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100%のリソースを使ったら

つい先日、内閣府男女共同参画局が掲げている、「2020年までに女性管理職比率を30%程度」の取り組みの進捗を図るエンワールド・ジャパンのアンケート結果が公表されました。

面白いと思ったのが外資系企業との比較です。外資系企業の17%がすでに「2020年 30%」達成しているにも関わらず、日系企業ではわずか8%とのこと。倍以上違うのですね。

私が長くいた製薬業界はもともと女性比率が高く、特に外資系製薬企業にいたときには研究開発部門の約半数が女性。女性リーダーや管理職比率も非常に高く、社内で自分が女性であることを強く意識することもありませんでした。現在のキャリアコンサルタント、メンター、研修講師の仕事で多くの企業に関わるようになり、実際には女性管理職がまだまだ少なく、自分がまだ珍しい存在であることに気がつきました。

特に日系企業にダイバーシティー推進や女性活躍推進研修を行っていると、「先生、やっぱりお茶は女性が淹れた方が美味しいし、お客さまも喜ぶと思うのですが、本当にダメなのでしょうか?」と真顔で聞かれたことは一度や二度ではなく、毎回後ろから膝カックン(わかります?)された気持ちになります。
そんな意識じゃあ、女性を管理職に、なんて想像もつかないのだろうなぁ・・・。

このアンケートの結果で、女性管理職登用でネックになっていることの第1位が「管理職を任せられる女性の人材がいない」でした。そりゃあ、お茶入れをしている女性に管理職、というイメージはわかないでしょう・・・。

でも、これも良く聞く話なのですが、じゃあどのような人が管理職に向いていると思うのですか?と聞くと明確な基準を答えられる方は殆どいないのです。そして、任せられない理由についても、「たぶん無理であろう」という予測のもとに、実際に任せた、もしくは任せるための支援をした訳でもないのに、無理と決めているケースが多いと思います。

どんなことが起こることを恐れているのでしょうか。

人間は本能的に自分と違うものは避ける傾向にあります。そりゃそうですよね。敵か味方かを見分けられる能力は生きていくためには必要ですから。特に組織であれば、似たような人が揃っていた方が取りまとめしやすいですし。

でも、そのせいで、女性管理職比率が少ない現状では、どうしても管理職登用を検討するときに、男性目線での基準を引き、男性が受け入れやすい人を登用する傾向がでてしまいます(基準に合致する人は男性が多くなってしまう)。

先日参加したイベントで、女性活躍推進について、とても素敵な表現をされていました。曰く

ざっくり男性と女性の2種類の人間がいるとして。現在の社会が男性を中心に出来ているならば、それは世の中のリソースの50%しか使われていないということ。リソース50%の活用で、現在の素晴らしい社会が出来ているならば、それを100%活用したならば、どれだけ素晴らしい社会が出来るでしょうか?女性活躍推進はそういうこと。世の中のリソースをちゃんと100%活用しましょうということです。

・・・実際の説明とはちょこっと違うかもしれませんが、こんな感じ(笑)

変化が多い世の中ですが、変化の振れ幅は将来、今以上に増えるでしょう。
今回のコロナのように、予測できない事態もどんどん増えるでしょう。
それでも、企業が存続し、世の中に価値を提供し続けるようになるためには、リーダーや管理職も多様である必要があります。

リソースを100%使ってみる。

そんなマインドで、積極的に管理職層に多様性を取り入れて欲しいなと思います。案外、恐れていることは起こらないものですよ。

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