#49 私には勉強できない図書館・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月3日(土)3日目・・・8

Empire State Buildingを出てさらに北へ、マップアプリが示してくれた、Bryant Parkへ向かった。
Bryant Parkの近くには、人生で目指す聖地、私が勝手に約束の地と思い込んでいる企業がある。明後日の月曜日にうかがうので、下見をしておこう。

私は方向オンチ選手権で世界一に輝ける、筋金入りのスーパー方向オンチだ。そして約束の時間にはうるさい。だから死んでも遅れたくない。
そう思いながらてくてくてくてく進む。すると正面に見覚えのある建物が見えてきた。New York Public Library(ニューヨーク公共図書館)だ。

見た瞬間、すぐにわかった。テレビや雑誌、ネットで何百回と見てきた外観だったから。おトイレついでに入ってみることにした。

外階段を上がりつつ、New Yorkにいることを喜びながら中に入ると、手荷物検査があり、鞄の中を見せることになっていた。なるほど、セキュリティチェックは必要だ。パスポートを持っていなかったので断られるかもしれないと思いつつ、がまぐち型のポシェットをガバッと開けて見せ、通過した。

あれ? お金はどこで払うのだろう? いくらかかるのだろう? え? 無料? けれど誰もいくらも請求してこない。ま、言われたら払えばいいか。そして、顔を上げて周りを見渡してみると、うぉぉぉ、天井が高い。空間が広い。コンクリートの彫刻が繊細で、照明もレトロ。古いけれど何とも趣のある素敵な場所だった。

何となくハリーポッターの魔法学校のような雰囲気。実際に勉強している人やパソコンを使っている老若男女で、席は埋まっていた。

とても広く、休憩する場所がたくさんあった。ある休憩室はホテルの結婚式会場ほどの広さもあるような場所に、テーブルとイスがあり、自由に休憩できるようになっていた。

でかいなぁ。こんな広い図書館は今まで入ったことがない。日本の小さな図書館しか知らないので、驚いた。
ただし、静かだけれど、私が勉強するには不向きに思えた。こんなに素敵な彫刻や絵画がたくさんあって、素敵な雰囲気では、見とれて酔いしれてしまい、気が散って集中できそうにないからだ。どこからか〝勉強してから言え〟と声が聞こえそうなので、おトイレをお借りして出ることにした。

私がお借りしたおトイレは、建物の端にあったようで、外に出ようと1階に下りると、入ってきた出入口とは全然違う場所に来てしまった。
大きな正面とは違い、扉1枚の狭い出入口に、守衛さんとセキュリティらしきおじちゃん2人がいた。
見るからに出入口だが、通っていいのかどうかわからず、扉近くを2、3往復してみる。うろついていた私に気が付いてくれたおじちゃん2人は、出入口に手を差し出しながら何か話しかけてくれた。
きっと〝出口はこちらですよ、どうぞ〟と言ってくれたのだと思う。内容が合っていようが間違っていようが、とりあえずここは、
「Thank you」
と言って外に出た。

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