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84. 五輪予選メンバーから落選した僕の正直な心境をお話します


はじめに

皆さんこんにちは。三浦優希です。

先日、日本アイスホッケー連盟からアナウンスがあり、「2022 北京北京冬季五輪男子アイスホッケ ー3次予選」に出場する日本代表メンバーが発表されました。記者会見の様子は下記リンクから。

スロベニア・エセニツェにて2月6日~2月9日にかけて行われるこの五輪3次予選に参加するチームは、日本・クロアチア・リトアニア・スロベニアの4か国です。この予選を勝ち抜いた国が2020年8月末に行われる五輪最終予選に進出することが出来ます。

さて今回、こちらの遠征メンバーに僕は呼ばれませんでした。この事実に対して、僕自身が一体どのように思っているのか、きっと気になる方もいるかと思いますので、この場を借りて正直な心境を書かせていただきたいと思います。それではよろしくお願いいたします。

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五輪への思い

まず、今回の五輪予選に臨む日本代表メンバーに入れなかったことについては、率直に「悔しい」です。僕は今まで目標を聞かれるたびに、必ず「日本代表を長野大会以来の五輪に導く選手になる」と言ってきました。オリンピックという舞台は多くのアスリートが夢見る最高の舞台の一つです。母国を代表した選手が一堂に集う、素晴らしき平和の祭典です。私は、物心ついた時にはこの「オリンピック」というものに対して特別な感情を抱いていました。きっとそこには、父の存在が大きく影響しています。1998年の長野オリンピックに日本男子アイスホッケー代表選手の一人として参加した父のもとで育った私は、「いつか自分も必ずオリンピックに出たい」という目標を、自然と持つようになりました。

そんな幼かった私も、年を取るにつれて、日本代表が長野大会以来オリンピックに出場できていないという現実を知りました。そして、時の流れとともに、「現役選手である自分がこの現状を変える」という強い意志を持つようになりました。

そんな私は20歳の時、初めてシニア日本代表に呼ばれました。しかも初召集の舞台が「2018 平昌五輪最終予選」でした。この予選を勝ち上がればオリンピック出場が決まるという、それはまさに自分が今まで追い求めてきた状況そのものでした。しかし、ふたを開けてみれば日本代表は3連敗。私は勝利に貢献することはおろか、1ポイントさえ残すことはできませんでした。

世界トップとの差をまじまじと目の前で見せつけられた瞬間でした。

この体験は、自分の人生の中で最も悔しいものとなりました。まだまだ自分が実力不足だということを知り、選手としての自らの成長を誓った大会となりました。

大変前置きが長くなってしまいましたが、話を現在に戻します。五輪出場を目指す私にとって、「五輪予選」という舞台は絶対に避けては通れないものです。どんなアスリートも、「君は頑張ってるからオリンピック出ていいよ」なんてことにはなりません。必ず、国内であれ海外であれ、同じ舞台を目指すライバルたちを倒さなければその切符は掴めません。

その戦いに、今回僕は呼ばれませんでした。人一倍思い入れのある五輪予選なのに、その土俵にすら立てなかった。だから、僕は「悔しい」のです。

ここからが本題

さて、ここからが最も重要です。

今までは僕の単なる個人的な思いというのをつらつらと語ってきたわけですが、アイスホッケーはチームスポーツです。僕個人のスポーツではありません。

今回、僕が代表チームに入れなかったことは、客観的に見れば実はそれほど驚くことではありません。前回の世界選手権では、僕は5試合に出場して0ゴール0アシストでした。点に絡むことが出来なかったからと言って守りの面で貢献できたかといわれると、そうでもありません。全く活躍できず、コーチ陣の期待に応えることはできませんでした。

また、現在所属する大学のチームでも、昨年よりは良い成績を残せているとはいえ、周りから見たときにそれが果たして良いスタッツかといわれると、そうではありません。

当たり前のことですが、「絶対に代表に呼ばれ続ける選手」というのはいません。いくら過去の成績が良いものでも、これまで積み上げてきた信頼があっても、「今どれだけやれるか」が全てです。たくさん代表に呼ばれるということは、それだけリアルタイムで結果を残していたり、チームに必要とされるなにかを常に実践しています。

チームスタッフは、勝利のために決断をしなければなりません。その決断までにはきっと、さまざまなプロセスがあるはずです。考えに考えて、いろんな状況を想定した上で覚悟をもって決めるのが「メンバー」というものです。

つまり今回発表された選手団は、現段階においてベストな選手たちが選ばれたということです。僕はそこに選ばれるまでの実力を擁していなかったという、いたってシンプルな話です。

この岩本監督のコメントにもあるように、「決定力のある選手」というがチームには常に求められます。それでは果たして今の僕に「決定力」があるかというと、答えはNOとなるでしょう。他者から見ても、自分から見てもそれはきっと同じです。

今後僕が代表選手に呼ばれるためには、今まで以上に成長しなければいけません。

大変幸運なことに、自分は今アメリカの大学トップリーグという成長が可能な場所にいます。ここでさらなる実力をつけ、今後、日本代表に必要不可欠と言われる選手になります。今回の五輪予選に出場しないことが決まった今、自分がするべきことは大学での活動に集中することです。大学チームのレギュラーシーズンはあっという間に残り8試合となりました。プレイオフ出場へ向け、全ての試合が重要となります。まずは今自分がいる場でしっかりとチームに貢献したいと思います。

それに、今回の3次予選を日本代表チームが勝ち抜いた先には、五輪最終予選が待っています。また、世界選手権もあと数か月後には開催されます。今回呼ばれなかったからと言って、次回も呼ばれないと決まったわけではありません。とにかく今は目の前のことにすべての力を注ぎ、この先もう一度日本代表ユニフォームに袖を通す選手になることを目指します。

最後に

最後になりますが、繰り返し言わせていただきます。

今大会のメンバーに入れなかったことについて、悔しい気持ちはありますが、そこには不満や文句というものはありません。単に自分の実力不足です。今回の五輪予選には、現状のベストメンバーが選ばれたはずです。選ばれた選手はきっと勝利に向かって最大限努力するし、僕は所属チームであるレイクスペリア州立大学の勝利のためにプレイするのみです。選ばれなかったからと言って、落ち込んだりなんかはしてはいません。

もしかしたら、今回自分が選ばれなかったことに対して、何か不満を抱く(抱いてくれている)方がいるかもしれません。それはある意味、本当にありがたいことです。ただ、今回の五輪予選で僕が代表チームの一員として戦うことを望んでくれていた方には申し訳ありませんが、これがリアルであり、三浦優希の現状です。今回は叶いませんでしたが、この先、必ずその思いを実現させます。

いつも大きな期待をしていただきながらも、上手くいかないところばかりをお見せして恥ずかしい限りですが、今までどんな時も最初からうまくいくことはありませんでした。ずっとチャレンジを続けることでたくさんの困難を乗り越えてきました。挫折と共に歩んできたこの人生、きっとこれが僕のスタイルなのかなと思います。凡人なりにも、この姿勢を貫き通すことで少しでも多くの方々へ勇気を届けます。

こんな私ですが、引き続き温かい応援をしていただけたら幸いです。

そして皆さん、ぜひぜひ日本代表の応援もよろしくお願いいたします!!

日本代表チームの成功を心から願いながら、この文章を終わりとさせていただきたいと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

三浦優希

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