなら勝っても勝たせてもらってる感すごいし。
いくらやっても男子に勝てる日は来ないし、「女子選手」なのは変わらないし。

みんなは多分、自分が部内でいちばん弱いことに何にも思ってない。だって「女子選手」だから。

心がぐちゃぐちゃして、毎日泣く。
スポーツ自体は好きだけど、こういう気持ちになるのがしんどい。辛い。辞めたい。

そんな日々が続いた。
それでも、競技を嫌いにはなれないし、自分を変えてくれたスポーツでもある。やめるわけにはいかない。

最終的に自分は、こう考えた。
とりあえず、楽しもう。

今はもう楽しむスタンスで練習に行く。男子に勝つんじゃなくて、ただスポーツを楽しむ。
勝つことにこだわらない。

色んなことに偏見するな、広い視野を持てって思うけど、1番自分が「勝利」にこだわってることに気づいた。

スポーツには性別がつきもので、それは気持ちの問題ではなくて、身体の問題だし、偏見とかでもない。仕方ないこと。

心ではそう思って、毎日練習へ行く。
頑張りすぎない。自分で自分を追い詰めない。
思っていても、難しい。

「継続していることが凄いことだよ」と言ってくれる先輩や先生の言葉を「そんな事ない」と思わず受け入れて、これからも競技を続けていく。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?