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4万分の1を自覚せよ

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さて、コロナウイルスによってうちもそうですがEC(オンライン)での商品販売を始めているお店や会社さんが多くなってきました。
飲食店に限らずライブハウスもそうだし、美容室でも営業が再開してから使える売り上げを先取りできるチケットの販売など、いろんな業種業態がいわゆる「通販」に軸足を置き始めています。
実店舗での営業ができないので当然の流れですね。

東京のイルマン堂さんが自店の休業について
「喫茶店は今1番いらない。テイクアウトも時短営業もイルマン堂以外誰のためにもならない」
と仰っていて本当にその通りだと思います。
うちもそういう気概でオンラインでの販売に軸足を置き始めたのです。
営業しているのが悪いとかいう話ではなく、僕自身はそれに賛同しているという話です。

このマガジンはカフェを開業すること、継続することについて書いていきます。 カフェは時代や街を大きく写します。 それを通して分かることがあるし、それを見誤るとカフェを経営することが途端に難しいものになってしまいます。 そんな視点で綴るマガジンです。
月額¥500、1日あたり15円ほどの週刊誌です。
僕個人の新店舗開業までの進捗や現店舗のウラオモテなども並行して。 カフェをやってる人も、これからやりたい人も。ただカフェが好きだよ、という人も。 ぜひお気軽にご購読ください。

もちろんオンラインへの移行だけでなくお弁当やお惣菜への路線変更をするところも多いと思います。

さて。

こういう取り組みってとてもいいことなんだけど実店舗での売上がそのまま反映されるのかなぁ、と僕はやりながらも半信半疑だったりします。

これは昔の話ですが、うちの店舗(焼き菓子販売の方ではなく)も一度食事やケーキのテイクアウトをやっていた時期があります。もう2、3年前だと思いますが。
正直取り組み始めた時の計画としてはたくさん売れるだろうなと思っていたのですが全然そんなことなくて…
ちょっとプラスになったくらいで途中で「あ、これはやればやるほど疲弊していくな」と思いその事業からは撤退することにしました。
それを導入するためのデザイン費や包材代、営業中にそこに割かれてしまう人件費などを考えれば大して美味しくない商売だったといえます。

常連さんも多く、たくさんの人間関係もそこにはありました。なぜそこまでうまくいかなかったのだろうかと考えたときに3つのポイントが浮かび上がってきました。

①新規のお客様が利用しなかった

事業というのはリピーターさんと共に全く新規のお客様も大事です。澱むので。お店の近くには吉野屋やマクドナルド、餃子の王将など他にもテイクアウトのできるお店が多数存在していました。普段からそういうものを利用している人は急に予算を上げて見ず知らずのお店の商品を利用しようとは思わない。うちの価格帯は1000円前後で予約以外はそれなりにお渡し時間がかかってしまうというオペレーションの複雑さもありました。
要は使いづらかったのです。そもそも小さなお店が急にテイクアウトをはじめた、といったところでそんなものは存在していないのと同じですね。

②利用者の属性が違う

twitterとYouTube、instagram、noteなどで利用している人間(そこに住んでいる人間)が全く違う様に、カフェを利用している人間は「持ち帰って商品を楽しむ」という世界に住んでいなかったのです。
常連さんは結局店内で雰囲気やサービス込みで楽しみたいという気持ちが強くテイクアウトを利用してくれても1度きりだったりします。
一見、食事を楽しむという面で囲ってしまえば同じ様に見えるけどそんなことはないのですね。
要はそこまでいくのであれば中で食べて帰るよということですがさらに解像度を上げていくと食べる事ではなく「どんな環境であるのか」がうちのお店の価値だったということが見えてきます。

そして3つ目の原因が今日の主題です。

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