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125. コロナ禍におけるNCAAの取り組み

皆さんこんにちは!三浦優希です。

今回は、コロナ禍におけるNCAAの取り組みを紹介したいと思います。普段あまり皆さんが知ることのない部分である、NCAAアイスホッケーはコロナ禍においてどのように試合開催をしているのかを、自分に分かる範囲で簡単に説明したいと思います。よろしくお願いいします!

検査の数

これはどこと試合をするかに限らず、NCAA(というよりは州のルールなのかな?)において、1週間に6回の検査を行っています。今までの検査形式としては、鼻に棒を突っ込むタイプのものと唾液検査の2つを行ってきました。棒タイプに関しては、その場で結果が出る(15分ほどかかる)タイプと、検査キットを病院に送りその日の夜に結果がメールで送られてくるという2種類があります。

ちょうど3日くらい前から、検査はすべて唾液採取タイプに変わりました。正確性や信頼性については、僕も専門的知識がないので何とも言えないのですが、今のところチームでの検査において陽性反応はまだ出ていません。(クリスマスブレイク中に陽性と判断された選手も今は復帰しています)

検査の時は、リンクにてチームトレーナーさんが中心となって実行するときもあれば、大学のヘルスセンターに選手が行き、そこで採取するということもあります。

遠征について

実は今週末が初めてのオフィシャルアウェイ遠征でした。特に今回行ったNorthen Michigan 大学と、現地で泊まったホテルはかなり制限が細かく敷かれているところでしたのでそちらを紹介していきます。

ホテルにて
まず、これはもはや当たり前ですが常にマスク着用です。いまだにアメリカにいる人たちがみんなでマスクしているところは見ていて不思議な気分になりますが、みんなしっかりルールを守っています。

今までの遠征であれば、アウェイの時は近くのレストランやホテルの大きな部屋などでチームでまとまって食事をしていましたが、今はそれはなし。食事に関しては、遠征前に各選手がメニューから自分の食べたいものをサインアップシートに書き、その注文内容で出来上がった料理をチームスタッフがお店に取りに行き、ホテルに入る前に各選手に渡して、選手たちは自室で食べるという形でした。マクドナルドのテイクアウトのように、紙パックの中に食事が入れられていて、それを部屋へ持ち帰ります。

ちなみにホテルでは、選手は二人一組で宿泊するのですが、その部屋割りは、普段から一緒に住んでいる選手同士をなるべく組ませるというものでした。

先ほどの食事の話につながりますが、ホテルでの朝食については、これまた普段であればホテルの食事する場所を利用しますが、今回はあらかじめ2日分の朝食が冷蔵庫に入れられており、自室で済ませるというものでした。内容としては、ヨーグルト、ゆで卵、フルーツバー、ソーセージエッグマフィンなどでした。電子レンジでチンをすれば食べられるものが用意してありましたが、少し物足りなかったですね。あとは衛生面的に大丈夫なのか?と少し思いました。(全然気にせず食ったけど)

このような形だと、満足のいく食事が出来ない選手も多く、そういった選手は近くのガソリンスタンドに併設してあるコンビニエンスストアや、デリバリーフードなどを頼んでいました。

ホテル側からは、「とにかく大人数でまとまらないように」と言われていたので、ロビーでバスをみんなで待つ時間などもなくなり、出発直前に直接バスに乗り込むことが多かったです。

まあ、ある程度の制限はあったものの、そもそも遠征中にどこかに出かけたりする予定などもないので、僕としては不快感はそこまで感じませんでした。

一つ思ったことは、自分はあまりこのような違いに対してストレスを感じない、よく言えば図太い、悪く言えば鈍感な人間なのかなあ、ということでした。このような状況でも何も不便に感じることはなく、むしろすべてがありがたいと自然に感じていました。海外生活が長くなり、そこらへんのタフさが少しずつ鍛えられているのかもしれません。

リンクについて

こちらもホテルと同じで、リンクにいるときは氷に乗るときとベンチ内にいるとき以外は常にマスク着用を義務付けられていました。また、Credential(選手証)を首からぶら下げ、それがないとリンクに入れないということになっていました。

リンクでは、アウェイチームが使用できるエリアが限られていました。簡単に言えば、リンクを縦長の長方形として考えたときに、左側がアウェイチーム、右側がホームチームといった形で、そもそも他チームの選手たちが交わることのないように設計されていました。

また、ウォームアップの際などには2階のコンコース(観客席付近)を利用するのですが、移動の際は階段でバラバラに移動するのではなく、大型のエレベーターのみをまとまって使用するというルールになっていました。

試合前などは、各チームがそれぞれ練習をする時間があるのですが、それもなるべく時間が近づかないように練習時間を分け、リンクにいる時間を重ならないようにしていました。

試合について

こちらは、普段とそこまで大きな違いはありません。コロナ禍だからという理由でルール変更がされたことは今のところないです。(他のリーグではボディチェック禁止になるところもあるとか)

一つ大きな違いを挙げるとすれば、無観客で試合を行うことですね。大学アイスホッケーと言えば、各校生徒によるアツい応援がシンボルですが、それがないとやはり迫力は劣るかもしれません。ただ、個人的な思いを言うと、「お客さんがいないからモチベーションが下がる」なんてことはなく、そこまで違和感を感じずに試合をすることが出来ています。普段は応援の音でかき消されてしまうような声や音が耳に入ってくるのは、新鮮ですね。もちろん、ファンの方の前でプレイすることがベストなのですが(本当に早くそんな日が戻ってきてほしい)、選手たちはそこまでストレスを感じずに試合をしているのではないかと思います。テレビの前で無観客の試合を見ているととてもむなしく感じますが、いざ自分がプレイする側に回ると意外と違和感はないなあ、というのが本音かも。

他の違いで言うと、審判がマスクをしていたり、試合後の握手がなくなって、代わりにブルーラインに整列してスティックをトントン氷に打ち付けることで相手にバイバイしたりといったところですかね。

アイスホッケー自体の違いは、そこまでありません。

まとめ

これまで述べてきたことが普段との大きな違いですが、それ以外の点で言うと毎日体温測定をしたり、ミーティングをチーム全体ではなく各セットごとに行う事があったり(毎回ではない)といった感じです。

僕らは本当に幸運なことに、チーム内での陽性反応が活動中に出ていなかったり、試合が完全にキャンセルされるということがいまだに起きていないおかげで比較的試合を多くこなすことが出来ています。今回書かせていただいたことはあくまで僕らの大学の取り組みの一つなので、これがすべてに当てはまるわけではないし各大学で色々と違いはあるかもしれませんが、ある程度はどこも似たようなことをやっているのではと思います。

正直なことを言うと、ある意味選手やスタッフたちは「コロナ禍」における現在の取り組みが当たり前になりつつあり、現状の活動体系に関して疑問を持つことはなくなってきているのではないかと思います。僕らがいま行っていることが正しいことなのかはわかりませんが、人類が初めて直面するウイルスとの戦いにおいては、今はやるべきことを淡々とこなしていくことが大切なのかなあと思っています。

コーチから何度も言われていますが、いつ僕らのチームから陽性反応が出るかもわからないし、相手に反応が出ていつ試合が出来なくなるかもわからないこの状況なので、引き続き油断をせずにスマートに生活していければと思います。

というわけで今回はコロナ禍におけるNCAAの取り組みを紹介させていただきました!最後まで読んでいただきありがとうございました。

三浦優希


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