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今日の気分は濃厚なクラシックを聴きたい 日のための音楽 #37

今日にぴったりな、今日のための音楽

フランツ・シューベルト(1797-1828)  /  弦楽四重奏 第14番 ニ短調

とても久しぶりになってしまった。
何かをするスイッチを音楽でつくっている(かえている)人ってとても多いと思うけれど、わたしはそれがいつもクラシックである。

今日の気分は濃厚なクラシックを聴きたい日のための音楽

『歌曲の王』という別名を持つフランツ・シューベルト
そう呼ばれるほどに多くの作品を詩に基づいて作曲してきた。
たとえば彼は、同世代であったゲーテやシラーを多く使っている。
しかし今日は、彼の歌曲以外の音楽に触れてみたい。

これは弦楽器のために作られた作品である。4つの楽章からなる第14番は、すべての楽章を短調で書かれている。
それはとても珍しいこと。複数の楽章からなる音楽は大抵、長調も短調もバランスよく使われる。しかし彼はこの作品を全て短調のみで作曲した。それは彼の人生においてあまり順調ではなかった頃につくられた作品だからである。
短調というのは、基本的に暗く不安やエモーショナルをあらわしている。

第1楽章 Allegro
第2楽章 Andante con moto 『死と乙女』
第3楽章 Scherz Allegro molto 
第4楽章 Presto 

この作品は別名『死と乙女』とも呼ばれている。それは彼の自作の歌曲である『死と乙女』のメロディーが2楽章に使われているからである。
ちょっと日本語にして聞いてみるととても暗いイメージを持つかもしれない(シューベルトといえば音楽の授業の時に習った『魔王』を思い出してしまう人も多いと思うので)けれど、この作品もそういうわけではない。病気で死を目の前にした女の子に、死神が語りかけている詩である。(あ、ここまで言ってみても不気味)
死神といっても、怖いものではない。苦しむよりも死は眠るように心地の良いことであるというドイツにある昔からの考え方を表している。
というわけで、この2楽章もとても美しいメロディーが聞こえてくる。




モーツアルトやベートーヴェンの音楽を尊敬試合していた彼は、ベートーヴェンが亡くなった時にとても落ち込んだそう。
自分が将来の音楽家たちのために与える影響はどんなものがあるのか?と

しかしそんな彼の作品にはその後登場するロマン派の作曲家たちに大きな影響を与えている。

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