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【エッセイ】朝のルーティンのなかで環世界を考える
新年が始まり、二週目の週末。
6時過ぎに起床して手洗い歯磨きうがいをしてベランダで寒風摩擦しながらストレッチ。
身体のセンサーが起動すると
不思議と寒さは感じずに
雲ひとつない晴天の空から
朝のやわらかくて優しい光を感じる。
いつもの散歩道で
群れからはぐれた一匹の白い斑の鳩が
寂しそうに木の枝にとまっている。
少し先では鳩の集団が落ち葉の上で
つんつんと餌場を漁っている。
外濠のカモさん達は
やっぱり去年より数も少なくて
群れずにぷかぷか浮いていたり
ちゅぴぴぴ〜と鳴きながらとぶ練習をしたり。
生きている全てのものは
それぞれが感じられるセンサーの中で
人間みたいに“考える”ことはせずにいきている。
哲学者のユクスキュルさんは「環世界」と名付けたらしい。
環世界
ダニが三つのシグナルから成る世界を生きている
ユクスキュル
人間が頭の中で抽象的に思い描く「世界」なるもののことを「環境 Umgebung」と呼んでいる。
「環境」は虚構であり、だれも何も、そんな「環境」を生きてはいないからである。それぞれの生物はそれぞれの環世界を生きている
「やっぱり今年は暖冬っぽいから、カモさん達はもっと寒いところに飛んで行ったのかもな〜」
そんな話をしながら歩いていた。
環境は虚構で、時間は相対的なものであれば
その中で一人の人間が“考える”ことは、いったいどれほどの価値や意味があるのか。
美意識。
環境問題をブレイクスルーするために必要なもの。
感覚的なことを感じて表現すること
素材はすべて自然の中にあって
人間が感じる虚構の中で表現されるものなのだろう。
自然体でいることの大切さを考えていた。
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