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茶道を続けるきっかけたち。

6月になった。
今まではエッセイを中心に書いていたが、今月はテーマを決めて、「茶道」を題材にして、いろんな角度から茶道を考えてみたい。丁度8年ほど茶道を続けてきて、「どうして茶道をやっているのか」「これから茶道とどう向き合っていくのか」考えたいと思っていたので、これを機に、考えてみようと思う。
手始めに1回目は、茶道を始めたきっかけについて語る。

茶道を始めたきっかけ:大学のサークル・母の勧め

何ともありきたりなきっかけだが、茶道を始めたのは、大学のサークルだった。母親が茶道をやっており、私は茶道はきっと好きになると思うといわれ、何げなく入った。高校までの運動部生活を続けるか迷ったが、勝ち負けにこだわるのにとても疲れていて、大学でも続けようと思えなかったので、茶道部に見学に行き、そのまま入部した。たまたま同じ授業をとった友人が興味があるといってくれたおかげで、体験に行こうと思い立ち、友人と連れ立って茶道部に体験入部した。その友人がいなかったら、私はめんどくさがって、行かなかったと思う。よく誰かが言っている事だが、ここまで続けることになろうとは、思いもしなかった。なんでそこから続いたのかというと、その時々に続ける理由があったからだと思う。
はじめの理由は、ただ友達が欲しかったからだ。

理由①:寂しさが埋められたから。

お稽古は週1日しかなく、学業とも両立させやすかったので気軽に参加できた。大学の同じ学部で気の合う友達もあまりおらず、一人暮らしでさみしかったのでサークルに行くことで寂しさを紛らわせていた。運動部の時よりも上下関係が厳しくなく、やりやすいこともあって、人間関係にもそこまで悩まず、サークルに行くことができた。

理由②:部活内の役割があって辞めにくかった。

入って1年たつと、部活の中でいろんな役割を任されるようになる。
部員に部活を楽しんでもらうため、様々な行事を企画するが、参加するのは楽しい反面、準備する側はとても忙しい。役割があると、その途中でやめられないし、もともと負けず嫌いの私は、途中で始めたことを投げ出すのがとても嫌だったので、根性でつづけた。あまりこのころは茶道が楽しい、というより義務感で茶道に通っていた。

理由③:3年まで続けたので、最後までやろうと思った。&得意だった。

3年の終わりになってくると、役割も後輩に引き継がれ、自分が出てくる幕はほとんどなくなった。先輩といわれて楽だし、最後の1年の思い出作りにもう少し頑張ってみようと思えた。せっかく続けていたことなのだから、もう少しやれば、4年間やっていました、といえるしせっかく継続したのだから、という思いがあった。
そのころには基礎の一通りのお点前はできるようになっていたし、お稽古にも参加していたので、そこそこ得意と思えるようになっていて、続けやすかった。

理由④:誘われた・自分ができることをやりたかった。

4年間やっていたが、仕事を始めたからも続けようとは考えていなかった。続けようと思うとそれなりに時間とお金が必要で、決めかねるところがあった。しかし、大学で教わっていた先生がお稽古に誘ってくださって、改めて茶道の楽しさを感じ、続けてみようかな、と思えた。また、そのころ新卒で働き始めた会社が肌に合わず、大変悩んでいた。自分に自信も無くして、何もできないという無力感にさいなまれていた。少しでも「できる」自信のある事がやりたかったから、茶道をもう一度やってみようかな、と心がそちらを向いた。

理由⑤:自分の居場所になった。楽だった。

当時仕事で悩んでいたが、仕事のことを忘れられる場所だった。
たくさん愚痴も聴いてもらったし、とりあえず私にはここで元気になれる、と思えた。ほかの人に会って自分の悩みを聴いてもらえて、心が楽になった。この時期は特に、茶道に、この場所に、とても助けられていたと思う。

理由⑥:「継続は力なり」を感じた。&茶道に興味を持つようになった。

8年も継続してやっていると、だいぶ慣れてきて、お点前も一通り覚えることができるようになったし、茶道の面白さにやっと気づけるようになった。
一向に完璧にお点前ができることはないけれど、完璧が良いのではなくて、完璧を目指す姿勢や鍛錬が重要なのだと気づくことができたし、自分が不完全だと認識もできた。
また、ここに来てやっと、茶道に興味を持つようになった。
お茶会に行ったりと雰囲気を楽しむことは好きだったけれども、積極的に努力して知識を得ようと思っていなかった。「勉強しよう」とか「本を読もう」とか思うようになったのは、ここ最近である。勉強することで自分の茶道の世界を深められることを知った。お茶碗とか茶杓とか、お道具一つ一つに歴史があるので、この辺の解説もこの1か月の間でどこかで取り入れられたら良いと思っている。

最後に:続ける理由を掘り起こして、気づいたこと。

その時々で、様々な理由に助けられて、ここまで続けてこれた。
書く前には、自分の意志でつづけてきた、と思っていたけれど、案外そんなことはなく、自分の周りの環境に影響されながら、流されてきたな、と思う。自分の時間を茶道に割くかどうか、常に向き合っている感覚がある。
強い意志を持ってやり続けていたわけでは正直ないけれど、そういうものにこそ、自分のできる事・強みが隠れているのかとふと考える。自分の何が茶道に合っているのか、いまいちよくわからないけど、深いご縁があるのは確かだと思う。

さて、そこまで続ける茶道の魅力って何だろう?と思った方もいるかもしれない。明日のテーマは「私の考える茶道の魅力」で書こうと思うので、よければ明日も読んでいただけると嬉しい。今日はここまで。

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