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148. 上手な選手に共通する「予測させる力」とは

みなさんこんにちは!三浦優希です。

今回は、僕の思う「上手な選手の共通点」についてお話ししたいと思います。きっとスポーツ以外の分野にも通じる部分がある内容だと思います。楽しんでいただけましたら幸いです!

それではよろしくお願いいたします!

監督が何度も口にする一言

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僕のチームの監督が、練習中や試合中問わず、よく口にする一言があります。

それは、”Be Predictable to one another"です。この言葉を直訳すると、「周りに対して予測可能であれ」となります。

どういうことかというと、Be predictable =予測可能な選手でいる=味方に次に何をすべきか、自らのプレイで伝えることができる選手になれということです。

これは、スポーツをする上でかなり大切な要素だと思います。そして、僕がこれまでに見てきた上手い選手たちに共通する特徴の一つです。

もちろん、試合中には、観客やチームメイトでさえもあっと驚くプレイが飛び出すことがあります。それは俗にスーパープレイと呼ばれるもので、こういったシーンは人々の注目を集めますが、このようなプレイが起こる割合はおそらく試合中の5-10%程でしょう。

それ以外の部分は、いわゆる「普通のプレイ」が求められます。監督は、そういった試合中のほとんどの割合を占めるそれらの時間において、 ”Be Predictable to one another”(チームメイトにわかりやすいように動け)と言っているわけです。

プレイで教えてあげる、とは?

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試合中において(練習でも構いませんが)、周りにメッセージを伝える方法は実はたくさんあります。

コミュニケーションの一番の手段として使われるものに「声」があります。試合中、様々な場所で声は飛び交っています。「あいつは俺がマークする!」とか「後ろに敵いるぞ!」とか「シュート打て!打て!」などは、代表的なコミュニケーションですよね。

声を出すことは、競技スポーツにおいてはとっても大切な要素です。これはきっと多くの方が理解していることです。ただ、言語化する以前に、自分の素振りから相手に何をして欲しいかを察してもらえると、声以上に早く情報交換・状況判断をすることが可能です。

つまり僕が言いたいことは、「自分のプレイで周りに意味を伝える」ということです。自分が走るコース、パスのスピード、パスを出す位置、シュートコース、守りのポジションなど、氷上に立っている時の行動は全て、周りへのメッセージへと変換できます。

「あいつがここに走ったってことは…!俺はこっちに走れってことか」

「このパスの威力ってことは…!止めずにダイレクトで打てってことだな」

といったように、自らの行動を通して味方にヒントを与えることができます。こういった選手がチームにいると、その局面で何をすべきかがクリアになるので、周りの選手たちはプレイメイキングが本当に楽になります。

よく実況や解説で「試合を支配する選手」という言葉が使われたりしますよね。僕は、この言葉こそ、Predictableな選手を表しているのではないかと思っています。「支配する」というと、ずっとパックやボールを持ち続ける印象があるかもしれませんが、決してそうではなく、周りが何をすべきかを瞬時に自分の行動で悟らせる選手こそ、本当のゲームの支配者ではないでしょうか。

当たり前の話ですが、こういった選手はどこでも重宝されます。チームメイトからも信頼されやすいです。「この選手とプレイしていると楽だな」とか「判断がいつもより早くできるな」と感じるときは、周りにこのような選手がいることの証かもしれません。

もちろん、あまりに分かり易すぎる行動は相手にもヒントになってしまいます。相手の裏をかきながらも、味方に対して適切なプレイをさせるように動くことがベストです。

Predictableな選手になるには

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ここからは僕の持論ですが、味方に対してこのようなメッセージを送れる選手になるためには、いくつか必要な要素があると思っています。

まずは、「読み」が早いこと。
どの選手よりも素早く状況を察知して、それを行動に移すことです。試合の様々な局面で、最初に感じて動き出す選手ですね。次に起こるプレイを予測し、試合の展開を早くすることができる選手は、敵にいるととっても厄介です。つまり、周りにPredictableでいるためには、自分がまずは試合状況をPredict(予測)する必要があるということかもしれません。

続いて、献身的であること。
これは正直アスリートならどんな状況でも必要なスキルになるとは思うのですが、自分がチームのために体を張れるか、ということです。

例えばわかりやすい例でいくと、味方がパックを持ってサイドから敵陣に攻め込んだ時に、自分はボール/パックがもらえなくてもゴール前まで走ることで、敵のディフェンスを引き付け、その結果後ろにいる3番手の選手にスペースを与えるといったプレイです。

他の例だと、敵のディフェンスに対して自分の身体を軽くいれることで、味方にシュートコースを作るなども同じようなものですね。バスケットボールでスクリーンと呼ばれるプレイです。(これはもはや戦術的要素になりますが)

チームのためにプレイをするとなると、実は「空走り」が多くなったりします。一見無駄に思えるかもしれませんが、自分がゴールやアシストに関わることがなかったとしても、その自分の頑張りのおかげで、チームに一点がもたらされることがあります。直接的活躍か間接的活躍かの違いですね。

そして、純粋なスキルレベルの高さ。
これを言っちゃおしまい感があるのですが、プレイを演出するためには、ある程度の基礎スキルは当たり前に求められます。相手より速く滑る技術、敵の間を通す正確なパス、狙ったところに打つシュート力などです。

要は、頭の中で描いたことを忠実に実行する力です。味方にプレイを通して何かを伝えるためには、まずは自分がそのメッセージを「正確に」再現する必要があります。

そのためには、基本的スキルが必要不可欠になると思います。

最後に

ということで、ここまで、自分の思う上手な選手の特徴として、周りに対してPredictable(予測可能)であるという話をしてきました。

これは、スポーツに限らずビジネスの場でも同じことが言えるかもしれません。自分の行動を通して、仲間や同僚に何かを伝えることができれば、信頼関係はもっと深まるはずです。

余談になりますが、「働く」という言葉は、「はたはた(傍々)の者を楽にする」からきているという話を聞いたことがあります。こんなところに今回の話と通じる部分があるというのは面白いですね。

僕も、これから周りのチームメイトを常に助けて楽にできるプレイヤーを目指します。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

三浦優希


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