隣にある“当たり前” は 隣にある“奇跡”
「人という字は・・・!」
なんてセリフがありましたが,
人とはなかなか弱いもので,どうにも1人では生きづらいものです。
1人で強く生きているという人も中にはいるかもしれませんが,それはほんの一握り。
1人でも生きてはいけるでしょう。
大抵のことは何とかなるのでしょう。
ただそれは,少々寂しいものです。
家族の下から離れて一人暮らしを始めた時,大冒険の始まりのような自由を感じます。
ところがある日,眠る前の静けさの中で,あんなにも煩く感じた実家や家族が妙に懐かしく感じます。
嫁や旦那がいない夜,久しぶりの独身気分!と束の間の自由。
ところがある日,話しかけようと隣をみても誰もいないことに寂しさを感じます。
両親や兄弟・姉妹、恋人、家族、先生、先輩や後輩、好敵手。
誰かが隣にいることを,その存在を知れば知るほど,1人になることの寂しさはつのります。
「孤独は死に至る病」
そんなセリフが書かれていたのは支倉凍砂 先生の「狼と香辛料」。
何百年と1人で生きていた狼の化身ホロが,行商人ロレンスと出会った頃に漏らした言葉です。
この作品の中でロレンスはこうも言っています。
「荷馬車の馭者台は1人だと広すぎるが2人だと狭い」
しかしそれは,並んで座る2人の距離が近くなると,とても温かな空間になるものでした。
ドパミン,ドーパミンとも言いますが,この言葉をご存知でしょうか?
チロシンと呼ばれるアミノ酸から合成される化学物質ですが,脳では快楽や興奮などの情動を司る神経をコントロールしている神経伝達物質と呼ばれるもののひとつです。
ドパミンの過剰は統合失調症,不足(機能低下)はパーキンソン病の原因になるなど,多くても少なくても問題なわけですが,
その働きの本質は “心地よさ” です。
あなたが誰かを抱きしめた時,
あなたが誰かに抱きしめられた時,
ドパミンの分泌は増加し,“心地よさ” を感じると言われています。
そのためドパミンは “幸せホルモン” と呼ばれたり。
外国人の挨拶がハグなことも,ドパミンの増加に関係していたりするのかもしれませんね。
「Hug is peace」
なんちゃって・・・。
そんなわけでして。
あなたの隣に大事な人がいるのなら,
ギュッと抱きしめてみてください。
もしも喧嘩してしまったのなら,
思い出してください。
抱きしめた時の,抱きしめられた時の温かさを。
人は愚かな生き物と,言ったのは誰だったでしょうか。
大事なものは,なくしてから大事だったと気づくのです。
気づいていたとしても,なくしてから強く強く嘆くのです。
今,あなたの隣に大事なものがあるのなら,
どうか忘れないでください。
今,隣に在ることの温かさと愛しさを。
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