見出し画像

HRが押さえるべきポイント

HRとして日々仕事をする中で、自分が気を付けていることをまとめてみようと思う。これを書こうと思った背景としては、Twitterで「ミッション→全社戦略→事業戦略→人事戦略って考え方大事だよね」という内容をリツイートさせてもらうと、意外と多くの方から反応があったこと。おそらく同じような問題意識を持っている人がいるのだろう。ここでは自分なりの言葉で「HRが押さえるべきポイント」を3点書いてみようと思う。

◆目次
・上位概念との整合性
・社内での横ぐしでいること
・マルチリンガルでいること


◆上位概念との整合性

HRが社内で単独で存在することは決してない。HR(HRM)は経営の目的を達成するための手段であり、常に上位概念との整合性を意識しなければいけない。

会社の場合、ビジョン→全社戦略→事業戦略→人事戦略(ここがHR)という具合だ。人事戦略はもっと上位(例えば全社戦略)に位置付けるべきという議論もあると思うが、あくまでここでは目的を達成し戦略を実現するためにHRがあるということを伝えるために、あえてこの位置に置いている。

社員や候補者(学生など)と話をする機会が多いと、どうしてもそちらの意見に流されてしまうことが多いと思う。誤解がないように言うと、社員の声に耳を傾けることがダメというわけではない。現場の意見をもとに改善案などを考えると、往々にして部分最適、個別最適なものが出来上がる。これではHRとして機能しているとは言えないと思う。

採用においては、流行りの採用スタイルというものがある。例えば最近だとリファラル採用など。これ自体を否定するわけではないが、流行っているからという理由でそのまま自社で取り入れてもうまくワークはしないと思うし、流行りを追うことに意味はないと思う。

やはり大事なのは、戦略を実現する組織をいかに作るかということだ。HRは戦略を実現するために人を採用し、その人たち(社員)がパフォーマンス出せるように組織や制度をデザインしてくことが仕事だと思うので、常に自分たちの役割とその上位概念を意識するようにしている。


◆社内での横ぐしでいること

組織デザインの話とつながる部分もあると思うが、HRは各チームや部署を横ぐしで通せる存在であるべきだと思う。

会社組織はある程度の大きさになると、チームや部署などでどうしても縦割りになるところが出てくる。うちの会社の場合は、開発チーム別で分かれている。これは業務を行う上で必要なことであるが、会社のビジョンや考えが浸透しにくかったり、末端の動きが見えづらいや、部分最適な考えになるなどの弊害も発生する。

そこでHRは会社のビジョンなど考えを各所の末端まで伝える(会社がいまどのような状態で、何をしようとしているのか)必要がある。イメージ的には、階層型組織図の各レイヤーを横に貫く感じ。

これをすることでのメリットは大きいと思う。自分も経験があるが、自分と会社の距離が離れていると、人は目の前のことばかりを気にするようになり疲弊してしまう。なんのために仕事をしているのか分からない状態だ。HRがきちんとコミュニケーションをとることで、個人のモチベーションアップ、定着率アップ、会社の考えが浸透し社員が自分で判断できるようになるなど、メリットは大きいと思う。


◆マルチリンガルでいること

これは、「最低でも3つ、日本語と英語、そして中国語を話せ!」と言っているわけではない。それぞれのポジションに人にふさわしい言葉で話そうということだ。

経営者には経営の言葉で、エンジニア/デザイナーには彼らの世界観の言葉で、学生には学生にもわかる言葉で話すことが必要だ。これを誤ると、相手は一気にシラけるか、心を閉ざしてしまう。

うちの会社の場合エンジニアが多く在籍しているため、自分の伝えたいことを彼らのよく使う言葉に変換して発信するようにしている。逆に言葉を使い分けることができると、相手から共感してもらうことができ、「HR担当者」ではなく「仲間」として認識してもらうことができる。そうなると心を開いてくれて彼らの問題意識や心の内を語ってくれる。そこをうまくモチベートして個人の方向性と組織の方向性をアラインしてあげることで会社全体の一貫性を担保でき、戦略実現に向けてプラスの影響を与えることができる。


細かい点を挙げるとまだまだあるが、今回はその中でも大事だと思うことを書いてみた。


2019年1月24日 永田勇気

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?