見出し画像

今だから心にしみる清々しさ 「憧憬の地 ブルターニュ」展

今、東京ではブルターニュをテーマにした2つの美術展が開催されています。

上野・国立美術館の「憧憬の地 ブルターニュ」展。

そして、新宿のSOMPO美術館の「ブルターニュの光と風」展。
(どちらも6月11日(日)まで)

まずは先日、上野の展覧会へ行って見ることに。

わたしはブルターニュについてあまり知識がなかったのですが、19世紀から20世紀初頭にかけて近代化が急速に進んでいた時代に、自然や独特の文化に彩られたフランス北西部のブルターニュに多くの画家たちが惹かれ、創作に訪れたのだそうです。

この展覧館では国立西洋美術館の所蔵作品のほか、国内外の所蔵先から集められたブルターニュをモティーフにした作品が展示されています。 

撮影可能な作品も多く、わたしも撮影しながら展示作品を楽しみました。

ターナー、モネ、ゴーギャン、ミュシャ、黒田清隆、藤田嗣治など、様々な画家の作品が。

ミュシャのブルターニュの民族衣装を身につけた女性の姿を描いた作品はいつもの作品とは違った雰囲気が。


ミュシャの絵を使ったお菓子の箱のデザインもすてきでした。

また、ゴーギャンが後にマルティニーク島やタヒチに向かう前にこのブルターニュから得たインスピレーションは大きかったようで、ポスターにも使われている「海辺に立つブルターニュの少女たち」は力強い自然の中でたくましく成長している裸足の少女たちの生命力を感じました。

最後の方に展示されていた藤田嗣治の「十字架の言える風景」からは、手の届く静かな理想郷のような雰囲気も感じて、しみじみと会場を後にしました。

わたしはパリなどのおしゃれな雰囲気を描いた作品も好きです。

でも、ブルターニュには海と山があり、時にはその自然の強い威力で命を落とす人もいながらも、(特に漁師の方が嵐で命を落とすことも多かったようです)伝統を受けつぐ人々の暮らしを描いた今回の展覧会はとても清々しく感じられたのです。

ですから、「今見に行けてよかった」と心から思えた展覧会でした。

当初はこちらの上野のブルターニュ展だけを見る予定でしたが、上野の展覧会が予想以上によかったので、SOMPO美術館の方のブルターニュ展も見に行くことを決めました。

そのお話は、また次回に。

今回も最後前読んでいただき、ありがとうございました。

*ちなみに、東京にお住いの方は「ぐるっとパス」を利用するとかなりの数の美術館や公園などに無料・または割引料金で入場することができます。

でも、ヤフオクやメルカリでは東京以外の地域の展覧会チケットも定価よりもお手頃な価格で入手できる場合があるので、
「あれもこれも気になるけど、予算が…」
という場合はチェックされると良いかもしれません。

カフェで書き物をすることが多いので、いただいたサポートはありがたく美味しいお茶代や資料の書籍代に使わせていただきます。応援していただけると大変嬉しいです。