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#読書感想文 葡萄が目にしみる

3日目です。
今日は、読書感想文のお題を。

林真理子さんの『葡萄が目にしみる』
これは、中学1年生か2年生の時に、初めて読んだのですが、
事あるごとに読み返しています。

林真理子さんの半分自伝的な小説なのですが、
コンプレックスがたくさんある女の子、乃里子の
中学から高校の生活がメインの青春小説です。

舞台は、山梨県。
のんびりとした地方の進学校で、恋愛をしたり、将来に向けて
勉強をしたり、クラスメイトとの日々が描かれています。
彼女は、放送委員。
自分にコンプレックスがあるけれど、声は人から褒められる。
その彼女が、高校を出て、大学に入り就いた仕事とは…

初版は、昭和61年!
昭和…なんだけど、ネタバレになるかもだから、
あまり結末は書かないよ。

なんで、この本を読み返しているかというとね、
自分が将来やりたいこと、こんな世界が広がっているんだ、
ということを教えてくれたからなんです。

中学生って、ちょっと自分のことを考えて落ち込んだりし始めるお年頃。
多分に漏れず、私もそうでした。
子どもの頃に、人から褒められてちょっと照れるけど嬉しかったのって、
私は「声がいい」と「国語の朗読が上手」という2つだったんです。
(それ以外、さほど褒められたもんじゃなかったけど)

だから、乃里子にとても共感できるところがありました。
クラスの1軍というわけでもなかったのも、同じだし(笑)

この小説を読み、ラジオを自分の部屋でたくさん聴いていたこと。
それが、いまの自分、ラジオで仕事をしたい、という気持ちに
なったことに、とても繋がっているのです。

大学受験で勉強したくないな…と思った時も、
小説の最後の方に出てくる、乃里子が大学生になった時のこと、
そして就職しているシーンを読んで、自分を鼓舞したこともありました。

大人になってからも、中学生や高校生だった時のワクワクして
乃里子を応援しながら、読んだ気持ちを思い出したこともあったし、
今は、乃里子を愛おしく思いながら ”大丈夫だよ” と
声をかけてあげたいなと思いながら、読むこともあります。

私は、FM FUJIという山梨にあるFM局で番組をしていました。
そのオーディションの前日に、『葡萄が目にしみる』は山梨が舞台だった、
と思い出し、ガチガチだった心が少し和らいだのを覚えています。

何よりも、山梨まで通うようになり、いままでは頭の中で想像していた
山梨の景色を、実際に目にすることが出来たのも、嬉しかったです。

新宿から、特急電車「かいじ」に乗り、笹子のトンネルを抜けて甲府盆地が
車窓に広がると、「ふちを山々で囲まれたパイ型のような形をしていた。」
という描写が、本当にシックリくると思い、嬉しくなるんですよね。

それから、乃里子の家はブドウ農家なんだけど、
種無しブドウにするために、ブドウに浸す ”ジベ液”という薬剤。
甲府の薬局とかで、”ジベ液” って、のぼりが出ているの見て、
めちゃくちゃテンション上がって、スタッフに笑われたのも懐かしい。

中学生の時に出会って、大事に読んできた本の舞台で、
仕事が出来たというのも、とても幸せなことだなと思っています。

これだけ書いたら、また読みたくなってきてしまった!
私が一番大切にしている本は、この本だと思います。

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