見出し画像

【エッセイ】2023年の町会お花見🌸

開花してから一週間、先週から都内の桜もすっかり咲いてきた。

この街に越してきて3度目の春になるのかぁ。
少し早いような気もするけど、ここ3年くらいは、毎日のように歩くようになったので、自分が住む街並みの景色をしっかり観るようになった。
そう思うと、ずいぶん長くこの街に住んでいるような感じもする。


2023年の記念すべき第一回目のお花見会──
それは町会の理事メンバーで4月22日に開催した。
このお花見会は、僕が幹事っぽい感じになって、町会の役員メンバーに声がけして開催することになったもの。


***


ちょっと前の話──────
今年度の締めとして開かれた町会の役員会。いつものホテルのレストランでお昼前からはじまった。僕は去年から町会にはいって防災部長をしている。
会長、婦人部長、会計監査・・・長年にわたって町会を支えられてきている方々。実質いろんな活動が休止せざるをえなかった3年間だったので、今年は防災の避難訓練や新年会など活動が再開し始めた年だった。

昭和35年から続いている町会、いままでは、新年会、バス旅行、敬老の日、避難訓練などなどいろんな催事を行ってきたらしい。

「今年はどうしようかね。バス旅行とかは難しそうだから、お花見でもしましょうか。でも今からだとスケジュール的に難しいかな・・」

会長がそんなことを言いながら会議が進んでいった。
結局、町会全体の催事は来年の新年会くらいにして最低限の避難訓練などを行うことになった。
帰りがけには役員会で皆とLINE交換。
みんなLINEはやってはいたけど、普段からつながっているようではなかったので、「○○町を盛り上げる会」というグループをつくり、連絡が取りやすいようにしてみた。


***

──毎日の朝のお散歩。外濠沿いや靖国神社の桜が咲き出す。
写真を撮ったり動画を撮ったり──町会のみんなにも見てもらいたくて、LINEグループに投稿していた。

「会長の予定が合う時に、役員メンバー中心に日程合えば軽くお花見しませんか?」

そうお誘いしたら、みんなの反応はすごく早くて(笑)
会長がまっさきに空いている予定を出してくれた。「よろしく」と慣れないLINEでメッセージをくれて嬉しい気持ちになる。

そんなこんなで、4月22日。
心配だった天気も大丈夫だった。
会長のマンションの前に17時30分に集合、役員メンバー四人。
外濠沿いのいつも朝のお散歩で歩いているコースを皆で一緒に歩いていった。

「本当に今が一番いい時かもですね」

満開になった桜みち。町会の先輩方といっしょに歩くいつもの道は、ぜんぜん違う道のように感じる。

靖国神社について──夜のお花見イベントは、どうやら来週からだったようで、桜がいっぱいのメインステージは18時を過ぎていたので、門がしっかりとしまってしまっていて入れず・・・汗

「うわー、すいません、きちんと日程みてませんでした!」

おっちょこちょいでお調子者の僕の悪いところw
すぐ近くの千鳥ヶ淵の桜みちも、来週からでライトアップされておらず・・
お花見幹事としては大失態となってしまった。

学生のノリで申し訳ない、と思ったけれど、せめて桜の花の下でみんなでお酒を飲みたいなと思い、とっさに近くのコンビニで缶ビールとコロッケを買いにいく。
半ば無理やり(笑)会長やみなさんに缶ビールとコロッケをお渡しして、お花見開始。席取りもしていないし、そもそも座る場所のない中で、立ち見のお花見になってしまったw

「満開の桜は最高ね〜、こういう雰囲気もいいですね」

婦人部長さんがお世辞でもフォローしてくれたので、なんとかいい雰囲気になって、みんなで缶ビールを飲みだした。

街灯でうっすらと色づいた満開の桜の木たち──
行き交う通行人の中で、町会役員の大先輩の方々と桜の花を見上げながら、缶ビールをぐい呑みするのもオツなもんだなぁ、と楽しくなってきた。

「お〜、このコロッケは美味しいなぁ・・・」

会長が思わずつぶやいたのをきいて、コンビニのコロッケでごめんなさい!と思いながら、喜んでくれているようで嬉しくなる。
こんなことなら、近所の美味しい肉屋さんのコロッケを買ってこればよかったな〜と反省・・。来年はちゃんと準備するようにしようかな。


そんなこんなで、なんとかお花見もできたので、19時から予約しているトルコ料理のお店に──
途中、道なりにあるたくさんの桜の木を見ながら歩いた。

「このしだれ桜、本当に立派だねぇ〜」
「こんな立派な木があるとは気が付かなかった」

そんな会話をしながら皆でわいわい話しながらのお店までの道も楽しい。
ここはうちの町会のエリアではないけれど、このような街並みを楽しめる地域に住んでいることがすごく嬉しくて幸せな気分になった。


***

みんな初めてのトルコ料理のレストラン。
遅れて仕事終わりの役員の方も合流し、楽しい団欒のひとときとなった。

会長はうちの親父やお袋よりも年上で、僕とは歳の差30以上の大先輩。
そんなこの地域を長く支えてこられた方々と、肩を並べて自分たちが住む街について、楽しく熱く語りえることが本当に嬉しく感じた。


何よりも、会長が役員会の時に、お花見をしたそうな顔をされていたので、それが小規模でも実現できてよかった、と思った。
幹事としては失格だけど(笑)


***

そんなこんなで──────

来期、4月から、僕がこの町の町会長になることになった。
防災部長もになっているから、なかなかの大役だけど、いまの会長からの期待に応えられるように、自分ができることを誠実に取り組んでいきたいと思う。

自分が住む町、地域とのつながり。
ひととのつながり。

豊かに生活をする上で、これほど大切なことはないように思う。

はなれて住む親に桜の写真を送った。
4月になったら、また、実家に行って報告したいなと思う。



©️2023 Mahalopine

記事執筆のための、いろいろな本の購入費用として活用させていただきます!