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#84 経営にシナリオを取り入れる Entrepreneurship #4

Twitterまんがの「社長と魔法のランプ」とのコラボ企画の第4弾,今回は起業時点でも役に立つ「シナリオ・プランニング」の考え方について,簡単に書いておきたいと思います。

ビジネスはギャンブルではない

ビジネスシーンでは,幸運の女神は前髪しかない,というメタファーをよく耳にします。これは,チャンスをつかむ機会は一瞬のことであり機を見て敏に行動しなければならない,という戒めです。とは言うものの,考えもなしに美味しい話に飛びついて痛い目にあった経営者の話などは,枚挙にいとまがありません。

ビジネスはあくまでも確率論であり,期待値の高い方を選択するというのが常套手段です。したがって何も予測もなしに「一か八かの賭けに出る」というのはギャンブルでありビジネスではありません。ただし将来予測に100%ということはないので必ずしも確率の高い方が正解という訳ではなく,また選ばなかった選択肢の方が正しかったかどうかを確かめる方法はなく,そういう意味では「経営は意思である」ということが言えるでしょう。

VUCAの時代の意思決定

ハイリスク・ハイリターンというようにリスクのないビジネスはないというのは当然のことですし,リスクとリターンのバランスを考慮して意思決定するのが経営者の仕事でもあります。しかしながらVUCAの時代と言われる現代は,リスクが読みにくい状況にあります。それでは,そのような状況下で経営者あるいは起業家はどのように経営判断をすればよいのでしょうか。

P. ドラッカーは,「重要なことは未来において何が起こるかではない。いかなる未来を今日の思考と行動に織り込むか,どこまで先を見るか,それらのことをいかに今日の意思決定に反映させるかである」と言っています。発生率が低くても経営に重大なインパクトを与えるリスクを把握して,それに対応できるように変化適応力を向上させておくことが大切です。つまり,経営とは「環境変化に対応し経営資源を適切に配分すること」であり,そのために変化に気づくセンサーや迅速に動くフットワークを鍛えておかなければならない,ということなのです。

シナリオ・プランニングという考え方

「神よ,思い煩うべきことと,思い煩わざるべきことを⾒極める知恵を,どうか私にお与え下さい」これはアビラの聖テレサの有名な祈りの言葉です。シナリオ・プランニングとは,予測可能な将来ではなく,予測が不可能だけれども発生したら重大なインパクトを与えることをシナリオとして,対応できるように準備をしておく,ということです。

予測からシナリオへ

いざという時に動的な意思決定ができる経営者の条件は,①視座か高く一貫した長期的な見通しがある,②視野が広く幅広い知識とネットワークを持ち様々な分野の橋渡しをする,③全体最適的な視点と局所に強い現場の視点を同時に持っている,ということです。こう書くとスーパー経営者のようですが,「視座は高く,視野は広く,視点は鋭く」を常に意識し習慣化することを心掛けるとよいでしょう。

今から20年ほど前,今や有名なYouTuber 経営者が当時発した「想定内」という言葉が流行語大賞になりました。実は筆者が独立起業したのはその頃で,何も「想定内」に事が運ばずいろいろと大変な想いをしました。それでもいつも考えていたのは Fatal Story=最悪のシナリオは何か,ということで,きっとここでこけても命までは取られない,と思って若気の至りでいろいろと無茶をやっていました。ただ,今筆者はこうして生きています。きっと「想定内」ではないいろいろな変化を楽しみながら,歳を重ねてきたのだと思います。

社長お助けランプの精G. G.

中小企業お助けまんが「社長と魔法のランプ」

正しいことより「適切なこと」に重きをおく,プラグマティックな実践主義コンサルタントです。経営の鬼門はヒトとカネ,理屈ではなく現実を好転させることをモットーとしています。 お問い合わせは,https://prop-fc.com/mail/mail.html