古民家カフェがマイブーム
先日、グラングリーン大阪に行き、それなりにおしゃれだし、都会的だし、スタイリッシュだし、非の打ちどころがないのだけれど、新鮮味がないと書いた。
今や、再開発が進む世界各国で同じような街が出来上がり、結果、「まあ、こんなものね」と新しく、スタイリッシュなものにワクワクできなくなってきている。
新しいと気持ちがいい、特にトイレは新しければ新しいほどいいし、清潔感が感じられる空間は大事。となると、今は何にワクワクするのか。
古いものを活かしつつ、新しい息吹を加える、いわゆる古民家リノベーションだ。最近、古民家を改装したカフェでまったりするのがマイブームで、どこかにいくたびにグーグルマップでぐるぐると検索して発見してはニタニタしながらブックマーク。
と書くと、交通の便があまりよろしくない田舎の古民家カフェかと思われるだろうが、何をおっしゃいます、東京の都会のど真ん中にもかなりあるのだ。
東京の緑あふれるホテルの代表格といえば椿山荘。そんな高級ホテルでちょっとした取材があり、その帰りに川沿いの緑の中を気持ちよくぶらぶらと歩く。そういえばこのあたりにブックマークした店があったな・・・とスマホで確認するともうすぐそば。
江戸川橋地蔵通り商店街を歩いていくと、細い道に入れとグーグルマップはいう。ここかなとおそるおそる歩いていくとようやっとお出まし。
古民家というより和風喫茶といった趣きだが、ここまで来て入らないわけにはいかない。靴をぬぎ、狭い階段をおそるおそる登っていく。
まさに古民家。障子から入る柔らかい日差しが、これまた心地よい。仄暗い雰囲気も気分を落ち着かせてくれる。
築70年の古町やを建設もやっている会社がリノベーションしてカフェにしたそよや江戸端。
古民家の雰囲気もさることながら、こだわりのお茶やスイーツがいただけるのもポイント。お肉やかつお節などの食材にもこだわっているとのことで、ランチも食べたかったが、もうすでにおなかがパンパンなので、スイーツをいただく。
有機ほうじ茶、和紅茶、クラフトコーラなどなど選べないほど魅力的なラインナップ。今回はお茶Wをオーダー。
お茶Wとはお茶の茶葉がダブルということではなく、鹿児島産の深蒸茶とほうじ茶プリンという勝手なネーミング。
お茶は間違いないおいしさ。特筆すべきはプリンのほう。ほうじ茶のほろ苦い香りと味わいがプリンにぎゅぎゅっと凝縮され大人プリンといった味わい。これはハマル。
友人は和紅茶アイスと和風カッサータの和W。
カッサータとはイタリア発祥のアイスケーキ。生クリームとなめらかチーズをあわせた記事に黒豆や干し柿などドライフルーツがたっぷりはいったもので、これがまあおいしい。ワインにも絶対にあう!
店内は2部屋とさほど広くないので、「すみません」と声をかければスタッフさんがすぐきてくれそうだが、呼び鈴がなんともかわいくてつい鳴らしてしまった。
緑を望む広い窓ガラスや広い店内が魅力のおしゃれカフェ、ドトールやスタバのようなチェーン店カフェ、高級ホテルのラウンジ兼カフェなどいたるところにカフェがあるが、一人で和みたい、ぼ~っとしたいときはこじんまりとした古民家カフェがいい。
家の近くにあったらお気に入りの本をもってずっとくつろいでいたい。駅から離れたちょっとした山の麓に引っ越しし、空き家はあれど、おしゃれ古民家カフェがまったくないという今。都会のほうが美しく広い古民家が多く残されているのかもしれない。
耐震の問題もあって維持するのはものすごく大変だと思うが、昭和風情を残す古民家が再生され、さまざまな場に活かされることを願うばかり。