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す:素敵な朝の条件。

最近、youtubeのVlogで、モーニングルーティンを見ることが多くなった。
今日は思い立って、朝の時間のお話を書きます。

案外朝の過ごし方は人それぞれで、
youtubeを見ると「まねしたいな」が見つかるので、
素敵な朝を過ごすために、どんなことができるだろう、と
いろんな方のyoutubeを見ている。

ほかの人の朝は、なかなか話にも出ないけれども
見てみると面白いしおしゃれな気分になれる。
私も今までで素敵だなと思った朝を思い出したので、
書いてみたい。

大学生の時、海外に1か月留学に行っていたことがある。
一人暮らしの経験はあるものの海外に1人で一か月住む、というのは
案外不安なもので渡航前はドキドキだった。寮に1か月滞在する予定だったが、どんな寮なのか、相部屋なのか、間取りはどんな感じなのか、全くつかめないまま渡航の日を迎えた。

渡航する際にも、いろいろあったのだが、長くなるので割愛。
寮に着いた1日目は、疲れてしまって相部屋だったイギリス人の女性に挨拶したくらいで、モノを片付け、近くに併設されている大学で簡単な手続きとテストを済ませてから、ゆっくりと休んだ。

翌朝、時差や慣れない環境もあり、私は少し早く目が覚めた。
夏といえど、ヨーロッパは20度以下の気温で、
半そでだと少し寒いくらいだった。
同室の女性はまだ寝ているし、授業までにはまだ時間がありそうだったから、少しで歩いてみようと、私は身支度をして外に出かけた。

宿泊する寮は、ヨーロッパということもあり古い建物で、
各フロアに3,4室と共同キッチン、シャワールーム、お手洗いがあった。
それらを通り過ぎて1階の受付に向かう。
受付でカギを預けるシステムで、
朝早くから当番のおばさんが来てくれていた。
軽く挨拶をして、外へと続く細い通路を通り、扉からでる。

行先は、寮の裏手にあるお城である。
寮の位置を見た時から近くにお城があると知り、いってみたい、と常々思っていたのだった。石畳の坂は意外と上りづらくて、スニーカーであるにもかかわらず、足がくたびれ始めていた。1日目からこんなことなら、明日からどうなるだろう、と不安に思いながらも、せっかく来たのだからと自分を奮い立たせる。

方向感覚には自信があるので、どんどん上っていくと、お城の近くに難なくついた。朝早いというのに、人がまばらに歩いていた。
すこし先に行ったところに駅があると地図にはあったので、
そこから人が流れてきたのかもしれない。

人々の歩いているところをたどっていくと、大きく開けたところに出た。
そして、目の前には朝の光に染まっている街全体が広がっていた。

初めて見渡すヨーロッパの景色。
赤い屋根がだんだんと並んでいて、
曲がりくねった川が街を横断している。
ちらほらと見える観光名所・歴史的建造物の数々。
月並みな言葉だけど、写真で見たままの世界がそのまま広がっていた。
1日目からこんな景色を見られるなんて、なんてラッキーなんだろう。
そう感じたことを覚えている。
写真は残っていないけど、今まで記憶に残っている風景である。


上手に表現できたか、といわれると難しいが、
これが私が素敵だなと思った朝である。
海外に来ているとか、偶然の産物だとか、
私の朝をよくしてくれたものがいくつか重なって
よい経験ができた。

本当は足が疲れたとか、これから1か月うまくやっていけるかとか、
不安だらけだったけど、私のショートビジットの始まりを
彩ってくれた体験だと思う。

なかなか「いい体験」には巡り合わないけど、
(努力で何とかなるものでもないと思うけど)
こういう朝を思い出して、
ふっとよくなることを期待して毎日生きるのも、悪くない。






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