見出し画像

【保育の場から】一口だけ食べなよ(好きかもしれないよ)

保育の仕事で、子どもの人権を守れているかどうか、というチェックシートを毎月やっているんです。

その中の項目のひとつに「無理やり一口だけ食べさせる、ということをしない」みたいなのがあります。

これ…保育士の方、守れていますかね?
毎月やってるチェックだけど、同僚と先日この項目についての話になりました。

乳児さんの場合、月齢や成長の度合いによって以前食べられてたものが嫌いになったり、好きなはずの食材でも食感が嫌で出すとか見た目がなんか嫌という理由で決して口にしないとか、いろいろ。
もちろん個人差もあって、食事に関しては保護者の方も頭を悩ませていることが多いです。

ここからは個人的な見解と、先日同僚と話して考えた話なのですが。
何度も挑戦して食べたことはあるけどどうしても食べたがらないものは、もう食べなくていいじゃないか、と思ってます。
だってそれは本当に嫌いなんだもの。
食べる気になるものを食べたらいいじゃないか、て思う。
その分の栄養は、他の食材でだいたいまかなえますよ。
それに、ある日急に食べられるようになったりもします。
(私は大人になってからピーマンが大丈夫になった)

ただ、好きそうなのに見た目で食べてくれないとか、まだあまり食べ慣れていないものなんかは、「一口チャレンジ」の意味があるんじゃないかと思う。

以前うちの一時保育室に来ていたお子さんで、食事の見た目の好き嫌いがはっきりした子がいました。
見た目的に嫌なものは頑として食べない。
椅子に座ったまま真顔で、とんでもなく上半身を後ろにのけぞらせて拒否するんです。(可愛いんだこれが、危ないけど)
組み合わせ的に好きなはずだが…みたいなのは、それでも隙を見てちょっとだけ口にそっと入れてみようと試みる。
それで水分の部分がほんの少し口に入ったとき「あれ…美味しいじゃないの」みたいな顔をすることがあるんです。

その反応を見たら、一口すくって「食べる?」と差し出すと、結局完食。
そんなことも何度かありました。

果物をほぼジュースでしか摂取したがらない、という子もいました。
そこでおやつに出たオレンジで職員が試したのが
「ほら、オレンジジュースだよ~」
と言ってスプーンでオレンジを一部潰してジュースを出してそこだけ口にしてもらうこと。
それで安心したところで、果肉部分を徐々に増やしてあげるってことでした。
今ではその子、果物大好きです。

まぁこれはたまたまうまくいったものでして。
もし食べてみた結果、やっぱり食べたくないなら無理強いはしません。

以前いた保育園もそんな感じの方針で、私もそう思ってて。
今の一時保育室でも、どうやら同じ感じの考えの方ばかりのようで、そのように進めています。

保育園だと、他の子の存在が影響して食べられる、という話もよく聞きますね。

いろんな食材を口にするチャンスは保証しつつ、子どものそのときの気持ちも尊重する。
むむぅ……おうちではなかなか難しいですよね。
せっかく作ったものが食べてもらえないと、もう出さないぜってなっちゃいそう。
理想は理解しつつ、おうちでは事情に合わせながらなるべく頑張る、みたいな感じでしょうか。

皆さん、本当にお疲れさまです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?