地球の呼吸と生きる人
植物を育てている人はひろーい、大きな地球の呼吸と共に生きている。
まだ薄暗い朝、朝の風を感じ、空を見て畑に向かう。
若者でも、おばあちゃんでも関係ない。
畑に行き、調子はどうかな?と緑を眺める目は、優しさで溢れている。種を蒔き、苗になり、すくすく大きくなる野菜、果物、花、緑。
手をかけた過程があるからこそ、実がなって収穫し、誰かの家庭へ行ってらっしゃ〜い!ということができる。
農家は建築家であり、インテリアコーディネーターだ。
種には快適な寝床を用意して、苗木には育ちやすい家を用意する。どんな配置がいいのか、日当たりはどうか、沢山のことを考えなければならない。
途中風が通るように葉っぱを切り、草刈りをしたり、見栄えを整えたり、家のメンテナンスも欠かすことはできない。
時には植物の調子が悪くならないように、肥料や薬を与えたりする。葉っぱや茎の様子を見て判断する事もあるから、もしかしたら農家さんは植物の医者だったり、管理栄養士だったりするのかもしれない。
ある人が言っていた。
野菜を一口食べれば、どんな人が作ったかわかるんだよ、と。
そうか、農家さんには自分の分身が沢山いるんだ。というか自然と分身になっていくんだ。
あくまでも主役は植物という感覚なんだろうか。
様々な知識を駆使して農家さんは大きな呼吸をしている。
そっとそばに寄り添って、
大地の進みをサポートしながら、
自然の営みをサポートしながら、
そして、今日も降り注ぐ太陽のエネルギーを感じながら、地球と共に生きている。
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