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「誰かのため」の「自分のため」〜繊細さ活用起業記〜

*この記事での「繊細さ」についてはこちら↓から*

「誰かのため」が過ぎるのは消耗戦と同じ!?

利己的に聞こえるかもしれませが、

「繊細さ」とともに起業するなら、まずは

「自分のため」

という意識を育てることはとても大切だと
私は思っています。


自分が儲けるためなら、
相手のことなんてお構いなしでいい

という意味ではありませんよ。


「誰かのため」という思いは、もちろん大切なことですし、
起業とその後の事業運営の、エネルギーの源でもあります。

持っていていいんですが、

これが度を超すと、

相手を傷つけたり、不快な思いをさせてしまったり
逆に、貢献しすぎて
自分自身が傷ついたり、苛立ったりしてしまうからです。


これは、まるで消耗戦のようで、
事業への情熱をどんどん奪ってしまうんです。


起業して間もない頃、
こんなことがありました。



貢献 → 喜び の続きに待っていたこと

自分の事業を話す機会をいただいたことがあり、
私の事業に興味を持ってくださった方がお一人いらっしゃいました。

その方は、こう私に言いました。

「へぇ…それ、面白そう。
 ねえ、それって私にタダでやってもらえない?」


今思えば「え?タダ!?」ですが、

当時の私は、これがとても嬉しかったんですね。
なぜかといえば、

こんな未熟な私の技術に興味を持ってくれた!

から。

この方に貢献したい!

という熱い思いが湧いてきます。

そして、その思いのままに、
高額な実費がかかるようなサービスまで、
無料で提供しました。


いただけたのは当然「ありがとう」という言葉だけでしたが、

でも、

無料でここまで尽くした自分と、ありがとうの言葉に、

とても満足していました。


そんな満足な出来事が何度か続いたある日。

突然、こんな思いが襲ってきます。


私、いいように利用されてない?!


虚しさと腹立たしさ

「タダでいいよ」と言ったのは自分のはずなのに、
自分の事業成果の証明や生活のためになる報酬が、
何も得られていないことに気づいて、

悲しくて悔しい気持ちになったんです。


それでも「タダでいいよ」をやめられずに続けていたところ、
ある個人事業主の方がお客様でいらっしゃいました。

そして、こうおっしゃったんです。


「すごい!これ、本当にタダでいいの?
 XXXXX円くらい払わなきゃいけない気がするんだけど!」

(金額は伏せますが、結構な額でした…)


私にとっては嬉しい誤算です。そのはずです。

なのに、私ったら、

「そんなそんなそんな、もったいない!
 いいんです、その言葉が嬉しいんですから!」

なんて言いながら、これを固辞。

お互いの、起業家としてのやりがいと苦労のお話をして、
「お互い、がんばろうね!」とお別れしました。


そして後になって思うんです。

「私、これで本当によかったの…?」


「タダ」での貢献に喜びを感じながら、
利用されてる?と虚しさと腹立たしさも感じている。

なのに、
「お金を払う!」というお客様には、
「もったいない!」これを拒否して「タダ」提供を続ける。

そして、
「タダ」での貢献は尊いことと満足しつつ、
虚しさと腹立たしさが延々と続く…


不思議なことです。でも、事実です。


これでは、事業として続きません

それに、いつか必ず、
虚しさと腹立たしさがお客様に伝わってしまいます。


これはマズい!と思った時、

ある心理状態のことを思い出しました。
(キャリアコンサルティングは、
 カウンセリングの知識と技術も必要ですから、
 心理も勉強しトレーニングするのです^^)

それは…



「誰かのため」は「自分のため」だった

自分を満たすために、人を救おうとする心理。

自分の価値をうまく見出せていなかったり、
自分はこれでいいんだと心から思えていなかったりすると、

人に貢献し助けることで、
自分の存在を確かめ、自分を満たそう
とする場合があります。

そして、

その貢献が相手に認められなかったり、
望んだような評価が得られなかったりすると、

不機嫌になったり、
自分を満たしてくれる「かわいそうな人」
探したり、作り出そうとまでしてしまうといいます…。


…これだ…。


すごく利己的…ちょっとショックです。


とはいえ、人間ですから、
やっぱり自分を満たしたい気持ちもあります。


なんたるジレンマ。

どうしましょう…。



「誰か」をツールにしないための「自分のため」

ここで勘違いしていただきたくないのは、

貢献したい、人のためになることをしたい

という思いが、マズいのではないくて、

自分が満たされたいという思いに気づかずに、
相手を、
自分を満たすツールのように扱ってしまうこと
が、

マズいということです。


だから、

「誰かのため」に
「自分がそうしたい」からする

と考えてみる。
そして、提供するときは、

どんなリアクションがもらえるかを確認してみよう

と考えてみる。


この方が、断然気持ちが楽です。


貢献することも、人のためになることも、
全部「自分がそうしたい」から、していること。

相手が喜んでくれたら、
自分も嬉しいから「こちらこそありがとう」。

相手が必要ないと言ったら、
失礼しました、「ご用命があればぜひお願いします」

(自分が拒否されたのではなく、その時したことが合わなかっただけ)


シンプルでいいんじゃないでしょうか?


貢献したい、役に立ちたい

という思いと、

自分がそうしたいからするんだという気持ちと、
それにどう応えるかは相手が決めること

は、セットにしておくのがよいですね。





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