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noteの規模が拡張してからの、チームとデザイナー像の変化

noteのデザイナーの松下です。

昨年はnoteのDAUが倍増するなど、サービスにとって変化が大きい年でした。

以前も、noteのデザインチームとそのサービスへの関わり方について記事を書きましたが、そこからおよそ一年が経過して、デザインチームの動き方も変化がありました。(メンバーも増えました!)

もはや、デザインチームというよりも組織自体に大きい変化が起きています。
この短期間でこの変化幅…このライブ感はなかなか味わえるものではなく、エキサイティングな日々を過ごさせてもらっています。サービスも、チームも、ひいては会社も、本当に生き物。フェーズが変わって、育ったり、ルールのアップデートがあったりするわけです。

また、事業の世界観が拡張されると同時に、求められる「デザイナー」像の世界観も拡張された一年でした。

この記事では、前半でチームとしての変化。
後半で、求められるデザイナー像の変化について触れていきます。

起きたチームの変化

これまでは、メンバーの役割は流動的でした。プロセスはどうあれやり切ることが重要であり、役割は気付いた人がやればいい。事業の立ち上げフェーズではままあることでしょう。デザイナーも、それぞれの得意分野をもとに、適宜何かがあれば手をあげて自然と分担が決定する状態でした。

いまは、プロジェクトの進行管理と、実開発の役割分担が、以前よりは明確になりました。
加えて、プロジェクトの数にあわせ、チームが細分化されるようになりました。

デザインチームの相互理解と進めかたの最適化

私個人でいえば、「kaizenPJ」と呼ばれる、短期施策をバンバン回してnoteを成長させるチームのプロジェクトマネジメント業務の側面がかなり大きくなりました。

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深津さん「決して止まらないカイゼン体制を作りたい」でいう、短期にPDCAを回すチームです。

ここでの管理業務は、数値面や体験面での状況・事象をキャッチアップ、施策に転換し、結果膨大に積まれていく施策の優先度をつけて、週次のスプリントに割り振り、回していくことです。
どういった形で定量的な情報と定性的な情報を組み合わせて施策を提案するかは、こちらでより詳しく語られています。

kaizenPJ発足当初は「埋めたい穴だらけ」状態の、明らかな穴をとにかくしゃかりきに埋めるのだ!…からスタートしていたので、私が入社してからもしばらくはその側面が大きかったです。施策が現状何があるのか、何から着手するのか、というのも週一回の定例でトップダウンで決まることも多くありました(もちろんボトムアップでの提案もありますが)。

そのしゃかりきモードも半年程度たつと、明らかな目立つ穴は結構埋まってきた状態になり、次の手でなにをする必要があるかから考えを割く必要がでてきました。また同時に、事業でやりたいことの幅が広がりつつあり、CEO・CXOが常にコミットすることも現実的ではなくなりました。加えて数値分析チームが本格始動しつつあり、そこで得られる情報を、咀嚼して整理しておく必要もありました。
こういったフェーズの変化が同時多発的にあったわけです。

こういった要因が顕在化する中、メンバー間でも自然と役割の認識ができていきました。「最速で進めるには誰がなにをするべきか」視点でのチームワークが滑らかになってきたともいえるでしょう。結果的に、私は施策の管理や整理の業務割合が増えました。

それは、ほかのメンバーも同様で、役割分担がアメーバみたいにゆるやかだったものがよりはっきりしたものになってきました。生産性を高めるという意味では、良い影響があったと思っています。

反面、情報の全容を把握できず、提案のスピード感やアイデアの多様性が落ちるリスクはあるので、情報の流通と、組織の心理的安全性を保ち、発言するハードルをさげるなど、それは乗り越えるべき課題なのでしょう。

プロジェクトの数が増えた

ここ半年で、事業として挑戦していきたい分野に取り組むフェーズとなり、複数の新規のプロジェクトが立ち上がり、走るようになりました。大きい新機能追加では「サークル」もありましたし、Nuxt.jsへの刷新や、ドメイン移行も、長期的に並行していました。また、法人向けプランも開始されました。

複数のプロジェクトが走り出したぶん、把握するべき世界観もひとまわり拡張されました。
それぞれにプロジェクトマネージャーが必要になり、開発側面が強いものはデザイナーやエンジニアが担当、ビジネス側面が強いものはディレクターがついています。

たとえば、サークルのプロジェクトマネージャーはデザイナーのこにたんが担当しています。

プロジェクトの生産性に最適化するため、開発側もチームの役割分担が進んでいます。

一年前までより混然としたカオスだったのが、徐々に秩序が構築されつつあり、組織としてステップが進んでいる気がして感慨深いです。

なしとげたい世界が拡張されたぶん、常に人材は不足し、組織内での情報流通やシンクも多くの課題があり、対処や変化の真っ最中ですが、それはきっと多くの会社が直面することでしょう。やりたいことが多すぎて悲鳴があがっちゃうかんじ…。

求められるデザイナー像の変化

この一年は、事業の世界観の拡張と並んで、「デザイン」という言葉の世界観が拡張された日々でもありました。

これまでも、「ただ作るだけ」ではなく、「前提の課題提起」「自分自身がリーダーシップをもって完遂する胆力と責任感」は求められていました。これは、会社のバリューでもあり、デザイナーに限らず求められることではあります。

直近では、その対象が拡張され、開発外でも、最適なフローやUXを提案できるかが求められるようになりました。

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本質的な「UXデザイン」の実践

肌で感じていることがあります。
ブランディングやUXデザインは、

・実現したい世界と、そのポリシーを定義する
・必要なポイントに、そのポリシーを、地道に、ブレずに浸透させる

こと。
たまに「noteのあの雰囲気やブランディングはどうやって作ったの?」と質問されるのですが、結局上記が全てです。
世界を描ける能力が必要なのはもちろんですが、その実現はかなりの草の根活動です。

ユーザと接するポイントは、サービス設計はもちろん、細かな言葉づかいまで。noteという世界の全体設計に意味がある部分すべてです。

それは、デザイナーだけでなく、組織のメンバーにも同時に、哲学や事業の意義がインストールされている状態を意味します。ステートメントや理想を設定しただけでは意味がなく、それが持続的に運用されなければいけない。
その道のりは地道で、ときに、地味な一歩一歩です。最終的なアウトプットが華々しかったとしても。
UXデザインは、デザイナーだけがすることではないのです。
そういった意味では、実現したいUXがあれば、その実現フローを浸透させるまでを含めてデザインといえます。

それは、ときに社内リソースについても同様で、使いまわせるテンプレートを作っただけではダメで、それを実際に運用してもらえる設計までを含めて、デザイナーの役割なのです。

描き、作ることと、その成立のためにコミュニケーションまで設計すること。
デザイナーの役割といえば前者でしょうが(というか、前者ができることが前提なのですが)、この組織においては、体感的にはもはや半々くらいです。

「目指す世界を、固定概念にとらわれずイメージできる」「目指す世界の全体最適化に必要なら、対象にこだわらずデザインする」ことが、この会社では求められていると感じます。サービスやチーム規模が大きくなる今、よりおおきく。

このデザイナー像が生まれた背景

個別最適ではなく、全体最適、コミュニティという場全体を設計し、生態系を作るのがめちゃくちゃできるデザイナーです。(中略)社会全体の幸福の総量を増やすにはどうしたらいいのか?を考えて、その上で「自社のサービスをもっともよくするには」という順序で考えてそうなイメージです。安易な、点の施策などに目がいかず、人と人が関わる複雑な全体設計を考えられる稀有な人。

これは、けんすうさんによるCXO深津さん評です。もともと深津さん自身が、「世界を最適化するフロー構築」「局所最適化でなく、全体の幸福値をあげる」視点をもったデザイナーです。
深津さんはその視点を行動で示すことが多く、この哲学は社内全体に伝播しているのではないでしょうか。

もちろん、求められるデザイナー像は組織によって異なるでしょう。ですが、深津さんをはじめ、走り続けるメンバーたちが行動で示してくれるのは、そういったデザイナー像でした。

吸収したい情報の変化

デザインの世界観が変わったことで、そのために得たい情報なども変化してきました。
デザインに絞った分野から、もう少し広く、人間や世界について、理解を深められるような本も最近は読んでいます。

加藤さん・深津さんがすすめてくれる本は、基本的には手に取るようにしています。
というのも、以前本を紹介したときにも触れたのですが、彼らは、バックグラウンドが違っても、「人間」に対する知見にかなり共通している部分があり、それもあって事業への意見も大きく食い違うことなく、ウマがあっているようにみえるからです。(というか、本人たちが実際そういっていた)

デザインの参考書、趣味で読んでいた心理学。ここ一年でかじってきた、行動経済学、マーケティング。先人起業家の自伝本。
それぞれ、語っている分野は異なるのですが、すべて「人間」を語っています。違う分野なのに、一貫しているのです。

これまでは、近々の業務に活かせる、直接の関係があるものしか興味をもつことができませんでしたが、地続きだと感じられるようになり、より幅広い分野の本を手に取ることができるようになりました。
自分の好奇心の対象が拡張されるというのは、何歳になっても、幸せな感覚です。

「心理学は、結果としてのルール」「歴史は、実際のケーススタディ」だそうです。学生のときは歴史に興味がもてず大の苦手でしたが、そういった視点でみると楽しそうです。次は歴史も読んでみたい。

あと…個人的には、もう何年もエンジニアさんと一緒に仕事をしているのに、自分にプログラミングの知識がないせいで、意思疎通のラグや理解不足が起きることに長年もどかしさがあり…2020年は少しプログラミングもかじってみたいと思っています…(とりあえずN予備校に登録)。年末までに、何かしら身についていればいいのですが…。

この一年を通しての感想など

この一年。行なったことが、どういった因果関係を経て、サービスへの影響に繋るのか、幅広いケースをかなり早いスパンで体験できました。いい影響も、そうでないこともありました。ですが、ケーススタディが蓄積されたこと自体が私にとっては価値です(巷では、「noteは通常の体感時間6倍速」といわれているらしい)。
それらの肌感をたくさん得ることが、まさに働く場をnoteに移したことの目的のひとつでもありました。
今年はまた、違うフェーズを体験できそうな予感(というか渦中)です。

また、個人的には、プライベートの事情により、今年は福岡と東京を行ったりきたりする働き方になっています。その中でパフォーマンスを残していくのはなかなかチャレンジングではありますが、挑戦したいです。
これはこれで、また記事に残したいと思っています。

それでは、また一年、がんばります。

P.S そんな体感時間6倍速なnoteではデザイナーもそれ以外も、幅広く募集していますので、興味があるかたは見てみてください。


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