ひとりじゃないから。
独立を決心して
もう、
10年以上のお付き合いになるかしら…
銀座の美容院でトップスタイリストとして
活躍を続けてきたKさんに、
「実は独立するんです。」と
昨年末に打ち明けられたときは正直驚いた。
どちらかというと、、
トップスタイリストというわりには、
地味で大人しい彼に、
業界的には当たり前とみられる
”独立”というイメージは全くなかったから。
「えぇぇぇ、、ホントに？？？」
「いつ、どこで？」
「来年の3月に恵比寿で開業します。」
「Sと一緒に。」
なるほど、、
と一気に納得したのには理由がありました。
銀座でトップをはるKさんに対して、
Sさんというのは新宿のトップスタイリスト。
しかも、彼は
ヨーロッパをはじめ海外でも数々の受賞歴があり、
独立心旺盛な雰囲気が滲み出ていました。
「静」のイメージのKさんに対して
「動」のイメージのSさん
見た目も、キャラも正反対のふたりは、
20数年前の同期入社で、公私ともに親友なのです。
45歳を目前にして、
いよいよ独立を決めたふたり。
彼らの決意が自分事のように嬉しくなりました。
視座が変わるとき
彼らが所属していた美容院は、
業界でもそれなりの規模とブランド力を持つ
それなりの美容院です。
それでも、、
トップのふたりが一気に抜けるのは
会社としては痛いはず。
案の定、強力なお引止めが続いたそうです💦
会社の都合を鑑みつつ、
丁寧に話し合いを繰り返した結果、
予定を2カ月延ばして5月の開店となりました。
既に独立した美容師仲間が言っていた
数々の苦労話しの意味が、、
少しずつ実感に変わっていくようでした。
「やってみて初めて分かる事ばかりですね。」
「もう、アドレナリンが出ちゃって眠れません。」
日々の仕事と、開店準備
さすがに疲労が顔に出ていましたが、、💦
サービスのレベルは格段に上がりました。
それまでの彼は
トップスタイリストとして、
自分の技術を発揮する部分しか担当しません。
シャンプーや、トリートメント、
ましてや、送り迎えなど
技術以外のサポートは全てアシスタントがやります。
それが、
独立を公言してからというもの、
シャンプーやトリートメントを積極的に担当し
送り迎えすら丁寧に対応をはじめました。
それは、
真剣に顧客をつかみたいという
経営者としての自覚の現れ。
起業家の私としては、何だか嬉しくなりました。
これで、彼も同士です。
ひとりじゃないから
開店日は祝い花を手配だけして、
私が訪れたのはオープン3日目のことです。
どんなお店に仕上がっているのか？
オープニングは寂しくないか？
花はどのくらい届いているのか？
店舗の出店に関しては
多少の先輩であり経験者であるが故、
ついつい、勝手に心配してしまう。
そんな気持ちで
お店に辿り着いてみると…
「あっ！！！」
遠目でも一目でわかるくらい
真っ白な蘭と華やかな祝い花で
埋め尽くされたお店がありました。
「おめでとう！」
「ありがとうございます！」
そこには、
飛び切り輝いているふたりの笑顔が。
店内は、
明るく優しい色使いと
女性好みのセンスの良い内装です。
「殆ど奥さん達のアドバイスですが💦」
照れ笑いする彼らの奥さん達も
同じ会社の同僚（スタイリスト）で
彼らが独立する分、
彼女たちは会社に残り、それぞれ勤め続ける。
夢は夫に託して。
「静」と「動」
正反対に見えるふたりと
ふたりを陰で支える力強い参謀がいる。
予想以上に、
順調なスタートを切った彼らなのですが、
「まだまだ撲は不安が消えなくて。」
「Ｓは”大丈夫だよ～って”呑気なんですが。笑」
「でも、だから良かった。」
「正反対のＳだから、一緒にやれると思いました。」
自分だけでは、、
”独立”なんて思いもしなかったＫさんは
Ｓさんとの出会いによって
ある意味、人生が変わったそうです。
そして、
20年以上も真面目に努力を重ねながら
お客さんと向き合ってきたことが、
今回の華やかなオープニングにつながった。
親友との出会いも、
力強い家族も、
温かい応援団も、いてくれる。
ひとりじゃないから、できたこと。
私も、、
ちょうど1年前にチャレンジした
人生初のクラファンを思い出しました。
ずっとやりたかった新規事業を
300名以上の人が応援してくださった。
あの感動は忘れません。
ひとりじゃないから、できること。
ひとりじゃないからこそ、
諦めずにやり続ける。
そう強く思えるのではないでしょうか。
PS。
クラファンの、、その後の経過は
またご報告しますね。
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