2023年のMIMIGURIを象徴する6つのキーワード
今年もMIMIGURIではAdvent Calendarに挑戦します!
MIMIGURIは合併後3期目を迎え、メンバーは約70名となり、"人と組織に対する深い洞察と専門知を有する経営コンサルティングファーム"をアイデンティティに掲げながら、毎日楽しくやっております。
ずっと仮設だったコーポレートサイトも、ようやくリニューアルしました。
さて、MIMIGURI Advent Calendar 2023では、以下の6テーマを掲げて、それぞれのメンバーが好きなテーマを選択して、現在の景色を自由に語ってくれます。
DAY1となる安斎の記事では、なぜこの6テーマなのか。キーワードの背景についてメタ解説をしておきます。MIMIGURI Advent Calendar 2023を楽しんでいただくガイドになれば幸いです。
テーマ①冒険
MIMIGURIにとって、2023年になって初めて掲げた、今では欠かせないメインキーワードが「冒険」です。
MIMIGURIはこれまで「創造性」や「ワークショップ型組織」などさまざまな切り口から自分たちのスタンスを表明してきましたが、「軍事的世界観から冒険的世界観へ」というスローガンを掲げたことで、自分たちの根底にある思想を言い当てる言葉を見つけることができました。
このテーマでは、それぞれのメンバーが2023年にどんな冒険をしてきたのか。これからどんな冒険をしていきたいのか。独自の視点から、冒険的世界観をどのように解釈しているのか。冒険的○○とは。そんな考察が聞けるかもしれません。
ちなみに私にとっての今年最大の"冒険"は、冒険的世界観のメッセージとそれを実現するための経営モデルを、6月のウェビナー『新時代の組織づくり』にて、3000名を超える方々に向けてぶっつけ本番で初披露したことでした。総合満足度98.6%と大変好評いただき安心しましたが、珍しく緊張に震えながら喋っている様子が、以下のYoutubeからご覧いただけます!
テーマ②葛藤
経営やマネジメント、複雑なプロジェクト、キャリアデザイン。冒険的な仕事には概してAかBか、シロクロはっきりさせられない「葛藤」がつきものです。こうしたモヤモヤした感情は、未来の学習と創造の源になりますから、MIMIGURIでは創業期から経営レベルで葛藤を創造性の源泉として大切にし、メンバー同士で分かち合うことを歓迎し続けています。
70名のフェーズから多角化経営にチャレンジするMIMIGURIの仕事も、日々葛藤に満ちているはず。テーマ②を選んだメンバーの記事では、おそらく生々しい葛藤のナラティブが語られることでしょう。
ちなみに2023年3月には、葛藤を手懐ける思考法を新刊『パラドックス思考』にまとめ、ご好評いただきました。葛藤のメカニズムに迫る本書の執筆過程はそれ自体がとてもとても葛藤に満ちたものでした。まとめるのが大変だった…!
テーマ③探究
これもまた創業期から大切にしてきたキーワードでありますが、冒険的世界観を掲げたことで、より一層意味深いキーワードに昇華されました。探究の訳語のひとつである"Quest"は、冒険の訳語でもあり、また安斎の専門の中心である「問い(Question)」の語源にも重なるからです。
MIMIGURIでは、CCOの小澤美里の主導のもとで全員が探究テーマ(通称Quest)を設定して、それぞれの探究に励んでいます。
テーマ③の記事では、各自の探究の手応えや成果、気づきなどレポートをお楽しみにしていてください。
ちなみに「探究」にまつわる個人の近況として、今年に入ってから教育領域から「探究学習」に関する仕事のお声がけが急激に増えました。元々の専門領域でもあるため、冒険的世界観における教育の在り方は今後も考えていきたいテーマの一つです。
テーマ④遊び
MIMIGURIは2021年に安斎が経営するミミクリデザインと、ミナベが経営するDONGURIが合併することで誕生した会社です。合併前からこの二つの会社に共通していたDNAこそが、実は「遊び」です。
私にとって「遊び」と「探究」は、人間にとって衝動的な営みである点で共通していますが、もしかすると「遊び」のほうがもう少し肩の力が抜けていて、どこか自己目的的で、余白があって、日常を倒置させる非日常性を秘めている。そんなニュアンスの違いがあるかもしれません。
MIMIGURIメンバーが日々どんな「遊び」に興じているのか。個人的にもテーマ④の記事は楽しみです。
ちなみに、私が最近密かにハマり始めている「遊び」は、音声コンテンツの制作です。3年前からPodcast(CULTIBASE Radio)は運営していますが、あまりにも適当に収録していて、決して本気で音声コンテンツを作っているとはいえない状況でした。
けれども最近になって「本気で音声コンテンツを作ってみたい」という衝動が突然湧いてきて、あれこれリサーチして試しているところです。もしかすると、更新停止中のCULTIBASE Radioが近々リニューアルするかも…!?
テーマ⑤理論と実践
MIMIGURIは文科省認定の研究機関でもあるため、事業の推進を通して明らかになったことを、再現性のある知としてモデル化して発信していく。そして理論をもとに実践の質を高めていく。創業期から、そんな「理論と実践」の往復を大切にしています。
テーマ⑤の記事では、それぞれのメンバーの視点から理論と実践の往復活動や、メタ的な解釈が聞けるかもしれません。
ちなみに個人的にも、2023年は特に理論と実践を意識的に往復した1年でもありました。前述したウェビナー『新時代の組織づくり』でお披露目した経営モデル「Creative Cultivation Model(CCM)」は、一見して咀嚼・理解するのは困難だと思いますが、すでに多くの企業で経営の課題解決の見取り図としてご活用いただいています。
テーマ⑥自己実現と社会的価値
最後のテーマだけ長くて重たい感じがしますが笑、これは軍事的世界観を脱却して、冒険的世界観にシフトしていく上でとても重要なキーワードです。
まず「自己実現」は、冒険的なキャリア観を象徴するキーワードです。個人のキャリア観は、自分を押し込めて会社に隷属する「会社中心のキャリア観」から、自分の衝動と才能を活かして自己実現を探究する「人生中心のキャリア観」にシフトしています。
そして「社会的価値」は、冒険的なビジネス観を象徴するキーワードです。旧来の敵国と領地を奪い合うことを最優先するビジネス観は限界を迎え、仲間と共創しながらよりよい社会的価値の可能性を探究する態度が企業に求められるようになっています。
冒険的世界観を実現するためには、この冒険的なキャリア観(=自己実現の探究)と冒険的なビジネス観(=社会的価値の探究)の両立を諦めない組織をつくることに他なりません。
この試行錯誤に焦点を当てたのがテーマ⑥「自己実現と社会的価値」というわけです。これはCCMの最上部と最下部にに可視化されています。このテーマの記事では、それぞれのメンバーの目線から、自己実現と社会的価値を結びつける試行錯誤や、その難しさなどが語られるかもしれません。
ちなみに私は、これは企業の従業員だけでなく、経営者自身にとっても重要な考え方だと思っています。経営者にとって、事業を通して社会に価値を還元することは当然の責務です。しかしその過程で、自分自身の衝動に素直になり、経営者自身の「自己実現」を諦めないことが重要だと思うのです。
私自身の経営のモチベーションはAdvent Calendar 2022で記した以下の記事と今も変わりありませんが、外部環境が絶えず変化するなかで、事業や組織がどうあるべきかと同時に、いま自分は何がしたいのかを常に問うようにしています。
この問いに対するいま現在の答え。つまり私の自己実現の欲求は、「冒険的世界観」について、一冊の本にまとめ、世に問うことです。そのためにいま、『冒険する組織のつくりかた(仮)』という単著の執筆に挑戦しています。なかなか骨の折れる仕事になりそうですが、ぜひ応援いただけると嬉しいです。
さて、以上「MIMIGURI Advent Calendar 2023」の6つのテーマのメタ解説でした。
自由気ままなMIMIGURIメンバーのことだから、もしかしたら一人も担当しないテーマが出てきたり、第七のテーマが創発したりするかもしれません笑。
明日以降、MIMIGURIの公式Xアカウントで発信していきますので、是非フォローして楽しみにお待ちください!
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