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革命の渦中に生きた音楽家、シベリウスを聴く ための日 #19

今日にぴったりな、今日のための音楽を紹介

ジャン・シベリウス(1865–1957) /   交響詩『フィンランディア』

めっきり革命史にハマってしまっている(というのはレ・ミゼラブルに感激したあの時からである)基本的にライフワークみたいにして歴史について考えることが毎日の楽しみではあるけれど、革命って、はあ、本当に本当に、ロマンチスト(!)
なんていうことは当時の人びとにしてみたら不謹慎かもしれないけれど、明るい未来に希望を感じたモノたちの、そう、ロマンスではないだろうか?
すこし前に見た演劇の中で、芸術家は革命を静止させるために革命を生むというセリフを聞いた。革命はいまどこで起こっているのだろう?生きている間にあたらしい革命に出会える瞬間はくるのだろうか?もしかするといまも動き出しているのだろうか?わたしたちはその渦中にいるのだろうか?


革命の渦中を生きた音楽家、シベリウスを聴く日のための音楽

フィンランドの最も偉大な作曲家として知られているジャン・シベリウス。
彼が生きた時代のフィンランドはまだロシア帝国の支配下にあった。そしてその圧力に苦しんでいたフィンランドの人たちはついに独立に向けて動き出す(これぞロマンス!)『フィンランディア』は、その独立運動をテーマにした新聞主催の舞台劇の音楽として生まれた。最終場面の「フィンランドは目覚める」という場面のためにシベリウスはこの曲をつくったのだ。
きいてみるとわかる通り、ものすごく暗く激しい。そして最後は戦いに打ち勝ったシーンを安易に想像できるような明るい賛美歌がきこえてくる。物語性が強く、10分弱の短い曲の中で感情が大きく揺さぶられてしまう作品である。

もともと愛国心あふれる音楽をつくる作曲家が好きだが、そのなかでもシベリウスはお気に入りである。しかしこの曲は彼の音楽のなかでも他とは違う、その渦中にいたからこそ生まれたのだと確信できるようなメッセージをいくつも感じる。

もしかするとわたしは、祖国への愛や希望を想うことへの憧れや、そう、ロマンスを感じているのかもしれない(おお気づけばロマンチストを語るエピソードになってしまった)


こういう祖国をイメージする音楽を聴くなら、やっぱり現地のオーケストラが一番うまい。ということでヘルシンキ・フィルハーモニーの演奏をどうぞ

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