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【読書記録#99】 日本医家伝

<2023年10月10日にインスタに投稿したものをシェアしています>

日本医家伝
吉村昭 著

吉村先生は、冬の鷹(前野良沢)、北天の星(中川五郎治)、笠原良策(雪の華)、高木兼寛(夜明けの雷鳴)、楠本いね(ふぉん・しいほるの娘)など何人かの医家の生涯についての作品を書いておられる。

本書は、彼らを含めた、ただ一心に医学を志した12人の日本人の人生を描く短編集になっている。

1)山脇東洋(1706-1762)
2)前野良沢(1723-1803) 冬の鷹
3)伊東玄朴(1801-1871)
4)土生玄碩(1762-1848)
5)楠本いね(1827-1903)ふぉん・しいほるとの娘 上・下
6)中川五郎治(1768-1848)北天の星 上・下(読了)
7)笠原良策(1809-1880) 雪の華 (読了)
8)松本良順(1832-1907)暁の旅人
9)相良知安(1836-1906)
10)萩野ぎん(1851-1913)
11)高木兼寛(1849-1920)夜明けの雷鳴 
12)秦佐八郎(1873-1938)

父が外科医で、大叔父、大叔母、従兄弟叔父も外科医や小児科医であったのと、特に江戸時代から幕末にかけて活躍した医者について興味を持ったのがきっかけで読んでみた。

山脇東洋の伝記で、彼の二番目の奥さんが武家の出身で、彼を蔑んでいたくだりを読んで、江戸時代は医家の身分が低かったことに驚いた。

中には後にお金に執着する者もいたが、全体的に見ればそれぞれ高い志を持ち、人のために役に立ちたいという思いが強く、今と違って、いろいろな制限のある中で、苦労を重ねられていた姿に心を打たれた。

杉田玄白は、歴史教科書でも紹介される程であるから、おそらく日本で一番有名な医家だと思うが、前野良沢の伝記で描かれていた彼の姿は、あまりにも薄情でがっかりした。

吉村先生が一冊の作品にして書いておられるのも6作品のうち、2作品は読了済みだが、残りの作品も積読本として待機しているので、これからゆっくり読んでみようと思う。

余談だが、日本には私立で学費だけはバカ高くて、バカ息子・娘が通う医師国家試験の合格率を上げるために、留年させたりするような帝京大医学部、獨協医大、川崎医大などが存在する。

日本のように偏差値に差のある医学部がある国は珍しいと思う。

また、最近いくつかのクリニックや病院のホームページのプロフィールに卒業大学名を明かさない医者がいるのを目にする。その時点で、5流大学を卒業したのだろうと推測するが、医学部のFランク的なバカ大学は、少子化によって淘汰されるべきだと思う。

これから、真面目に医者を目指す学生の方に特におすすめの一冊。

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