演劇団体に突ゲキ!④「演劇と生活」というマチルダアパルトマンの大きなテーマ
《この企画は....》様々な演劇関係者の方のお話を聞きたいという私の欲望から企画が生まれました。コロナ禍でも上演を続ける演劇団体を応援し、共に宣伝することを目的としています。公演1ヶ月〜2週間前までを目安に各団体のインタビューを掲載させて頂こうと思います。
前回からだいぶ間が空きましたが、この間に記事作成の勉強(インターン)をしたので以前より見やすくなってると思われます。
来るべき第四回は、「マチルダアパルトマン」主宰の池亀三太さんにお話を伺いました。12/22からOFF・OFFシアターで『マンホールのUFOにのって』12/28からは駅前劇場で『ばいびー、23区の恋人』と、同時期に下北沢で2作品の公演を打つそうです。インタビュー内では「演劇と生活」という大きなテーマから、池亀さんの脚本のルーツ、劇団として常に動き続ける決意や現状などを深くお聞きすることができました。分量は長いですが、是非最後までご覧ください。
【以下、公式HPより】
マチルダアパルトマン (公式HPはこちら)
脚本家・演出家の池亀三太の呼びかけによって結成。
現代と地続きながらもどこかいびつな世界で、不器用な人間たちの不器用な生き様を間抜けさと哀愁を交えて、ユーモア溢れる語り口で描く。
『演劇と生活』をテーマに、演劇がより多くの人の日常に入り込めるよう模索しながら活動中 。
劇団員13名は各々劇団外活動も活発であり、演劇だけに限らず活動している。その各個人がそれぞれの可能性を最大限に活かせる場、挑戦し続けられる場として劇団が存在し、常にお互いを刺激しあいながら活動を続けている。
2019年4月に行った旗揚げ公演では都内ギャラリーにて1ヶ月50ステージのロングラン公演を実施。
2019年9月に下北沢のOFF・OFFシアターにて初の劇場公演を2週間ロングラン公演で実施。
10月には「せんだい卸町アートマルシェ」に参加し、初の仙台公演を実施。旗揚げから1年で70ステージ以上を上演。
2020年新型コロナウイルスの影響により予定していた3週間ロングラン公演を中止
「また退屈が日常を惑わしていく、」
池亀三太 脚本家・演出家
12月11日生まれ
佐賀県出身
《好き》
散歩、猫、各駅停車、途中下車、「猫のひたい」という慣用句、ライフイズビューティフル、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
↓以下、インタビューになります
改めまして関口真生です。お願いします。
池亀三太です。よろしくお願いいたします。
結成の経緯
まず、マチルダアパルトマンの結成した経緯をお聞きしたいです。まだ新しい劇団ですよね。
そうです。2019年の4月に旗揚げ公演をしているので、まだ全然公演回数も少ないです。
最初は池亀さん単体で声をかけて人を集めたんですか?
はい。2018年の夏ぐらいから徐々に声をかけ始めて。その前にもともと2018年の6月に、前の「ぬいぐるみハンター」っていう劇団の活動を終了するって宣言をしてて。それと並行して、次にやりたいことのプランが明確にあったので、それとマッチするような俳優さんや制作さんなどをお声がけしていきました。その中から賛同して頂いたり今後の活動にマッチできた人たちが旗揚げのメンバーになってくれたって感じですかね。
その結成する時に思い描いてたイメージ、プランはどういうものなんですか?
結構複雑なんですけど...
劇団の「あり方」を見つめ直したいなと思ってて。一人主宰で自分が好き勝手やるって言うことの気楽さはやってみて凄く分かったんですけど、でも結局は演劇って集団創作で。一人主宰でも出演はキャストさんに、演劇公演として成り立たせるためのあれこれはスタッフさんに、お客さんを迎える準備を制作さんにお願いすることになるので、どうしたって自分一人では成立しないっていうところは切り離せなくて。だったらもっと自分の考えをより密にシェアしながら、集団でないと作っていけない物って割り切った方がいいなっていう考え方にシフトしていきました。
そしたらまた色んなものが見えてきて。これまで劇団のプロセスって、年に何回か作品を稽古場で作って、上演して、一旦座組みがバラされて、また新しい座組を組んで次の作品に向かう...を繰り返して動員を伸ばして成長する、みたいな感じだったと思うんですけど、公演毎ではなく劇団としての活動が常に動き続けるみたいなイメージをしています。従来の形よりは、もっと生活の中に演劇があって自分たちの日常に演劇が入り込んでいく、みたいなイメージの活動ができないかなっていう風に思っていて。
まだ全然実現できてないんですけど、「劇団と並行してカフェやりたい」みたいなことを沢山喋っています。現実的なことから夢物語的なことまで。僕だけじゃなくて他の劇団員の将来的なビジョンと、今後のマチルダアパルトマンの方向性を繋げていって、向かうべき姿を形作っていきたいです。とりあえず今は、ちゃんと自分たちで生活をしながら演劇をやることを一番大事にしてるのかなと思います。
演劇と生活
なんか東京の演劇って結構すり減っていくイメージがあって。
はいはいはい。(激しく同意)
新作至上主義というか、どんどん若手が発掘され消費されていく...みたいなイメージがあったんで。特に東京ってすごい速度で回っているから、なんかそこに僕らが合わせていくのはアーティストがどんどん疲弊していくなって思って。公演毎に評価を受けて精神、体力共にズタボロになり...みたいなのをいつまで続けんだ?って気持ちになったので...もうちょっとみんなが普通に生活をしていきながら演劇と関わっていくっていうようなところを目指していて。前の劇団で金銭面がすごい苦しかったので、そういったところもクリアにしていきながらやりたいです。
劇団の活動だけでみんな食っていけるのが理想なんでしょうけど、それって今の小劇場や演劇を取り巻く環境を見ると結構無理なので。10-20年前の小劇場って、チケットノルマが役者に課せられてみんなが貧乏我慢しながら夢のために必死こいてやって、30歳超えて芽が出ず諦めて去っていく...みたいな時代があったと思うんです。
僕らは売れたいっていうよりも演劇が好きな人間たちなので、貧乏とかではなく人間らしい生活をしながら演劇と良い距離感で関わっていく、おじいちゃんおばあちゃんになっても演劇活動ができる人生の方が豊かなんじゃないかなって思っていて、そういうところを目指しています。
もちろんお客さんがめちゃめちゃ増えてくれて、演劇だけで生活ができる割合が増えるんだったらそれはいいことだと思います。でも、僕も含めみんな演劇だけがやりたい人間たちじゃなくて、趣味や他の仕事も好きだったりするし、まだまだやりたい事もあったりとかするし、劇団員は20-30代なので色んな人生の岐路がやってくる中でも、ちゃんと演劇と関わっていられるような環境を整えておきたいなって思って、「演劇と生活」ってテーマでやってます。
なんか、池亀さんから演劇を続けていく上での大変さを聞くと染みますね...。立場もそうですけど、いろんなことを見てきたんだろうなって思って。
僕も30超えて、周りが就職や結婚でどんどん辞めていくのを見てきて。でも色々考えてたら、別に家庭を持ったり就職しながらでも演劇を続けられる道はあるだろうし、って考えて。僕は趣味の演劇を否定してないし、むしろウェルカムなので、まあ僕らは趣味よりはもうちょっとプロ志向が高い位置づけにはあるとは思いつつ、でもその辺のプロとアマチュアの境界線がないのが小劇場だと思っているので。
演劇に全てを捧げるのが良いみたいな風潮があるからこそ、仕事と両立しながら続けるのがなかなかできない人もいますよね。稽古が昼だったり。なのでおっしゃるように演劇と生活を両立していく姿勢が今後もっと広まればいいのにって思います。
そうですよねー。そう思ってます。
「マチルダアパルトマン」って劇団名にもそういった思いが込められているんですか?
マチルダは特に意味を持たせてなくて、映画レオンに出てくる「マチルダ」っていう女の子からとってます。アパルトマンは、生活をしながら皆が集まってくる集合住宅みたいなイメージでつけてます。
「レオン」 1994年公開映画。下画像がマチルダ。
影響を受けたもの
そもそも池亀さんが演劇をやり始めたのは学生時代からですか?
僕、九州の佐賀県っていうだいぶ田舎のほうの出身なんですけど、地元いた時は演劇ってものを全く知らなくて。出会いとしては、宮藤官九郎さんが脚本を書いていた「木更津キャッツアイ」っていうドラマがすごい好きで、中学生ぐらいの時に放送されててめちゃめちゃ面白いなと思って、宮藤官九郎さんっていう脚本家さんが書いてるんだーってことを初めて認識して。ちょっと調べたら、宮藤官九郎さんは「大人計画」という劇団に所属されてるんだっていうことを知り、大人計画の主宰は松尾スズキさんという人なんだと知り、本屋さんで松尾スズキさんの本に出会って、だから僕、演劇をちゃんと見るより先に松尾さんの戯曲を読んでるんですよ。
その本が衝撃的に面白くて。その戯曲だけじゃなくって松尾さんや宮藤さんのエッセイも読んだんですけど、松尾さんのエッセイにはよく下北沢や演劇のことが出てきてたので、勝手に「東京には小劇場という世界があり、いい大人達が悪ふざけをして楽しく過ごしてるんだな」みたいなイメージだけ持っていて。でも触れたことないから自分が演劇をやるイメージは全くないまま東京に出てきて、でもそこで演劇を観て自分もやってみたいと思って小劇場の世界に飛び込んだって感じです。
前のワークショップの時(11/13にマチルダアパルトマンのWSに参加させて頂きました)に映画やドラマなどの話が多く出たので、そういった映像のものに影響を受けているのかなと推測してました。
色んなものから影響を受けています。色んなものを見とかなきゃって意識してはいますね。自分がずば抜けてセンスがあるとか頭がいいとかではないから、そこをカバーできるのはいろんな人の作品を見ることなのかなーって思うので、自分を補う上で意識して観たり読んだりしています。
色んなものを見て吸収して、それを下敷きにして脚本を書くわけじゃないですか。無意識な部分も大きいと思うんですけど。その中で作品のこういう部分を参考にするとか、こういうものに影響を受けるみたいなのってありますか?例えばこういう小説、映画〜だったり。
明確にはないですね。逆に、これを見て面白かったからやりたい!っていう出発点にしちゃうと、そこを越えられないので。出発点は自分で探すのを意識して、キャラクターの感情のイメージとかは作品で補っています。自分の人生で経験してないことが小説や映画の中で繰り広げられるじゃないですか。だから「あの時のあの役の感情ってこうだったんだろうな」みたいなことを自分の脚本の中で同じような境遇のキャラクターがいれば理解が進んだり。
影響を受けてというより、自分の作品にこれまで見たものが血肉となって現れてくるのかなと思います。逆に、 太宰治、シェイクスピアだったり、そういう古典的なものを明確に下敷きにしてやることはたまにあります。
マチルダアパルトマンでは SFというか 、ちょっと非現実的なことが起こる作品が多いじゃないですか。そういうアイデアも自分でパッと生み出すんですか。
パッとというよりは、いくつもの「要素」が絡み合ってたどり着くって感じなんですかね。ワンアイデアがパッと降ってくることはあるんですけど。常に、今回はこういうことを書きたいなってぼんやりイメージしながら生活をしてると、1-2ヶ月、長いと1年くらいで「要素」として結びついて閃いたり、あれとあれはこうつながるなーと「要素」が含まれていったりとか、こういうのも一緒に描きたいなーと「要素」が増えたりして、だんだんイメージが明確になっていくって感じなんですかね。
面白い。ありがとうございます。
伝えたいテーマ
自分の作品に共通してる、観客に伝えたいテーマとかってありますか?
さっき言っていただいたように、ちょっと現実離れでSFチックってのは確かにそうなんですけど、今僕らが生きてる現実世界と地続きでありたいと思ってて。完全な SFにはしたくないので、僕らが生きてる世界線の延長であり、登場人物には生活感があるっていうような...。
演劇って生身の人間が演じるもので、僕はそこが面白いと思って演劇をやってるので、そういう生活感や人間味のある演劇を目指すというか、心がけてるところなのかなと思います。
ワークショップの時におっしゃっていた「日常の中の日常」「日常の中の非日常」「非日常の中の日常」「非日常の中の非日常」※って話が結構私は印象に残ってて。それは、そのどれかを使ってっていうのを意識して脚本を書いてるんですか?
※この世の作品の構成はこの4つのどれかに分類される、とおっしゃっていた。
意識はしてますね。多分主な作品は日常の中の非日常や、非日常の中の日常みたいな展開だったりするんですけど、この世界の日常がどういうものなのかを初期設定として自分の中で意識したり。でも作っていく内にその辺は細かく変わっていくので、役者さんは大変だろうなと思いますけどね。
そうですねー。脚本は役者や稽古場を見て変えるタイプですか?
新作の場合はセリフとかも細かく変えちゃいますね。
12月公演について
12月に2作品同時公演やるじゃないですか。まずそれを私が最初に知った時、「え、2つ同時にやんの?」って思って。めちゃめちゃ忙しくないか?っていう疑問なんですけど、なんで2作品を同時にやろうと思ったんですか。
元々は、2020年の5月にマチルダアパルトマンのエキスポっていう企画を予定してて、OFF・OFFシアターを3週間強ぐらい押さえてて。その3週間で長編3作品短編2作品の合計5作品をやる、劇団のお祭り的な企画を用意してたんですね。でもそれが最初の緊急事態宣言と重なって企画が中止になってしまって、また劇団をより広く知ってもらうような機会を作らなきゃなと考えていました。で、OFF・OFFシアターさんに連絡して「長い期間で空いてるとこありますか」って聞いたら、もう3週間取れるとこは2021年中は無くて、どうしようかなって考えてた中で、年末に駅前とOFF・OFFが両方空いてる日程があるよって教えていただいたんで、そしたら劇場も隣同士だし、そこを一個の空間として使えばスタッフさんの行き来もできるし、感染対策的にもバッティングせず複数作品できるなっていう風に思い...っていう経緯でした。
2020年のお祭りが中止になったことを受けて、もう1回お祭りがしたい、みたいな思いだったんですか。
お祭りというよりは...本当は、常に演劇公演をやってたいんですよ。3週間のロングランとか、旗揚げ公演も一か月やってたんですけど、そういう毎日どこかしらでマチルダの公演やってたいなと。だからなるべく長めに長めに、と思ってて。5月のエキスポっていうタイトルはお客さんに分かりやすくしてたんですけど、僕ら的にはむしろ逆で、一つの公演がお祭り的に打ち上がって終わるんじゃなくて、お客さんの生活の中にもマチルダの公演がやってるって事があるといいなと思っていて。
お客さんが観に来るのは各公演1回とかだろうけれど、「今日もマチルダの公演やってるな」「今日このスケジュールだったら仕事終わりに行けるなー」「今度の休日は行けるなあ」みたいな風に溶け込んでいきたい。僕らも公演に向けて劇場へ行く生活が日常の中にあって、お客さんにも一緒に日常の中に演劇を観るっていう行為が組み込まれていくといいなと思ってるので、演劇の公演をより日常に近づけていく作業だと思っています。
なるほど。確かに少ない日数だったら、それはもう特別になっちゃいますもんね。
やっぱ週末だけだとね、ワーっとやって一瞬で終わってしまうから。本当は、1-2ヶ月とか長期間で1つの公演をやりたいんですけど、それに至るまではまだ全然動員数も及ばないし、こういった形になっています。
なんか、商店街にあるおでん屋さんみたいな位置付けなんですかね。
なんか、本当に小規模でいいから「いつでもここに来たら演劇が観れるよ」みたいになるといいんだろうなって思います。
12月公演の『マンホールの UFO にのって』の方に劇団員が全員注ぎ込まれて『ばいびー、23区の恋人』が全員新しい人ですよね。それは、劇団員じゃない人にばいびーをやってもらって新しいものをつくりたいという思惑があったんですか?
新しくしたいのもあるし、ばいびーは上演時間も短いし話も分かりやすくてキャッチーなので、劇団の名刺になる作品だなと思ってて。それを劇団の外から来た新しいキャストさんに演じてもらうことによって、よりマチルダの世界観や客層が広がって認知してもらいやすくなるのかなっていうのが戦略的な意図ではあります。
創作的には、最初はまあ3人芝居だから1人ぐらい劇団員を入れた方がいいだろうって思ってたんですけど、劇団員の中では「ばいびーの再演よりも新作に出たいよね」みたいな話も出てきて、確かにそうか、と。しばらくコロナ期間で劇団的にも十分な活動ができてなかったんで。一回劇団員と密に創作をできる環境を整えてもいいのかなと思い、だったら新作の方に劇団員全員突っ込んで一緒にあーだこーだ言いながら創ることが、今後の劇団的にはいいんじゃないかとなりこのような形になりました。
『マンホールのUFOにのって』稽古場の様子
『マンホールの UFO にのって』の方がマチルダの創作。で、『ばいびー、23区の恋人』はまた何か違う...
そうですね。劇団員出てないですし、プロデュース形式みたいな感じになるので、稽古場の雰囲気もだいぶ違うと思います。
稽古場の雰囲気はどんな感じなんですか。対話?
劇団員だけのところは本当に対話ですね。僕も劇団員にたくさん意見を求めるし、それによって脚本の構成や台詞が変わったりとかするし、シーンが増えたり減ったりしていくし、劇団員が手がかりを掴めない部分を皆でディスカッションしてという流れで創ってて。
あと、劇団的にもだいぶ新しい試みをする作品なのでまだまだ模索してる段階なんですけれども、これをうまく作品にできたらよりマチルダアパルトマンの作品ってこういう風だよねっていうのを明確にできるんじゃないかなって思います。
この作品で、マチルダはこういう風にやっていくんだ!って固まる、みたいな。
指針にはなるのかなと。まあやってみないとわかんないですけどね、結構攻めた作品にしているので。みんなに分かりやすい優しい演劇というより、あえて難解なところも残しつつお客さんの想像の余地を残すような作りをしてて、これまでやったことない表現方法とか複雑なことをやろうとしていて。ちょっとその辺がどう転ぶのかわかんないんですけど、それも含めワクワクしてます。
楽しみ〜
『マンホールのUFOにのって』あらすじ
ホームページに載ってはいますが、改めて『マンホールのUFOにのって』の簡単なあらすじを教えていただけたらと思います。
はい。大学に入るために上京してきた男の子が、東京でちょっと変わった女の子と出会い、恋に落ちて、っていう恋愛物語を描きます。まあ大学生の若い恋なので一通りある結末を迎えて終わるんですけども。その恋物語は男性目線を中心に描いていて、そこから15年の時を経て、今度はその15年後の世界の中で女性目線であの時を振り返るみたいな。一本の作品なんですけど若干二部構成っぽい感じになってます。15年の時と男性/女性目線みたいなことで、あの時何を考えてるか分からなかった女の子が、実はどういうことを思いながら生きてたのかなぁってところを描こうとしています。
ありがとうございます。
マチルダアパルトマンの目指す場所
徐々にまとめの方に入ろうと思うんですけど、今後のマチルダアパルトマンはどういう方向性でどういう風に進んでいきたいと思ってますか。
実際の話をすると、12月公演以降の予定は決まってなくて。コロナの状況が見えないのもあるので、12月公演終わってからみんなでゆっくり話し合いたいです。
実際どう動いていくかはまだ分からないんですけど、でもさっき言ってたような「演劇と生活」みたいなところに沿っていくのかなと思います。2022年4月で王子小劇場の芸術監督を退任するので僕の環境もだいぶ変わります。それでかなり時間ができるなと思っていて、これまで注げなかった時間をマチルダアパルトマンの活動に注げるので、より自分の生活の中にも劇団の活動が入り込んでいきます。
常に動いてて、「この人達何かやってるなー」って環境を整備していくことがとりあえずの目標かなと思ってます。まぁこういう劇場でやりたいなとかは思ったりはするんですけれど、めちゃめちゃ大きな劇場に進出したいっていうよりは、「演劇と生活」、常に公演をやってる環境を目指してるのかなと思います。
今までが忙しすぎたんだと思います。劇場の芸術監督やりながら劇団の主宰って。
だから今からワクワクしてますね。どういう風なことをやろうかなっていうのは。
来年から池亀さんの生活も変わると思いますし、それによって劇団に取れる時間が増えるとおっしゃってましたけど、それで今後どういう風に「頑張る」ではなく、どういう風にして「生活に近づける」ですからね。そこもまた面白いです。
インタビューはこれで終わりです。
密度の濃い話をありがとうございました。私自身勉強になることが多かったです。今回はマチルダアパルトマンの主宰としての池亀さんを取材させていただきましたが、劇場の芸術監督としての側面でも様々な団体を見てきたんだろうなと言葉の節々から思わされ、一つ一つの発言に重みを感じました。
公演情報
以下、宣伝です。
マチルダアパルトマン『マンホールのUFOにのって』
日程: 2021/12/22(水)〜12/30(木)
場所: OFF・OFFシアター
詳細: こちらから
予約: こちらから(イープラス)18歳以下はこちらから(カルテットオンライン)
マチルダアパルトマン『ばいびー、23区の恋人』
日程: 2021/12/28(水)〜12/30(木)
場所: 下北沢駅前劇場
詳細: こちらから
予約: こちらから(イープラス)18歳以下はこちらから(カルテットオンライン)
まおすけから一言
9月に3つも取材して、数ヶ月音沙汰がなかったのでもう飽きたかと思われたかもしれませんが、そんなことないです。自分が観たい芝居と取材できる範囲がなかなか交わらないため苦労しているだけです。引き続き、取材先を募集しています。今後ともよろしくお願いします。
関口真生
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