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ボードゲームで3年経営をやってみたら、知らない間に中国化していた。

【要約】
①マネジメントゲーム
②実際に3年経営してみた
③気づき
_____________

マネジメントゲーム

ふたご座流星群を楽しんで帰宅した4時間半後、充血した目を擦りながら会社に居た。

珍しく社内研修に参加したのだ。

参加したのは、MG(マネジメントゲーム)研修というもの。

どんなものかというと…

1976年、当時まだベンチャー企業だったソニーが、エンジニアにマネジメントのノウハウを短期間で、面白く体得させるためにはどうすればいいか?を考えぬき、社内研修用に創りあげた研修です。現在では、ソフトバンクの孫正義氏を初め、著名な経営者や上場直後の若手IT社長などがMG研修を受講し、その体験談をブログなどにアップしています。特に孫氏は熱烈なMG研修の愛好者として知られています。自身でも100期以上を受講し、かつソフトバンクの幹部層全員に(Yahoo!経営層なども含む)毎年のように受講させています。

主旨としては、ボードゲーム上で自分が製造業企業の社長になって、資本金300万円を手に経営をするというもの。

今回は4人ずつの2組に分かれ、順番にカードを引いて意思決定(雇用や材料仕入れ、設備投資、販売などなど、時には無理やり負のリスクを負わされたり)を行うことで会社をまわして利益を出し、純資産を増加させることを狙う。

実際に3年経営してみた

★第1期
最初はルール理解を兼ねたデモンストレーション。みんなで同じ内容をそっくりそのまま行う。

ちなみに問答無用で30万の赤字となる。

経常利益:△30万円 純資産:270万円

★第2期
ここからが本番。各々意思決定を行って会社を経営する。
僕が最初に行ったのは設備投資。今回は第4期で終了なので、途中でやるより先にやった方が効率が良いからだ。

そしてそこから材料仕入→加工→完成と商品を作る。

だが販売で詰まる。商品を売るには他の参加者との競売(価格競争)に勝たないと売れないのだが、自分の商品の値段をどこまで下げていいのかがわからないのだ。

結果、競売に負けほとんど売れず。そして1期を終えると決算書、貸借対照表を作る。ざっくり言うと売上−変動費−固定費=経常利益として残るのだが、僕は売上より固定費の方が高いという悲惨な状況に陥った。

またここで記帳を間違えると数字が合わず、それを修正するのに悲惨なほど時間がかかる。

地獄である。

そして2期の結果は以下。早くも倒産を覚悟する(笑)

経常利益:△199万円 純資産:55万円

★第3期
決算書を書いたことにより、いくらまでなら価格を下げて良いかということ、まずは固定費を回収するために売って売って売りまくらなければいけないことを知る。

第3期はこれを理解したことにより、堅実に競売に勝ち、売上をあげる。

結果、黒字になった。ホッとした。

経常利益:102万円 純資産:127万円

★第4期
さあ勝負の第4期。第3期と同様に堅実な経営を行う。ただ、倉庫が火事になったり(笑)、最後は在庫を売り切らないといけないのに、投げやりの価格競争に敗れたため在庫が残った。

結果、黒字にはなったが第3期より減益となった。

経常利益:93万円 純資産:176万円

最終的に業績はV字を描く途中、累積赤字を挽回することはできなかった。

悔しい。もっとやらせろ!

である。

気づき

終わったあとに2組の結果を比べてみたところ、面白いことに気付く。自分のいた組(市場)は「薄利多売」なのに対し、もう一組は「多利薄売」だったのだ。

知らないうちに我々は中国になっていたのか(笑)

ゲーム内では、人がどう判断するかの様子を見つつそれに対抗するようにこっちも意思決定をするので、どうしても同じような戦略になりがち。外部要因に引っ張られる。

恐らく最初に市場を支配した者の戦略がその市場の基本戦略となり、追随していくのだろう。現実でもそうであるように。

巻き返す方法としては
・いかに競合に意図がわからないように他の手を打つ
・相当計算して良いタイミングで売買する
・真似するのを躊躇するくらいのことをして抜け出す(倒産しそうだけど笑)
かな。

多利薄売気味の市場で極端な薄利多売を仕掛けようとしたら?その逆は?どうなるだろう。

MG研修は1日受講したら「はい、おしまい」な研修ではない。1パターンを経験するのみである。機会があれば次回は、超極端な作戦に出て、最初は今回以上の赤字を垂れ流しつつ、最後は頭のおかしいほどの利益を出してやりたい

まあ、時間と機会があればだけど(笑)

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