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【1】唯一無二の存在

中学時代、
不思議な巡り合わせを感じた事がある。

ずっと、自分は周りのみんなとは違う気がしていた。

私の気持ちをわかってくれる人なんて、
親兄弟含めて誰もいないと思っていた。

誰といても孤独感でいっぱいだった。

本当の私でいられる相手なんていなくて、
本当の私を知ったらみんな離れていくと思って、
ずっと無理に笑いながら過ごしていた。

だけど、あいつといる時の私は、
なんの気兼ねをすることもなく、
言いたい事を言えたし、
嫌な事は嫌と言えたし、
何より、心から笑えた。

気がつけばいつもそばにいて、
いつも私を見ていてくれていた。

何も言わなくても気持ちが通じている気がしていた。

私の見えないSOSがあいつには見えていたんじゃないか。

そして、私もあいつの出してるSOSが見えた気がした。

私達は、この世界で唯一、
同じ星の元に生まれた同志なのではないかと思った。

後にも先にも、
そんな風に思えたのはあいつだけだった。

そんなあいつが今どこで何をしているかは知らない。
きっとあいつも私の今を知らない。

お互いがお互いの人生から姿を消した。

結局、そんなところも似た者同士だから。

でも、だからこそ、
私の心と頭の中を未だに占拠している。

苦しい時はいつだって心の中であいつの名を呼ぶ。

ありのままの私を選んでくれたあいつがいたから、
私は今なんとか生きている。

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