🔸今必要なのは「学び」「仕事・生産」「地域自治」の3軸

それらを貫く「人づくり(集団・組織づくり)」が地域活性化・活力再生の実現基盤。

おそらく、私たちの取り組む農村地域の課題は、10年〜20年はこれが実現できるかどうかにかかっている。

❶本能×生きる力 人づくり

人は、遊び、学ぶことで、生きる力を強くします。その力を育むことが「人づくり」の出発点だと考えます。遊び、学んだ基盤は本能に刻まれていきます。
今、SDGsをはじめ、全人類的な課題の解決が急務です。しかし未知なる課題には、模範解答はありません。求められるのは、「既成の概念に囚われず正解のない課題に挑戦する追求力」、「仲間に期待し応えることで活力を高め合う充足力」といった人本来の力です。その土台となるのが、原哺乳類の時代から進化の過程で受け継がれてきた「遊びと真似の本能」です。

❷ 情熱×生み出す力 関係づくり

何かを生み出そうとする時、人は集団をつくります。集団同士が協力します。その「関係づくり」で重要なのが、皆を結束させる情熱です。
近年、人びとの意識や市場経済のあり方が大きく変動しています。企業をはじめ生産集団は、変化に適応し、新たな価値を生み出すことが求められています。その最先端では、企業の枠を超えた共創関係が重要になります。開かれた関係を築こうとする時、集団はそのあり方から問い直されます。拠って立つ実現基盤は、時代や文化を超える情熱にあると考えます。

❸ 共同体×繋がる力 地域づくり

「地域づくり」に大切なのは、みんなで地域課題を共有し、解決していくことです。そのために、地域の多くの人が主体的に参加する「共同体」が運営され、みんなの「繋がる力」を育んでいくことが重要です。
明治以来、人びとは豊かさを求めて農村から都市を目指したことで、地域共同体は衰退しました。暮らしに不可欠な食料生産・子育て・学び・福祉といった課題は、家庭や地域の手を離れ、外注化する道を辿って行きました。その一方では、昨今の大災害やコロナ禍などの「生命を直撃する危機」が頻発する中で、皆と繋がり、安心して暮らしたいという意識が高まっています。そのような新しい集団づくりの潮流を加速させるための地域の拠点づくり・集団づくりが必要となって来ています。

❹ 社会×循環する力 社会づくり

持続可能性は、これからの「社会づくり」において重要なテーマです。自然や歴史に学びながら、身近な「循環する力」を国や地球レベルに広げていく必要があります。それは地域再生の目指す「活力づくり」に通じ、その仕事は社会そのもののデザインに及びます。

私たちは経済発展によって物的豊かさを手にすることができました。一方、都市と農村・生産と消費が分断するなど、多くの課題を残しています。しかし、地方に目を向ければ、都市にはない美しい風景、生産者の力強さ、自立的で温かい相互扶助のコミュニティに出会うことができます。そこで、都市と農村を「循環」というテーマで再び繋ぎ、生産ネットワークを再構築する活動が今求められています。

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