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【保育の場から】あの子の現在の姿をお伝えしたいんです

以前にこの↓記事で取り上げた、‘初めて会ったお子さんに「おぉっ」と’思ったというあのお子さん。

あれから3ヶ月余り。
あの子は、現在も月に2~3回ずつくらい一時保育室に来ています。

記事に書きたくなるくらい、最初の何回かは正直大変でした。
集団生活に慣れていないどころじゃない。
行動を抑制されることに慣れていなさすぎて、たくさん泣いて叫んで大暴れでした。

ちょっと心配だな……なんて、正直思いました。

だけど。
現在の姿をお伝えしたい。
ってことは、そう、あの子は大いに成長したのです。

現在あの子は
保育者の言葉にしっかり耳を傾け聞こうとします。
「それは○○ちゃんが使っているよ」と伝えると、「そっか」といった感じでさらっと離します。

トイレに行こう、と言えば手にしていたおもちゃを置いて立ち上がり保育者の手を握ります。
ごはんですよ、とエプロンをテーブルに置いて見せ「こちらへどうぞ」と椅子を指し示せば、自分で来て座ります。
エプロンをつけようとすらします。

してはいけない動きを止められても、暴れるようなことはなくなりました。(泣くことはあるけど)

少し年上の子と一台の車を往復させてやりとりして遊んでいたときは、年上の子がカウントして「スタート!」と言うのを覚えてスタートを待っていました。

本当に見違えました。感動です。

私たちは特別なことはなにもしていません。
なにか頑張ってポイントをあげるとしたら、
「あきらめなかったこと」と
「ゆっくり進めたこと」くらいでしょうか。

一時保育室だしもうこの子は仕方ない、とか思わずに毎回必ず望ましい方法を伝え続けました。
たとえば片付けなら、おもちゃを手渡して「終わったらここに入れてね」から始める。

あまり強固にやり方を押しつけても反発を生むだけなので、一時保育室を嫌いにならない程度に進めました。

食事でいえば、最初はもう膝の上でもおもちゃ握りながらでも興味が出たら食べる。
次はどうしても食事の席におもちゃを持って行かないといられないなら、それは許す。
だけど手からは離してテーブルの上に置く。
食事に注意が向いたらそっとおもちゃは隠す。
…といった具合です。

そんなことをしているうちに落ち着いてきて、いろんなことができるようになってきました。

それに他のお子さんの存在はとても大きかったと思います。
他の子に興味があり、よく観察していました。

そしてやはり、場所や人に安心できるようになって、本来の力が発揮できるようになったのだと感じています。

きっと子どもたちは、できるようになるに違いない。
その子によってかかる時間や適した伝え方は異なるかもしれないけれど。
我々は、それを信じて地道に力を注いでいくだけなんだなと、あらためて実感させられた出来事になりました。


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