スクリーンショット_2019-05-15_15

なぜイノベーションに「遊び心」が必要なのか?(プレゼンスライド公開)

WDA公開研究会「イノベーションに「遊び心」は必要か?-創造の手法と人材のあり方を問い直す」が終了しました。ゲストにStudio PLAYFOOLの丸山紗季さん、DSCL Inc.の平野友規さんをお招きし、安斎もミミクリデザイン代表として登壇させていただきました。ファシリテーターはミミクリデザインの魔法使いこと、デザインリサーチャーの淺田史音が務めました。

最初に小学生のような感想を述べると、とにかくめちゃくちゃ面白かった!個人的にもミミクリ的にもど真ん中のテーマだったので、実をいうとこのためにオリジナルの話題提供スライドを準備して臨んだのですが、ゲストのお二人の話題提供が刺激的で、また参加者の皆さんの対話からのパネルディスカッションは気づきに溢れていて、とにかく一言で総括すると「めちゃくちゃ面白かった!」でした笑。

イベントタイトルの問いに対する安斎のアンサーは、当然「YES」です。ミミクリデザインの社名自体が「見立て遊び」を由来にしたものですから、イノベーションに「遊び心」は必要か?と問われたら、「当たり前じゃん、必要に決まってるじゃん!」というのが、僕の前提としての回答です。

しかしながら、改めて「なぜイノベーションに遊び心が必要なのか」について、その理由を考えていくと、簡単には答えにくいことに気がつきました。今回はその「複雑な理由」について整理する良い機会となりました。

簡単に答えにくい一つの理由として、「"遊び心"とは何か」について答えること自体がそもそも難しいことが挙げられます。

遊び心は"Playful"と訳されるが、人は「遊んでいる」ときに、イコール「遊び心を発揮している」といえるのか。そうではないのではないか。日常の「遊びではないもの」を「遊ぼうとする姿勢」が、遊び心なのではないか。子どもの頃に誰もが持っていた姿勢でありながら、子どもの遊びに比べると、ややメタ認知的なニュアンスがあるのではないか。鍛錬可能な技術としても捉えられるのではないか。....などなど

以下、研究会に来てくれた、ミミクリパートナーでもある舘野泰一さんの研究会後のツイート。

また「遊び」そのものについても、実に多面的です。ロジェ・カイヨワの遊びの類型をみても、遊びはその性質や構造によって4つのパターンに整理されています。それぞれ、同じ「遊び」でも、イノベーションに対して持つ意味合いは、変わってくるでしょう。

以上のように「遊び心とは何か」「遊びとは何か」ついて考えるだけでも、簡単には輪郭が掴みきれないタフな問いであることがわかります。他方で、「イノベーションに何が必要なのか」についても同時並行で考えていくと、「遊び・遊び心」が潜在的に持っている性質と、「イノベーションに必要な要因」が、多層的につながっていることが見えてきました。

その「つながり」の詳細は、当日の話題提供のスライドを是非ご覧ください。当日話した一部の事例を除いて、全スライドを公開しています。

改めて、ミミクリデザインがStudio PLAYFOOLと共同開発した「PLAYFOOL Workshop」は、遊びの可能性を最大限に活かしたワークショッププログラムであることを再認識しました。組織の日常を支配している論理的思考を始めとする「線型的な思考」から脱却し、楽しんでいるうちに自然と個人、チーム、組織の創造性を促進することができるこのプログラムは、社会の創造性の土壌を耕す上で、効果的なアプローチになると確信しました。

一人でも多くの方にPLAYFOOL Workshopを体験していただくべく、6月9日(日)には一般公開のワークショップをミミクリデザインオフィスにて実施しますので、まだ一度も体験されたことがない方は、ぜひこの機会にお気軽にご参加ください!日常では使っていなかった創造性が引き出される体験となるはずです。以下リンクからお申し込みください。

参考:PLAYFOOL Workshop PV



この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?