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《創作交換日記》 「2020年の河童と踊った日」

創作交換日記「今日もぼちぼち」
今回は、松本奈々子さん(@ᘉᵃⁿαкσmαᵗ⳽umσt〇・:* ◜◡^)です。


6月9日  ゆきさん みなさんへ

梅雨ですね〜 はじめてぼちぼち日記をかきます、松本奈々子ともうします。チーム・チープロというユニットで活動しています。(HP:chiipro.net

交換日記は小学生ぶりです。当時ランドセルに何冊も溜めてはおこられていたので、ぼちぼちは助かります。書く皆様、読む皆様、よろしくおねがいします。

2020年コロナのころにイマジナリー・ワルツというこころみをはじめたのですが、はじめましての日記はそのことから短く書き始めようとおもいます。

イマジナリー・ワルツは、想像上の誰か/何かとワルツを踊るこころみです。 内容はシンプルで「街で出会ったものやひとや動物植物と想像の上で手を取り合い、ワルツを踊る」というものです。ワルツはduoで踊る社交ダンスの型で、踊り相手とはむきあって踊ります。
踊る相手は、山と踊ったり、電柱と踊ったり、腰の曲がったお婆さんと踊ったり、あとはシャーロックホームズみたいな物語の登場人物とかも。想像上なのでいろいろお誘いできます。踊り相手のものやひとや動物植物について文字や絵でかき起こしておくと、想像しやすいし、あと忘れたころにもそれを辿って踊ることができるのでおすすめです。

それで昨日、今住んでいる街で、2020年に巣鴨で書いた河童と、踊りにいくことにしました。何も用事はないのだけれど、青い空がうれしいので、という顔をしてぶらぶらあるき、偶然に会ったかのようなふりをして河童をさそいました。 河童は特段おどろきもせず、でもその気配は以前よりもうすく軽くなっているようでした。わたしたちは住宅地のマンホールをたどりながらワルツを踊りました。河童はまえとおなじようにくるりと回るのが得意で、わたしのほうはというと、そのうすくて軽い河童を押し潰してしまわないように、自分もなるだけ軽くなれるように、と重さの調整にかなりてこずりながらステップをふみました。(ワルツを踊るときはおたがいの重さをやりとりし調整しながら動きを展開させてゆきます、と以前社交ダンスの先生に習いました。)緊急事態宣言がでて誰も外にでていなかったころの河童は私と同じ重さをもって近所をうろうろしていたけれど、いま河童はうす目でやっとみえるような世界に移り住んだのだと感じました。あるいは私が重くなったのか。もぞもぞしているところを快活な小学生がはしっていきました。

あのころみなさんはどんな過ごし方をしていましたか?
河童に会ってましたか。狸かな。

わたしはおばあちゃんになっても続けているのかなと妄想しながらぼちぼちイマジナリーワルツのレッスンを続けています。あのころのことばを踊ることで、生活にすごく近いところで踊りについて考えていたことを思い出しています。

それではまた。

奈々子より

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