#50・・・Bryant Park・迷惑な客・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月3日(土)3日目・・・9

New York Public Library(ニューヨーク公共図書館)を出ると、すぐお隣にあるBryant Parkの出入口だった。〝おお、ここかぁ〟外からではあるが、しみじみと眺めた。Bryant Parkは、私が勝手に聖地であり約束の地だと思い込んでいる企業のSNSによく出てくる公園だ。

ブライアントさん

ホリデーストアがズラリと並んでおり、芝生だと思っていた地面が、スケートリンクになっていた。
週末ということもあったのか、元々賑わっているのかはわからなかったが、何とかぶつからず滑れる程度に混み合って、たくさんの人がスケートを楽しんでいた。
驚いたのは、小さな子どもからおじいちゃんまで、年齢性別人種関係なく、
スケート靴を履いて滑っていたこと。
これがもし日本だったら、まずおじいちゃんおばあちゃんの姿をリンク上に見ることはないだろう。年齢、性別、人種がごちゃ混ぜなNew Yorkの特徴が大好きだ。
リンクサイドで見ていると、皆、笑顔で楽しそう。今度冬に来ることがあったら、英語のわかる人と一緒に来て滑ってみたい。
次の楽しみの1つに残しておこう。

リンクサイドをぐるっと一回りした後は、ホリデーストアをのぞいてみた。アクセサリー、鞄、帽子、キャンドル、Tシャツなど、色々な物を売っていた。私に物欲がないのと、日本でも見かけるものが多く、これといって惹かれるものはなかったが、飛び交う英語と、人々が日本人ではなかったという雰囲気だけで、充分に楽しめた。

公園の上空には青空が広がってはいたが、ビルの陰になり、スケートリンクには陽は差していなかった。
日向がいいなと思いながら、空腹を感じたので、何か食べることにした。
食べるといってもレストランに入れる英語読解力も会話力もないので、パーク内の屋台を見て回り、美味しそうなパンを見つけて列に並んだ。

20種類ほどの、美味しそうなパンが並んではいたが、見た目だけではどんな味かわからず、さりとて聞くことも出来ず、聞いたところで答えてもらっても理解できない。
仕方なくチョコチップのような、黒いブツブツとしたものが練り込んであり、もっちりとして美味しそうに見えたパンを、
「that」
とだけ言って、右手の人差し指で指し示した。カウンターの若いおねえさんは優しく微笑みながら、私が指差したパンを差し返す。
「yes。and……」
ドリンクを頼みたかったが、これまたパッとメニューを見ただけでは何が何だかわからない。唯一Chocolate drinkが読めたので、指差しして注文した。

そしてお会計。金額は忘れてしまったが、細かい端数が出た。小さながま口型小銭入れを開けたが、どのコインを渡したらいいのかわからない。
そこでカウンターの上にバーッと小銭をばらまいて並べた。
おねえさんは必要なコインを指ではじき寄せ、
「OK」
と言って優しく微笑んでくれた。
私は明らかに迷惑な客だった。でもこんなに有名な公園&観光地なら、他にも私のような客はいるはず。おねえさんだってきっと慣れているだろう。
私だって好きで迷惑をかけているのではないので、申し訳ないと思いつつ、仕方がないとも思った。
「Sorry、I’m Sorry」
何度も何度も謝った。その度におねえさんは優しい笑顔で、
「No problem」「Don't worry」
と返してくれた。

私には、おねえさんが高校生くらいのアルバイトに見えた。
純粋に対応してもらっている感じを受け、正直ホッとした。

私の後ろにも列はできていたが、誰も急かさなかったのは、New Yorkerの大らかさなのだろう。日本なら確実に、後ろから舌打ちやイライラ光線が飛んできたであろう場面だった。

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