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映画「鳩の撃退法」本通り裏を歩いてみる

ネタバレ可の本通裏サイトの謎ときに参加してしました。

考察① 津田伸が書いた小説はどこまで本当だと考えるか#その質問は受け付けない

まず、全てをフィクションと仮定して、その中で「これだけは本当だろう」というところをピックアップしてみました。

この町に幸地秀吉という本好きの男がいて、ときどきドーナッツショップで見かける。
この町の本通り裏に「倉田健次郎」という男がいて、会ったことはないけれど、裏社会をとりしきっているらしい。

それだけ? 
いやいや、それだけなら「書いちゃいけないことを書いてないですか?」という鳥飼なほみの言葉にリアリティがなくなりますよね。
あとふたつ加えてみました。

ときどき顔を見かける幸地秀吉は、突然家族で忽然と姿を消し「一家失踪事件」として地方新聞に載った。
ダムの底から、二人の男女の遺体があがる

その4つで十分ではないでしょうか?
直木賞小説家の津田伸一は、この情報をもとに「新聞の3面記事」を材料に物語を描き始める。

考察② 津田伸一はなぜタイトルを「鳩の撃退法」とつけたのか? #鳩を語る

鳩は偽札。偽札をどう見分けて撃退するかという小説だから。
と最初は思っていました。けれど、とちゅうで考えが変わる。

①の考察で、この4つだけが真実だとすると、偽札関係のエピソードは、「事実の事件を膨らませるためのフィクション」ということになります。
消去法で「鳩を撃退」していくと、ただの「新聞の3面記事だけが残る」。
鳩は妄想、鳩は「書いてはいけないことの嵐」。
撃退法を知っているのは、鳥飼なほみだけ?

この考察はちょっと無理がありますね笑

考察③ なぜ幸地秀吉は最後に倉田健次郎と一緒にいたのか? #わたしの目撃した結末

幸地秀吉は「子供を生む能力がない」。
そして「施設で倉田健次郎とともに育った」とわたしは考えています。
「自分に家族ができるなんて、奇跡だ」と思い、他の男の子供を自分で育てようとする秀吉。
冷徹な本通り裏のドンとなった健次郎。
正反対の性格なのに、この二人の絆は深い。

ただ、秀吉が偽札を自分のミスで飛びたたせたこと。その原因が「知らない男の子供を、秀吉の子供と偽って産もうとする奈々美」にあること。
部下を総動員して、この夫婦を追いかけた健次郎にとって、これは「仕方なく許す」というわけにはいかない大事件であります。
それでは追いかけた部下たちにしめしがつきません。

そこで登場するのがピーターパンです。
ティンカーベルはピーターパンに毒を飲ませないために、自分が毒を飲んでしまう。
瀕死のティンカーベルを助けるためにピーターパンは拍手を求める。
ベッドで眠りについている子供たちに、ピーターパンは乞う。
「ティンカーベルを助ける拍手を送ってくれ」と。

秀吉の拍手は、ピーターパンが望んだ「運命を変える拍手」。
思いを込めた拍手。
作者の「祈り」が健次郎と秀吉に届く拍手。

果たしてその結果は?





幸地秀吉は無傷ではいられなかったけれど、どこかの町で暮らしている。
奈々美も、あかねも、そして赤ん坊も一緒に。
家族4人でどこかで幸せに暮らしている。

ええ、そうにちがいありません。


それでは遺体で見つかった男女は?
ひとりは郵便局員の晴山。そして、もうひとりは.....残念ながら加賀まりこではないか?というのがわたしの予想です。


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