#40 来たよ! 世界で1番来たかったTimes Square・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月2日(金)2日目・・・11

ディズニーストアを出て、再び赤い階段を目指す。外はすっかり夜になっており、さっきよりさらに超巨大ビルボードがキラキラして眩しい。

途中、怪しい着ぐるみがウロウロしており、騙されないように気を付けた。着ぐるみの中には中国系の人たちが入っており、一緒に写真を撮らないかと話しかけてくる。うっかりOKしてしまうと、撮影後にしっかり金銭を($10~20ほど)請求してくるのだ。

赤い階段の近くには、テーブルとイスが並べられ、自由に休憩できるようになっていた。2週間後に誕生日を控えていたので、ここでHappy birthday to meをしてもいいなと思いながら、赤い階段、Ruby-Red Stairsへ急いだ。

当たり前だが人生初。はやる気持ちを押さえながら1段1段上り始める。
混雑している階段を、座っている人、立っている人、写真を撮っている人を左右によけながら、1段1段上って行く。30段ほど上った最上段にも人は並んでおり、上りきったところでわずかな隙間に入り込み、後ろを振り返った。

One Times Square。改めてゆっくり眺める。
何十年もの長い年月、数えきれないほどテレビや雑誌、ネットで見ていたその場所に、自分が実際にいることが、不思議だった。
コロコロと目まぐるしく変わるネオンが、昼間のように明るく、稲妻のようにピカピカと光っていた。階段下には、お祭りが行われているかと思うほど大勢の人で溢れかえり、左右の道路は渋滞で車がびっしり詰まっており、クラクションが響いていた。
おそらく世界一賑やかな場所なのだろうと思いながら、階段に腰掛けた。

死ぬまでに1度は絶対に来たかったTimes Square。

何度想っただろう。
何度憧れただろう。
何度夢に見ただろう。
何度恋しく泣いただろう。
何度行きたいと叫んだだろう。

やっと来ることができた。

その場に溶け込みたくて、しばらくネオンにうずもれるように、座り込んだ。誕生日に来る予定でいたので、まさか到着翌日の、こんなに早く来られたことが嬉しかった。

どれくらいいただろう。
ここから離れたくない、もっと座っていたいと思いながら、夢が叶った嬉しさと、ここを離れてしまったら、もしかしたらもう来られないのではないか、いやいや3週間あるのだからいくらでも来られるよ、などの思いを行ったり来たりしながら、中々立ち上がれないでいた。

3週間の間には何度も来られるだろう。今はまだほやほやの観光客だが、
3週間後には、New Yorkerに間違えられるほど馴染めているかもしれない自分を想像し、勝手に嬉しくなりながら、ずいぶん長い時間、階段に座り込んでいた。

何と幸先の良いNew York観光のスタートなのだろう。
こんなにハッピーでいいのだろうか。
あまりの幸福感に戸惑いながら、不思議な気持ちでOne Times Squareを眺めていた。

朝、チェルシーへ向かった時は、宿のオーナー・陽子さんが一緒だったが、帰りはまったく1人だ。だが不安はなかった。地下鉄は24時間運行なので、乗り間違えても引き返したり乗り直しができるからだ。
この2日間の体験や街の雰囲気から、困ってもNew Yorkerが助けてくれることが実感できていた。

赤い階段から、どっちの方向にどれくらい行けば地下鉄の駅なのかは全く分からなかったが、何となく人の流れの多い方へ向かい、人の後ろをついて歩いた。1ブロック歩けばどこかの駅には辿り着けるだろうと思いながら。

すると、すぐに大きな駅に着いた。Times Sq-42 St。
乗る電車さえ間違えなければ、宿に着ける。〝Downtown〟〝Brooklyn〟と書かれた看板がある方へ、そしてホームへ。

構内には音楽が鳴り響き、人だかりができていた。
初めて地下鉄ミュージシャンに出会った。

おお、これが駅構内のミュージシャンかぁ。
人だかりの後ろから覗いてみると、一組のバンドがロック色の強い、ノリノリの楽曲を演奏していた。そのレベルの高さに驚いた。日本で聴くプロのミュージシャンといい勝負のレベルだった。いや、もしかしたらそれ以上のレベルかもしれない。私は音楽に関しては素人だが、それでもそのクヲリティの高さはわかる。
時々、足元に置かれた楽器ケースの中にお金を入れる人がおり、しばらくNew Yorkの風物詩を眺め、心地良い音楽に浸った。

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