見出し画像

終わりのない危機はない。感染症も株価も歴史を振り返る。

連日の新型コロナウイルス関連報道。

関東圏では今週末に不要不急の往来・外出などの自粛が要請されるなど、状況悪化が報じられています。

在宅勤務を続けている企業も多く、長いところならでしたら1か月近く。ニュースを見る時間、考える時間が増えれば不安な気持ちも膨らみがち。

株価も激しい値動きの中、日経平均もわずか2か月で30%程度下落。

気持ちが沈んでしまって、不安に駆られている人も多いんじゃないでしょうか。

しかし、不安というのはモノゴトを、更に悪い方向へと導いてしまいます。

モノがなくなるんじゃないかという不安から買い占め行為に走る。

景気がどこまでも悪化するんじゃないかという不安から資産運用のために長期投資しようとしていた株を手放す。企業の保有資産を下回る株価まで売り込む。

不安から家族、近くの大切な人を傷つけてしまう。

不安を抱えた心理状態で行動してしまうのは本当、良いことありません。

不安というのは、先行きが不透明であればあるほど大きくなりますね。

実際、今回の新型コロナは過去にない「新型」であるから怖いわけで、専門家であっても科学的エビデンスをもって正確な予測をすることはできないでしょう。

でも、歴史を振り返れば、将来の正確な予想はできないまでも、少なくとも先行きを前向きにとらえることもできると思うのです。

1. 人類は幾度となく感染症を乗り越えてきた

中世ヨーロッパにおいて人口の3分の1が死亡し たといわれるペスト、世界中で5億人以上の者が感染し、死亡者数が2,000万人とも 4,000万人ともいわれる1918年からのスペイン風邪、1976年のエボラ出血熱、1981年の エイズ、2003年のSARS、鳥インフルエンザウイルスの流行。

勿論どれも多くの人類を苦しめてきており、現在においても未だ完全に克服できない感染者もあります。

しかし、歴史の傾向としては、 ワクチンの開発や抗生物質の発見により、感染症の予防・治療方法が飛躍的に進歩し、感染症での死亡者数は歴史とともに劇的に減っていることは事実です。

今回の新型コロナウイルスも、ワクチンができるまで、薬ができるまで、しっかりと感染対策をすることで自分と周りの人を守り、冷静に医療崩壊を防ぐために一人一人が行動していくことで、必ず乗り越えられるものです。

参考:平成16年版 厚生労働白書 現代生活を取り巻く健康リスク ー情報と協働でつくる安全と安心ー


2. 終わりのない弱気相場はない

世界最大規模の資産運用会社、インデックスファンドの元祖、バンガードの記事を引用します。株式相場の急落を目にしてパニックに陥りそうなとき、何度でも見返すべき記事です。

※ここでは弱気相場とは、「直近の株価の最高値から20%下落した相場」

市場を長期的視点で見ると、細かい変動は隠れて見えなくなりますが、詳しく調べると、世界的な強気相場によるリターンは弱気相場の損失を補って余りあることがわかります。
弱気相場は頻繁に起こります。1980年以降、米国では7回、英国では5回の弱気相場がありました。
荒れた相場を乗り切る秘訣は、市場が変動するのは正常なことであり、チャートが示すように、長期的に見ればそれほど重要ではないと理解することです。

画像1

出所: トムソン・ロイターのデータに基づきバンガードが算出。リターンは1980年1月1日から1987年12月31日までをMSCIワールド・インデックス、1988年1月1日から2019年6月30日までをMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスにより、1979年12月31日を100として算出。

いつになるかは分かりませんが、新型コロナによる人の移動制限もいつかは終わり、主要国は協調して金融・財政政策を講じ、経済はまた動き出すでしょう。過去データを振り返れば資本主義において、経済が成長していく限り、株価は長期的にはプラスのリターンになっていくであろう、と少しは前向きに思えるのではないでしょうか。

3. 不安を乗り越えたら

歴史を見つめ、必ず、困難は全体として乗り越えられる、と信じて冷静になることで、不安は乗り越えられます。

不安な気持ちを抑えられれば、パニック的な行動には繋がらないでしょう。

冷静な気持ちで、目の前の感染拡大から自分と周りの人、社会を守り、みんなで乗り越えるためには何をすべきか、考え、行動していきましょう。

目下、移動制限で困っている、資金繰りに困っている人たちにも、冷静な気持ちならば、できることが見えてくるはずです。

サポート頂けると励みになります。 頂いたサポート以上のもの、お返ししていきます!