お気に入りのヴァイオリンソナタを聴く日。 のための曲 #13
今日にぴったりな、今日のための音楽を紹介
セザール・フランク(1822–1890) / ヴァイオリンソナタ イ長調
ところでこないだ久しぶりに電車に乗った、ものすごく不思議な感覚だった。
わたしは居心地がわるくて、知らない誰かと隣にいて、自分の力だけじゃいけない距離(歩くこと)のところへわざわざ向かうことにすごく違和感を感じた。そんな四角い箱に乗りながら、わたしは大好きな曲を聴いていた。
あなたの一番好きなヴァイオリンソナタはどれですか?
という質問をされても困ってしまうけれど、わたしのなかで、間違いなく候補にあがるのはフランクのソナタ。(名曲ですね)この曲を初めて聴いたときは、フルートに編曲されたもののほうで、なんてエネルギーに溢れている曲なんだろう!と感動したのを覚えている。
後になってこの曲はフランクが同郷(彼はエルギー生まれ)のヴァイオリニストである、ウジェーヌ・イザイの結婚祝いに作られたと知ってさらにびっくり。結婚祝いにしては、大曲すぎるというか、なんというか。。。
とにかくフランクの作品の中でも大当たり!した曲であることは間違いない。
4楽章をとおして、”ヴァイオリンソナタ”というよりは、”ピアノとヴァイオリンのための室内楽”という感じでふたつの楽器の絶妙な混じり具合がとても美しい。
決してピアノが伴奏に徹している感じはなく、いい意味でぶつかり合っている、そのバランスも演奏においての大切なポイント。
完成度が素晴らしいこの作品は、彼が64歳の晩年のものである。
もしもわたしがヴァイオリンが弾けたとしたら、リサイタルの最後はこの曲を情熱をもって弾ききりたいなあ、と密かにプログラムをたてる(弦楽器なんて、ウクレレすら弾けないけど)
ちなみに一番好きなのはたぶん、いまのところプロコフィエフのニ長調。でもお気に入りってそのときの年齢や状況で変わってしまうよね
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