マガジンのカバー画像

佐藤正午さん「ファンならではのネタ」を私に語らせてください

17
運営しているクリエイター

#映画

泣き散らかしたおまえがなにを言う〜「月の満ち欠け」〜映画の感想

* この文章には激しくネタバレがあります。映画を観る前の方はご注意ください 小説の映画化されたものを見るときに、自分に言い聞かせていることがあります。 自分は小説の文章を自分の頭の中で組み立てている。人も同じように頭の中で組み立ててゆく。 だから、けして自分のイメージどおりの映画化というのはありえない。 映像化というのは妄想を具現化するものだから、ちがうのは当たり前。 だから「違うというのを理由に」その映画をに違和感を抱いたりするのは、まったくオカド違いの感想なのだと。

今日から「めめ推し」、今日から「snowman箱推し」! 早く見たいよ「月の満ち欠け」

佐藤正午の「ロングインタビュー 小説のつくり方」は、小学館の「きらら」での連載。 往復書簡の体裁でのインタビューで、きらりの創刊時から欠かさず読んでいます。 とちゅうで冊子からweb連載になったけれど、そのままずっと読んでいます。 書簡集は現在4巻まで発売中で、5巻が予約受付中。 ファン垂涎のネタが多くて…というのもあるけれど、「好きな作家の生存確認を毎月行なっている」というのが正直なところです。ええ、お若く見えてもやっぱり健康は気になります。 長編の進み具合はどうなのか、

佐藤正午さん「ファンならではのネタ」を私に語らせてください 「月の満ち欠け」映画化記念に「登場人物相関図」を作りました。

佐藤正午ファンなので、何度も何度も読んでいる作品です。 ストリーのおもしろさもさることながら、その文体を追うだけで幸せな気持ちになれます。 正木瑠璃が公園の砂場で佇んでいたり、小山内瑠璃が「黛ジュンの夕月」を口ずさみながら校庭の鉄棒よりかかっていたり。 そのひとつひとつの文章が、まるで映画のスクリーンのよう。 だから自分なりの映画シーンを何度も頭の中に思い浮かべていました。 「シャフトのアニメだったらこんな感じになるだろうな」などとアングルまで考えてみたりしてw そんな「月の

映画「鳩の撃退法」本通り裏を歩いてみる

ネタバレ可の本通裏サイトの謎ときに参加してしました。 考察① 津田伸が書いた小説はどこまで本当だと考えるか#その質問は受け付けないまず、全てをフィクションと仮定して、その中で「これだけは本当だろう」というところをピックアップしてみました。 *この町に幸地秀吉という本好きの男がいて、ときどきドーナッツショップで見かける。 *この町の本通り裏に「倉田健次郎」という男がいて、会ったことはないけれど、裏社会をとりしきっているらしい。 それだけ?  いやいや、それだけなら「書いち

映画「鳩の撃退法」にまだ翻弄されている

パンフレットを読みながら時系列を整理しているのだが、まだ翻弄されている。 小説は何度も読んでいる(連載も含めて)。 なのに、まだ、微妙な違いや仕掛けに翻弄されている。 読み解きたい気持ちと、いつまでも翻弄されていたい気持ちが入り混じる心地よい時間。 ああ、こんなふうに作品についていつまでも考える時間って本当に幸せですね。 それではおいおいネタバレしながら、この映画について紐解いていきたいと思います。 ネタバレ1:ピーターパンの本の行方についてそれでは、まずは「ピーターパ

映画「鳩の撃退法」を見てきました!佐藤正午さん。ファンならではのネタをわたしに語らせてください6

好きな作品が映画化されるときの気持ちって、みなさんはどんな感じですか? 「おもしろかったらお得だろうけれど、おもしろくなかったら、ひどくがっかりするにちがいない。だから、最初から期待はしない」。 わたしはそんな感じです。 「こんなものが映画になるのか?」と思われるほど難解な時系列の「鳩の撃退法」。 映画にできるわけがない。 できたとしても期待通りなわけがない。 などと言い聞かせ、自分の期待感に自分でブレーキをかけながら、今日までの日々を過ごしてきました。 たまたま今日は仕

佐藤正午さん「ファンならではのネタ」を私に語らせてください:その4「驚愕!鳩の撃退法が映画化されたってよ」

「鳩の撃退法」が映画化された! え? あんな複雑な小説がどうやって映画になるの? というのが正直な感想。 しかし、わたしの正直な感想なんてすっ飛ばして、公式ツイッターがあれよあれよと更新されている。Time flies like an arrow! 「鳩の撃退法」は2014年11月より小学館より出版された上下巻の長編小説である。 もともとは小学館の「きらら」で連載されていたものだが、毎月読んでも複雑でわからない。 そしてやっと出版されて一気読みしたが、やはり時系列と「現実