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子供の頃に絵本を読んだ楽しさ 「出久根育展」@吉祥寺美術館

先日、武蔵野市立吉祥寺美術館で開催中の
「出久根育展 チェコからの風 静寂のあと、光のあさ」
を見に行ってきました。
(写真は展覧会ちらしと撮影OKエリアで撮影)

これまで出久根さんのことを存じ上げなかったのですが、開催前から展覧会の情報を見て、その不思議な雰囲気の作品たちに会えるのをとても楽しみにしていたのです。

ポスターや展覧会ちらしで見かけてとても印象的だと感じたメインビジュアル
「わたしはしっているの」
は、今回の展覧会のために描かれたそうです。

展覧会サイトによると、
「画面手前のベリーの実の“赤”は…出久根を象徴する今までの“赤”とはまた異なる美しさを見せています。まさに、本展のサブタイトル「静寂のあと、光のあさ」を具現化したような、チェコの自然の静謐な空気や匂いまでもが伝わって来る作品です。」
とのこと。

この原画も展示されていましたが、赤はもちろん、グレーがかった青が月の光の下で静かに光をたたえているようで、見とれてしまいました。

展示されている約200点の作品は制作途中のスケッチや絵本の原画、マッチ箱の中に作った切り絵?など、さまざま。

有料の展示室に入る前の展示スペースにも絵本「ぼくのサビンカ」の原画やスケッチ、
「チェコの十二ヵ月 -おとぎの国に暮らす-」
の原画などが展示されていて、そちらは写真撮影もOK。 
(有料展示室内は撮影不可)

わたしと同世代の出久根さんは武蔵野美術大を卒業し、デビューされた後、国際的にも認められ、デビューから30年間、お仕事を続けられています。

2002年からチェコにお住まいなので、チェコの自然や文化を描いた作品も
多かったのですが、わたしが知らないチェコのお祭りや美しい自然の移り変わりなど、作品に次々に引き込まれていきました。

絵本の原画は、美しいだけではなく、書き込まれた細部にも楽しい発見や驚きが。

子供の頃に
「ここにこんなのがある!」
「ここもウサギの形がある!」
などと細かいところまでワクワクしながら絵本を読んでいたのを思い出しました。

「あめふらし」など、かなりシュールなグリム童話の挿絵も印象的でしたが、出久根さん自身の体験をもとにしたという
「わたしのおにんぎょうさん」
や、うさぎの一家のにぎやかそうな日常を描いた「こうさぎ」シリーズは見ていて楽しく、共感できる部分もたくさん。

開催は3月3日(日)までなので、もう一度見に行こうかと思っています。

気になる方も、お早めにどうぞ。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

*出久根さんはご自身も猫たちと暮らしているそうで、個性豊かな猫たちを描いた作品も素敵でした。


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