半年経ちました。 そしてカンボジア撮影旅行
フリーになってから半年が経過。
「何事もやってみなければわからない」という言葉の意味が腹に落ちる半年だった。
半年。一年の半分の時間が経過したわけだが、先月訪ねたカンボジア撮影旅行がひとつの区切りになった気がしている。
友人の会社の従業員の方々に案内してもらい自分一人の気まま旅では行くことのないであろう場所、人々が日々の生活を営む場所を訪ねる事ができた。プノンペンから車で一時間程度かかる郊外(というより田舎と言った方がしっくりくる)で見た風景はとても素朴だった。人も家も営みも。
人々はカメラをむければはにかみ、恥ずかしがりながらも素晴らしい笑顔を向けてくれる。目には輝きがあり人懐っこい。現地の従業員と一緒だったとはいえ、見ず知らずの外国人(私)にカメラを向けられても警戒心はそれほどない。
シャッターを切りながら
「こんなふうに笑えたらいいな」
そう思った。
ところで、生きて行く上で必要なものはなんだろう。
食べるものと着るものと住む家。それらを得るための仕事。そして家族や友達。
私が訪ねたプノンペン郊外のその場所では、十分ではないのかもしれないけれど、それらは全てそこにあるように見えた。
そうは言っても私が日常を送る世界にはあって、ここにはないものがたくさんある。その逆もまた然り。どちらがいいのかなんてわからない。あるいはどちらでもいいような気がした。
生きて行くために必要なものを得るために、そしてより良い人生をおくるために行動しているという意味ではどちらも同じ。多分、抱えている問題の質が違いすぎるのだ。私が日常を過ごす場所とこの場所では。
いずれにしても、私が見たものはカンボジアのほんの一部。というより一部にもなり得ない表面的な部分だけだけど、その表層から感じることも一つの事実。まだ私の中で整理はしきれていないけど。
もう一つ、プノンペンで印象に残った事を書いておきたい。
急遽会社の従業員の方々(マネジメント層の方々)のプロフィール写真を撮影することになり、その時の風景が心に残っている。
とにかく撮影前は大騒ぎ。手鏡で髪型を整え、自分のこともさることながら同僚の髪型をも整え、お互いのネクタイをチェックし、撮影時にはポーズに注文を付け合う。とにかく皆仲が良くてとても信頼し合っている。そして全員が撮影というイベントを本当に楽しんでいた。私にとって会社というのはそういう場所ではなかったから、新鮮でちょっと羨ましかった。
さて、たった2日間だけだったけどアンコールワットを観にシェムリアップへも足をのばした。遺跡は文句なしに素晴らしかったが、私にとってキーとなったのはアンコールワット近くの遺跡「タ・プローム」から市街に戻るトゥクトゥクに乗っていた時間。
森にたたずむ廃墟のような遺跡をじっくり見学した午後、灼熱の太陽の下どこまでも続く平原を風きって走るトゥクトゥクに揺られながら、
「ああ、そろそろ変える時期だ」
と思った。なぜこのタイミングでそう思ったのかはわからないけど、とにかく猛烈にそう思った。その時トゥクトゥクから見た風景、温度や風の感覚は今でも私の中に残っている。
清水の舞台から飛び降りるが如くの覚悟で辞めた会社だけど、決意前に思い悩んでいた事やモヤモヤは今ではほとんど思い出すこともない。辞めてからしばらくは手ぶら感というか拠り所がないことに慣れない不安定感もあったけど、最近はそんな時期もあったな…と思うくらい。それらは一つの通過点。私にとってもう過去の出来事になっている。
それもそうだ。もう半年の時間が経過したのだから。
「やりたいことはなんでもやってみる&人生の休憩」を目指してスタートした生活。実際いろいろやってみて、フリーの生活もしっくりくるようになった。が、そろそろ次のステージにいかないと。シェムリアップの平原をトゥクトゥクに揺られながら思ったとおり。「そろそろ変える時期」なのだ。同じ場所に止まっていてもしょうがない。大切なのは、覚悟と行動。
*トップの写真はタ・プロームを訪ねた時に乗ったトゥクトゥクのドライバー。
この人の笑顔もステキ。
【追記】
帰国してからは膨大な数の写真の整理の日々。先日ようやく終わってひと段落。
さて、この作業の中で繰り返される、
→「良く撮れたものをピップアップ」
→「翌日それらの写真みて、それほどよくなかった…と落ち込む」
→「それらの写真を二度と見たくないと思う」
→「でもそれでは整理が終わらないので失意のもと作業を続ける」
→「ある時ふと、やっぱりなかなか良いんじゃないか?と思う」
→「うん、結構いいかも!と浮かれる」
そしてようやく…
→「やっぱりそうでもなかった。XXがあまい。XXが弱い云々…」
諸々を冷静にジャッジする余裕がようやく生まれるというココロの動き。
多分どれだけ撮影経験を重ねてもこのココロの動きは続くんだろうな。満足しないからいつまでも撮りたいと思うのかもしれないけど。
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